まさかここまで変わるとは!
伊勢神宮外宮参道にある「若草堂」は、昼と夜で驚くべき二面性を持った店だった。
この店への訪問はとにかく日中! 日の出ている明るい時間帯に行くべし。キラキラ度が全然違うから。
三重県伊勢市本町5-1
若草堂|店舗情報|伊勢うどんの店
こちらには初日の夕方に初訪問。節電なのか座っている席以外は電気が消え、昭和の侘しさを噛みしめた。トイレはまるで肝試し……。もし夜だけだったら、自分の座ったごく狭い世界だけで終ってしまっただろう。
ただ初めての伊勢うどんはとても美味しく、その印象だけは鮮明に残っていた。
3日目ともなると、今更未知なる喫茶で冒険するよりも、少しは観光でもして三重らしいものを見てから帰りたいと思うようになった。
この機会に伊勢神宮にでも行っておこうかと。ついでなので、お昼にもう1回若草堂の伊勢うどんを食べ納めておこう。
若草堂は何をさておき伊勢うどん推し。伊勢うどんプラス○○定食といったセットメニューが多数。
それでいてソフトクリームもさりげなく推してるし、喫茶メニューも普通にあるので、色々ありすぎてつかみどころがない。
ショーケースには色褪せひなびたサンプル……伊勢志摩らしい貝殻のディスプレイ。
ところでパンって……。
目に飛び込む光景が夜とはまるで違う。色で例えればモノクロかオールカラーかくらいの差が。
中庭の存在も大きい。
庭には階段があった。
どこへ繋がるのかしら? 想像するとなんだか夢が膨らむ。脇にはまたもや三重名物(?)の金木犀の木。
どうやら階上椅子席に行けるみたい。
2階の広間と家族席も気になる。どうなっているんだろう?
隅のコーナーも無駄に凝っている。
滑らかにカーブしたテーブル、壁の下は豆タイルの装飾。
伊勢といえば伊勢エビ。具足煮はグソクニと読むのかしら? 響きがどことなくゲテモノっぽい。
最後なので気前よく伊勢うどん付のサザエ定食で。さすがに2000円の伊勢エビは勿体無くて頼めなかった。
「ご飯とお茶は足りなかったらお替りしてください」との有難いお言葉。
相変わらず伊勢うどんは美味しい! 三重での残り少ない時間を惜しむように、庭を眺めながら、うどんを食べた。
どさくさに紛れて、初日にいただいたマッチもチラリ出演。
これによると、私が座ってるのは『庭園椅子席』ってことになるのかしら。
この店を切り盛りしているのは高齢のマダムおひとり。
調理中は奥に引っ込んでしまうし、調理中でないときも姿が見えない(笑)。
ちょいちょい観光客も入ってくるんだけど、あれっ?誰もいない?みたいな感じで何組かは出ていってしまった。純喫茶好きにとっては、このユルさも魅力的なんだけどね。
消費税の4円はおまけして、1400円だった。
あちこちにぶら下がっているのは風鈴だろうか? 観光地のお土産でよく見るけど、時々シャラララーーーという爽やかな音色が聞こえてくる。何とも言えないノスタルジックな気持ちに。
そして、今回の再訪問での大きな発見がこちら。
土産屋のスペース。
正直な話、物置だと思ってた(^^;
夜は気配を消しているが、明るくなるとその姿を露わにする。
伊勢志摩みやげということで、パールを使った小物入れやアクセサリー、伊勢こけしは勿論だが、他にもキーホルダー始め伊勢志摩とは関係なさそうなレトロファンシー系文房具なんかも置いてあったり、貰ったら困るだろう的品まで多種多様。びっしりと陳列されていた。
リアルな意味での昭和の博物館でもあり、もしかしたら思わぬお宝発見できるかも。探すのは大変そうだが。マダムに声をかけてショーケースの鍵を開けて中を見せてもらったが、触ったらパール人形の顔のコーティングが剥がれたりして焦った。「それは売りものではないです」とのこと。
え? それって今急きょ決まったんでしょ?(笑)
う~~~ん、これなら大丈夫かな? 比較的綺麗目なのを選んだ(笑)。
70年代? 80年代? ペンシルボックスだって!
鉛筆、キャップ、鉛筆削り、定規も入ってた。300円位だったのでつい衝動買い。
マダムがケースの埃をぬぐって、包装紙でくるんでくれた。鮮やかな手つきでてきぱきと包む姿はカッコ良かった。
この商売っ気のなさ。他にもお土産屋はたくさんあるし、観光客でわざわざ足を止めてここでお土産を買うお客さんいるのかな?
とか言いつつ、観光地化したやる気満々な店ってのは全然食指が動かない。若草堂にはずっとこのままでいて欲しい。
三重県で突出した2軒の純喫茶に出会い、そのうちの1軒が尾鷲の純喫茶磯だと書いたが、残りの1軒は言うまでもなくこちらの若草堂である。
若草堂を出た後は伊勢神宮へも参拝。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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