2017/03/13(月)  CATEGORY:三重県

【尾鷲】純喫茶 磯

三重県を縦断し拾った宝物。

八方美人的な言い方をすると、訪れた喫茶店には全部それぞれ良い所があるのだが、その中でも飛び抜けて突出していたのが2軒。いずれも三重県、というよりはもっとピンポイントの狭い範囲で、その土地らしさが凝縮された純喫茶だった。もう1軒は後に語るとして、まずは先に出会ったこちらから報告しよう。

尾鷲の誇り「純喫茶 磯」。

尾鷲・純喫茶磯1

純喫茶 磯

三重県尾鷲市野地町12-5

尾鷲ボウリングセンターからも近い。

尾鷲・純喫茶磯2

ファザードに漢字で一文字「磯」。

海じゃなくて、磯。そして、この店名には店主の魂が込められている。

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まるで磯の香りが漂ってきそうな位に、店内は磯で埋め尽くされていた。

磯と一口に言っても磯遊び、磯料理など様々だが、こちらは磯漁・磯釣りのイメージ。それも小舟で漁をする、日本の昔の漁師。海女さんなんかとも印象はかぶる。古くからの習俗が閉じ込められた博物館のようだった。

尾鷲・純喫茶磯16

天井には釣り具も飾ってあったし、

尾鷲・純喫茶磯17

ひょっこり顔出す、漁師? いや釣り人か? 

火男(ひょっとこ)みたく目を剥きだしてて、リアルに再現した表情をじっくり見てると少し怖い。

尾鷲・純喫茶磯18

貝殻コラージュとでもいうのか? パーテーションや額には、貝殻を寄せ集めたアート作品が埋め込まれているが、キラキラ系とは言い難い。なんだかフジツボみたいで背筋がゾゾーー。それでもつい見てしまう魔力。怖い物見たさという抗いがたい魅力を持った、次元の高い大人向け。

尾鷲・純喫茶磯19

ザルに群がるカニ。

こんなこと書いていいのか迷うが、あまりにリアルで、グロテスクな面まで表現された磯なのだった。

子供の頃の記憶がよみがえった。

海辺にある博物館に行ったのだが、そこには昔の漁師の生活を再現した模型などが展示。囲炉裏がある粗末な家屋の隅っこで漁師が座って網を編んでいた。たしか押しボタンがあって、それを押すと、その漁師が朴訥な口調で、自らの生活を語り始めるというものだった。その記憶がよみがえった。そこには海に潜る等身大の漁師も展示されていた。たしかアワビを取りに潜っていたのだった。ガラスケースの向こうには、宇宙飛行士みたいな重装備で顔もフルフェイスのヘルメットのようなもので覆われていた。たしか船からその顔に空気を送っているというアナログな装置だったはずだが、それが妙にリアルでまるで生きている人がそこに閉じ込められているようで、なんだかおそろしく、夜寝る前にもその姿が思いだされてなかなか寝付けなかった。

この純喫茶磯からも同じものを感じた。

ただ、このように個性的な面を強調すると、一回行けばそれでお腹一杯になってしまう、単なるキワモノ・B級テイストのインパクト重視の店だと勘違いされやしないか心配である。

その点に関しては強く否定しておく。

見どころ充分な店内だが、雰囲気は極上。適度に薄暗く、BGMもどことなく幻想的で、まるで正統派純喫茶の静かな落ち着きで満たされていたのだった。

小舟でゆらゆら揺られているような、穏やかな気持ちで。

旅先のせっかちさがなかったら、半日ここでボケーっと贅沢に過ごしたいが、いつになることやら。

尾鷲・純喫茶磯20 尾鷲・純喫茶磯21

メニューのイラストには絵心があった。モーニングは11:00までか。ボウリングセンターに寄り道しなかったら間に合ったのか。…っていってもお腹空いてないから関係ないんだけど。

尾鷲・純喫茶磯22

ウィンナーコーヒー

マスターと呼ぶにはお若い30代位の男性がカウンターにいたので、写真撮影の許可をいただくついでに少しお話をうかがった。

「父が海に貝殻を拾いに行って何年もかけて作ったんですよ」

店内の磯アートは、現店主のお父様の先代が作ったものなのだという。

利用金額

  • ウィンナーコーヒー 400円

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その土地土地の純喫茶いいですね。
 初めまして。
 私も地元の札幌では喫茶店巡りをして、行きつけにできる喫茶店を見つけるのを喜びとしています。その土地土地の特色があり、昔の雰囲気を残した純喫茶っていいですね。
 また、今後ともよろしくお願いいたします。
2017-03-13 07:59 : 北のおとうちゃん URL : 編集
枡矢と申します
ご無沙汰しております。こんにちは。これは、沼津のケルン以来の大発見のような気がします。実は今、転勤で中国の深セン市に住んでおります。遠くから引き続き応援しています。
2017-03-14 23:44 : 枡矢と申します URL : 編集
>北のおとうちゃんさん
初めまして。札幌で喫茶店巡りをされているのですね。
私も一度札幌で喫茶店巡りをしましたが、珠玉店が多いですよね。
すすきののサンローゼの閉店は残念でした。

その土地土地の特色。
これこそがまさに遠征してまで純喫茶巡りをする動機となってます。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。
2017-03-15 23:17 : エムケイ URL : 編集
> 枡矢さん
京都から中国ですか。随分遠くなりましたね。
深セン市どの辺でしょうか。調べてみます。
もう偶然喫茶店でバッタリなんてないですね(笑)。

沼津のケルン。
コンセプトは違いますが、相通じるものがあるような気がします。
ケルンは少しもケルンらしさがないのに、こちらの磯は店名そのものという違いはありますが。
2017-03-15 23:21 : エムケイ URL : 編集
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