【高崎】Restaurant & Coffee Shop 白馬車

あなたはこの状況で店に入る勇気はありますか?

この写真を撮影したのは2010年8月。初めて歩いた高崎の大きなアーケード商店街・中央銀座で「白馬車」という喫茶店に出会い、そのクラシカルなネーミングに一瞬小躍りするも、2階への入口をふさぐ黒い車の存在感。

こ、これは! きっと店内は歌舞伎町のあの喫茶(某P)やあの喫茶(某C)みたいな客層だらけに違いない。とてもじゃないが、入る勇気、それどころか覗く勇気さえもない。スゴスゴと引き下がったのだが…

高崎・白馬車1

Restaurant & Coffee Shop 白馬車

群馬県高崎市寄合町34

10月にJRの秋の乗り放題パスを駆使して群馬県にある気になる喫茶を回り、ずっと気になっていたままのこちらの喫茶店に最後に寄ってみることにした。

7年前は夕方だったとはいえ夏だったのでまだ明るかったが、今回は同じ位の時間なのにすでに暗くなっていた。

高崎に着いたのは夕方5時過ぎ。当然のごとく高崎の名店「コンパル」はすでに閉まっており、夕方からの営業開始する白馬車のある中央銀座に向かった。

う~~~ん。寂れた商店街という印象で、たしかにそうだけど、別の意味で意外に盛り上がっている?

あまり雰囲気のよろしくない人が奇声をあげてうろついてるし、風俗店?みたいなのもチラホラ。治安は良くなさそう。大丈夫か、私?

アーケードの入口にあるつもりですぐに見つかると思いきや、記憶とは実にいい加減。結構離れてたみたいね(^_^;)。かなり歩いてやっとたどり着いた。

高崎・白馬車2

うわっ! 1階が無料案内所になってる!

黒塗りの車と同じくらいの威圧感なんだけどっ!

高崎・白馬車3

私が敬愛する純喫茶巡りの達人によると、中は意外と普通だとの情報なので、躊躇しながらもとりあえず階段を上って中を覗いてみることに。

高崎・白馬車4

階段を上るとガラス張りの店内。誰もいない?

おお! これなら私でも入れる。せっかくの機会、迷わず入店。

実際には客席が2手に分かれていて、奥の方から声が聞こえたけども、無人の窓際の席へ。

高崎・白馬車5 高崎・白馬車6 高崎・白馬車7

壁には魚が泳ぐ深海を描いた壁画。

レトロな…というのは少し違う。かといって新しく綺麗目の無難な感じとも違う。80年代後期~90年代あたりのバブル後期のダイニングバーみたいな感じ?

ストライクゾーンど真ん中ではないけども、これはこれで面白いかも!

あまり他では経験できないテイストに新鮮な気持ちになった。

店主はよく見る喫茶店の店主よりはずっと若く、明るくシャキシャキしていた。入口のこわそうなイメージとは真逆。入りやすく明るく健全では物足りない。そのくせ不健全すぎてもアウト。純喫探訪者はわがままである。店主の雰囲気に安堵したことは事実。

メニューはフード・ドリンク共に種類が豊富だった。値段も安かった。

何にしようか?と思い、普段は滅多に頼まないパフェ、ヨーグルトパフェ(550円)を注文。

「はいっ! ヨーグルトパフェですね!」

元気に注文を受けると、奥の調理場に店主(バイトではなさそう)は消え、しばらくガンガンの洋楽の流れる空間で1人外を眺めた。

高崎・白馬車8

窓からは商店街のお揃いの看板が見える。

電話が頻繁にかかってくる。そのたび「はいはいはい~! オムライスですね、かしこまりました」と元気に電話を受ける店主。近隣の店(キャバクラ?)からの出前の注文らしい。店内はガランとしているものの、実は物凄く忙しいようだった。

包丁をトントンさせる音も聞こえてくる。これは出前の注文か?

ヨーグルトパフェだと切るものなさそうだし。にしても出てくるまで時間がかかっている。もう喫茶のハシゴの予定はないので、待つのは平気だが、本当にオーダーが通ってるのか気になる。忘れられてないかしら? 忘れているようだったら、時間がないからいいです、って言って他の店にもう1軒行こうかしら?と考えていると、店主が元気に再登場。

片手にフルーツ盛り合わせ、片手にパフェを持ってる。

ああ、ここでパフェを置いたらすぐ出前に行くのね。お忙しいこと、と思っていると、

高崎・白馬車9

両方ともテーブルに置く。

「えっ! これは?」

フルーツなんて頼んでないんだけど。もしや場所が場所だけに、お通しみたいなもの?

「はい、両方ともです。うちはいつもの事なんです。皆さん驚かれます」

なんと! フルーツの方はサービスらしい。

高崎・白馬車10

もしかしたら本体のパフェよりもサービスの方が豪華じゃない?(笑)

高崎・白馬車11

パイナップル、梨、ブドウ、オレンジ、グレープフルーツ、メロン、りんご、バナナ。いずれも瑞々しくて美味しい。

こちらのインパクトが強く、肝心のヨーグルトパフェの印象は薄いが、こちらはこちらでヨーグルトアイスが主体の爽やかな甘さ。

純喫茶マニア目線では、パフェに直接フルーツを飾り付けをしてる方がビジュアル面では嬉しいけども、実際食べやすいのはどちらかというと、このように別盛りになってる方。

場所が場所だし、営業時間が営業時間だし、万人に広く勧められはしないものの、私個人で言えばとても満足。面白かった。

もちろんマッチ有。

「好きなだけ持って行ってくださいね」

そう言ってすぐ出前の電話に、「はいはいはい~! 了解しました~!」と受け答えしてるのが背後から聞こえた。

利用金額

  • ヨーグルトパフェ(フルーツ盛りサービス) 550円
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コメント

SHIHO

驚きのフルーツ盛りですねぇ☆

お店の雰囲気が『80年代後期~90年代あたりのバブル後期のダイニングバー』みたいなだけに、店主さんが『あちらのお客様からです…』的な展開かなと思ってしまいました…(^◇^;)

確かにフルーツパフェは最終的にぐちゃぐちゃになりがちなので、この別盛り方式は良いですねぇ(*^^*)

1枚目の写真の雰囲気ですと…抗争に巻き込まれる可能性をふまえ…その場を離れます(笑)

エムケイ

>SHIHOさん
そう、パフェは後半乱れる(笑)。
美しく終えるのは至難の業ですね。

『80年代後期~90年代あたりのバブル後期のダイニングバー』と書きましたが、そんな店に行った記憶もないのですが(笑)。
そもそもダイニングバーってどんなだっけ?

1枚目の写真こわいですよね。私がこわがりすぎかと思ってましたが、共通の認識だと知ってホッとしました。

枡矢です

歌舞伎町
ご無沙汰しています。あの歌舞伎町ネタですね。笑。三年くらい前ですか。転勤先の海外から楽しく拝見しています。京都市南区東九条に満鉄って喫茶店があります。なかなか入るのに勇気がいります。僕は無理でした。良かったらどうぞ。

エムケイ

>枡矢さん
あの歌舞伎町ネタです(笑)。
特に某C。どうやら閉店したそうです。
海外からも読んでいただいて有難いかぎりです。

京都市南区東九条の満鉄。
ネットで検索してみたら、万(萬)鉄という看板の店が見つかりましたが、こちらでしょうか?
私でも難易度高いです。
そういえば、何年か前にも京都に住んでいる方から、「ミュ~」という困った店があるからと勧められてましたが、まだ行けてません。
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エムケイ

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