こんな外観だけど、大丈夫だろうか?
新潟県佐渡市両津湊114
和テイストを狙ってる風な外観が少しもそそらない……
しかし、その懸念も扉を開けた瞬間に雲散霧消。
店内は見ての通り、この素晴らしさ。
佐渡でこちらを1軒目に選んだのは正しかった。見どころたっぷり、薄暗くて雰囲気抜群、純喫茶らしい風景。
「コーヒーしかないよ」と店主。
もちろん大丈夫!
出てくるまで結構待った。雑味がなくて飲みやすく美味。
「コーヒーしかない」と言われ、「いいですよ」というお客はどれだけいるのだろうか?
純喫茶マニアなら、店内を眺めることが一番の目的なので、迷わず「いいですよ」と即答できる。コーヒーはお通しみたいなものだ。
しかし店内鑑賞に興味のない観光客だったら、別の店に行ってしまう可能性が高い。
0.01秒で「いいですよ」と即答するのは、どこか普通ではない。
「どこから来たのか」(地元の人間でないとバレている)、
「どこに行くのか?」(佐渡は広い)など、
マスターから質問された。
喫茶店巡りのために佐渡に来た。
純喫茶巡りという酔狂な趣味が認知されつつある昨今なら、そう答えた方が話は早い。
でもね、なるべくそれを言いたくない。たとえ「あいつマニアじゃね?」と怪しまれ、正体はバレバレだったとしても。打ち解けなくたっていい。変な客だと思われ、露骨に不躾な視線を投げかけられたとしても。ギリギリのところで上手く逃げ切れたら。
私のあまり言いたがらない様子を察してマスターは、
「両津は見る所ないからね。北一輝くらいかな。相川の方が面白いよ」と言いながら、外に出ていってしまった。
カウンターにはママさんがいる。他のお客? そんなのいない、お客は私だけ。
テーブルには、大きな赤い石。
シータウン商店街の隅っこで天然石を売ってる売店があったが、赤石という名前のついた赤い石があった。きっと佐渡の名産品なんだろう。
佐渡といえば、こちら。壁には朱鷺(とき)の羽が飾ってあった。
新潟県及び佐渡市の鳥でもあり、特別天然記念物の朱鷺は佐渡のシンボル。佐渡市内は「おけさ」と共に朱鷺モチーフであふれている。
後ろを振り返ると、ガラスケース。
中には福助人形がぎっしり。
入口のショーケースにも!
凄い! 相当な数の福助人形コレクション。
店主の趣味なんだろう。福助人形のミニ博物館といったレベルの量。
ただ、これだけの量が飾ってあっても、入ってすぐは福助に気付かなかった。コレクションだけ浮いてる感じがなく、純喫茶のインテリアとして違和感なく溶け込んでいるからだ。
暖簾まで福助。
足袋ってあるけど、あの靴下やストッキングの会社じゃないの? 花園はどうした!?(^_^;)
唯一花園らしさが残っているのは、両津市時代の古いマッチ箱。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
あかりのまま
2019/07/07 URL 編集
エムケイ
東京に戻ってきてからネット検索してたら、車が店先に突っ込んでみたいな記述見ました。
車を恨みます(笑)。
絶対前の方がいいです。100倍いいです。
飾りはめちゃくちゃ佐渡ですよね。
こことこの後で紹介する喫茶店が、佐渡らしさのツートップです。
佐渡まで来ると、完成度も重要ですが、ここでしか出会えない佐渡らしい喫茶店を何よりも求めます。
トキの羽珍しいんですね。
佐渡だと簡単に手に入るんだと思ってましたが、特別天然記念物だし、そこらに落ちてるわけではないですものね。
両津は他のエリアより喫茶店が多く感じました。
ただ、両津夷の喫茶店が何軒か固まってるエリアでは、少々怪しげな(私があまり好まない路線の)喫茶店もあり、さすがにそこは扉を開けることはできませんでした。
たしかこの辺昔遊郭があった所みたいで、面影はあります。
2019/07/07 URL 編集