次に向かったのは、伊勢神宮外宮参道にある「若草堂」。
着いたのは夕方5時頃。まだ明るさは残るものの、それも入店前の束の間。あっという間に日が暮れてしまった。
三重県伊勢市本町5-1
若草堂|店舗情報|伊勢うどんの店
名物の伊勢うどんはテレビでも紹介されたことがあるらしい。
あまりにも暗いので、もしや休み? でも営業中の札が出ている。
ドアのシールがチューリップとか向日葵みたいなファンシーなのじゃなくて、いかにも和な菊というのが実に渋い。
躊躇しながらも、おそるおそる入ってみたが……
えっ? ここってやってるの? 誰もいなくて店内真っ暗。
ちょっとアメリカンな雰囲気? コーヒーとケーキって、全然そんな感じのしない調理場から、おばあちゃんマダムが出てきた。
伊勢志摩らしく、Pearl Room(パール・ルーム)なんてのもある。
覗いてみたら、真っ暗でよく見えなかったが、こじんまりした個室になっていた。
日の丸の提灯なんかもあって、強いていえば和風テイストだが、統一感はないかも。
キリンやコカコーラの冷蔵庫は、結構な年代もの。マニアなら垂涎ものだろう。お店の人はそのへん無頓着なのか、余分なものがゴチャゴチャ置いてあって、勿体ない気がした。
中庭もあるようだが、暗いのでガラス越に目を凝らしてみても、映るのは自分の姿ばかり。タバコを吸う方はこちらで。
メニューは物凄く充実している。和食、洋食、酒類、甘味・珈琲等の喫茶メニュー、そして伊勢うどん。
伊勢うどんは専用のメニューも別に用意されている。種類が豊富。
お値段は結構するね! 単品は500円だが、伊勢うどん付伊勢海老定食は2800円。私なんかは単純に高い!と思ってしまったが、観光地なだけにパッと気前よく注文する人なんかもいるんだろうね。
天ぷら伊勢うどん(海老と野菜)にしてみた。
実を言うと、この日食事らしい食事はここだけ。四日市のエリカでモーニングサービスのトーストを食べたきりで、他は全部飲み物。さすがにお腹が空いていた。3日しっかり乗りきるために、奮発して天ぷらを付けてみたのだった。
ところで前回の記事でもチラリと書いたが、私、伊勢うどんを食べたことなかった。どんなのが出てくるのかしら?
じゃーーーん! (※表現が古い)
これが伊勢うどん?
スープじゃなくて、つけだれ。
「よくかき混ぜてから食べてください」とマダム。ちょっと想像していたのと違って面食らった。
けど、これが、うひゃーーー! 滅茶苦茶美味しい!
タレが肝なのかしら? パッと見た感じ醤油っぽくてしょっぱいのかと思いきや、甘みがある。で、驚いたのは、麺の柔らかさ。ブヨブヨ? ふにゃふにゃ? コシが全然ないの。
うーーん。これ、ハマる! すごくハマる! わーーー! お腹が空いてこともあって、あっという間に食べ終わってしまった。
天ぷらの野菜はレンコンがあったのは覚えているけど、後はナスとか芋だったかな(自信なし)。海老は衣が大きいものの、中は小さかった……。
「ご飯もサービスでお付けしています。一口いかがですか?」とマダムよりお声がけ。
一口? なんだろ、小皿にちょこんと乗って出てくるのかな? せっかくなのでお願いすると、
お茶椀一杯分出てきた。一口って謙虚すぎるでしょ!
(メニューに「当店のお米は国産です」と表記があった)
もちろんお茶もきちんと出てくる。
伝票は手作り。糊で貼った継ぎ目もある(笑)。
ダメもとで、でもかなり古い店なので、もしかしたらもしかするかも?と念には念でマッチの所在を確認すると、「…古いですけど」と言って渡されたのがこちら。
キャーーーー!
一気に舞い上がってしまった。なんて素敵なんだろう。一瞬にして、昭和の華やかな伊勢が頭の中でよみがえった(注:見たことないけど・笑)。
その時代に入ってみたかった。
2階を見上げる。
さっき貰ったマッチと見比べながら、華やかだった昭和の頃の若草堂に思いを馳せた。あの2階のお座敷席で毎夜毎夜ドンチャン騒ぎが繰り広げられたのかな……。
どうせなので、と時間は遅いが、伊勢神宮にも行ってみることに。
ここで取り出すは、純喫茶探訪グッズその1・懐中電灯。
でも真っ暗でどこから入るのか分からないし、そもそも入れない?
伊勢神宮ほどとなると、夜でも参拝できると思っていたが、そういうものでもないらしい。前にテレビで伊勢神宮の夜の参拝の映像を見た気もするけど、特別行事のときだったのかしら? 元から予定になかったので仕方ないが、せっかくの伊勢なのに伊勢神宮に参拝することなく、すごすごと伊勢市駅に引き返さざるをえなかった。
【予告】後日再訪問の記事をUPする予定。若草堂の伊勢うどんの美味しさがクセになってしまい、“日中”に再訪問した。同じ店だが、雰囲気がガラッと変わり、新たな発見もあったので、楽しみにしていてください。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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