浜松からJR東海道本線で豊橋方面に約10分、舞阪の大箱喫茶「レッドサン」。
静岡県浜松市中央区舞阪町浜田719-2
実は、行くまでそんなに期待していなかった(^_^;)。
広いんだろうな、営業は安定してそうだな、とりあえず行くか的ノリ。ファミレスみたいに無難な喫茶店を想像していたのです。
舞阪町東海道松並木(舞阪宿)
松の並木を抜け徒歩10分程。国道沿いに立つ背の高い看板は、緑・赤・白の「サイゼリヤ」カラー。ますますファミレス感を強めていく(^_^;)。
駐車場に車が入って行く。朝から人気ですね。
ドアの脇には純喫茶らしいプレート。
「プロがたてるひきたての香り高い珈琲をどうぞ」
この段階でハッとするのです。甘く見ていたかもしれません…期待高まりドアを開けた。
素直に良い!
真ん中に電話ボックスがあって天井が高い。
広いだけじゃなくて、空間が分かれてて、こりゃ悩む。4つに分かれていて、雰囲気が全部違う。
お店の人と常連さん集うカウンター。遠目にこっそりと眺める。
一番人気はこちら。パーテーションの向こう側のテーブル席にはお客さんがビッシリ。
ハッとする小さな半地下。スペインの鬼才・ペドロ・アルモドバルの映画に出てきそうな芸術的な空間。椅子が新種の生物みたいでシュール。
シュール席に後ろ髪引かれながら、庭が見える奥の空間へ。
フランスの田舎の牧歌的なティータイム風のテーブルがあり。
綺麗だし、お客さんが多く賑やかですが、ほんのり寂れ感もあり、純喫茶ムードは充分。ここ、とても好きです。
大きなメニュー表は、情熱の赤。レッドサンだから。
小粋なセットメニューが充実。
メニューを開くと、おおおっ! 悩んでしまうほど豊富なメニュー><
「健康的な貴女におすすめします」のフレーズがいいですね。特に「貴女」。
「美容と健康にヘルシーメニューはいかが?」って、そこにパンケーキを入れちゃう? パンケーキを食べる人は美容も健康も期待してません。ただ食べたいから食べる(^_^;)。
実は後からババロアがあるのに気付きました(⤴右上)。純喫茶でババロアがある店は少ないと船堀「れもん」の記事で書きましたが、まさか浜松の喫茶店にあったとは。「ババロアバリエーション」が激しく気になる。時すでに遅し。
すぐにでも行きたいところですが、近くないのでしばらくは無理そうです。今年に入ってとうとう私も初コロナになりまして、急性期の酷い状態はとっくに脱しているんですが、倦怠感の後遺症が長引いてます。遠方に出向く程の体力は戻ってません(^_^;)。いつかね…
「モーニング大丈夫ですか?」
間に合わないかも? 慌てて注文。
トースト黒パン。カフェならありそうですが、純喫茶では珍しい。バターがじっくり染み込んで美味でした。
+100円で大盛になると書いてありましたが、何が大盛になるんだろう? トースト?
トーストの下の紙ナプキンには赤い太陽「レッドサン」
マスターとママさんはとても感じが良い。
次から次へとお客さんが入ってくる人気店でした。
11時過ぎに入ってきたお客さんにも、「モーニングも大丈夫ですよ?」と勧めてました。でもそのお客さん、「いえ、コーヒーだけでいいです」
BGMは大きめの音量でオールディーズ。
とても居心地が良く、永遠に長居したくなりますが、意を決してやっとの事でお店を出る事にしました。
マッチも赤い太陽、レッドサン。
「赤い太陽だから『レッドサン』なんですね?」。マッチを見ながらそう言うと、頷くマスター。しかし、『レッド・サン』という映画がある事を後から知りました。
チャールズ・ブロンソン、三船敏郎、アラン・ドロンという錚々たる俳優が共演しています。
日の丸をイメージする真っ赤な太陽を真ん中に主演俳優が並ぶDVDのジャケット写真を見て、こちらが店名の由来だと確信しました。1971年公開、フランス・イタリア・スペイン・アメリカ合衆国合作。
フランス→フランスの田舎の牧歌的なティータイム風のテーブル
イタリア→「サイゼリヤ」カラーの看板(イタリア国旗!)
スペイン→ペドロ・アルモドバルの芸術的シュール空間
アメリカ合衆国→BGMオールディーズ(古き良きアメリカのイメージ)
強引なこじつけですが、辻褄は合う。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
紅茶っちゃ
2024/04/08 URL 編集
エムケイ
錚々たる顔ぶれの俳優陣ですが、なぜあまり知られてないんでしょう?
言われてみると、三船敏郎いるのに日本が合作に入ってませんね。
「スシロー」?
調べてみたら、本当に看板がそっくり!
2024/04/08 URL 編集
ユートーモ
リバイバル公開時ですが、阿佐ヶ谷駅前にあった「オデヲン座」で観ましたよ。
当初、パラマウントに企画が持ち込まれたのに拒否され、紆余曲折の末に合作となりました。なので原題はフランス語の「Soleil Rouge」なんですよね。
三船敏郎が頑張って、日本の侍の姿を徹底的に監修したので、それまでの外国映画に
登場したなんちゃって侍ではない、ちゃんとした武士が描かれていたと思います。
2024/04/13 URL 編集
エムケイ
阿佐ヶ谷に「オデヲン座」という映画館があったんですね。
オデヲンの字面にクラシカルな響き……
三船敏郎が侍の姿を監修。
なんちゃって侍、それはそれでツッコミ所があって面白いですが、かなり本格的だったんですね。
三船敏郎といえば、山本五十六役も演じてましたよね(見てませんが見てみたい)。
2024/04/14 URL 編集