純喫茶で最高峰の冠「高級純喫茶」
北海道留萌市錦町3丁目2-41
10時00分。シャッターが開き、電光掲示板には文字が流れていた。
彼女がホワイトレディー。
通路に椅子がポツンと置いてあるのが謎。
ここが入口だと思いきや、自動ドアが開き。
丸窓が並ぶ通路の奥に「高級純喫茶」がある。
感動のご対面!!!
ホワイトレディーは高嶺の花なので、そう易々と手に入れられぬ。長いアプローチの末にたどり着きました。
気分は最高潮。
ドアノブにかける手も震えます。
入るなりこう言われたんですが、たったの5分(^_^;)?
「コーヒーだけです」
間髪入れず、「大丈夫です!」
全部が小っちゃい、小っちゃい。「高級純喫茶」はもっと高飛車でいいんです。客は下僕なのですから(^_^;)。
これが高級純喫茶の世界です。
毛足の長い絨毯、座席は全席ゆったりソファー。
体が大きく沈み込む。背筋をまっすぐ伸ばすことが難しいゆったり革張りのソファー。
壁は深い漆黒の闇。鏡であることに気付いたのは、随分経ってからです。
鏡には豪奢な縁取りが施されていました。
しかし豪華一辺倒でないのも高級純喫茶なのです。
優美なモチーフのパーテーションには靴ベラや温度計、はたまた季節外れの風鈴がぶら下がっています。生活の知恵? 単なる装飾ではなく実用的に活用してます。ここが一番行き来が多い動線上なんでしょうね。
隙間からはストーブの煙突も貫通してる。
カウンターの前に車輪の付いたワゴンが置いてありました。実用品でも夢は失っていません。
入店時に「コーヒーのみ」と告げられたのでコーヒー。電光掲示板に「自家焙煎」の文字が流れていたので自家焙煎珈琲なんでしょう。
庶民的価格の400円でした。
かつてのメニュー表には、トースト、サンドイッチ、パフェ、あんみつもありますが、いつ頃まで提供されていたのでしょうか。
「好きにチャンネルを変えて」とテレビのリモコンを渡されました。
クラシック音楽が似合う店内ですが、実際に流れていたのは音量大きめの昭和歌謡。『東京砂漠』など。
「こういうのを聞く感じのお客さんが多いから…」だそうです。
「分からない」
それまでママさんだと思っていた女性よりも高齢の女性が奥から出てきたのですが、弟さんから50年前に引き継いだそうで、その当時店名はすでに「ホワイトレディー」だった。
何故かホッとした。由来を知りたいようで、実は知りたくなかったのだと気づきました。「ホワイトレディー」は皆の心の中で生き続ける想像上の貴人なんだと思います。もしかすると、人間ですらないかもしれない。髪の毛も緑ですし。
以前はもっと広く、2階も客席だった。1日で1000人のお客さんが来店する時代も。今だとひとケタ、多くて二ケタでしょうか(^_^;)? 少なくとも私が滞在した1時間以上他のお客さんは入ってきませんでした。インベーダーゲームを置いてた時は、定期的にまとめてお金を回収すると、300万円入っていたとか。いい時代だな~濡れ手で泡状態ですね。だからこそ、これだけの内装の高級純喫茶が造れた。
廃線目前で全国から鉄道ファンが留萌本線に殺到しているようですが、さすがにここまで行く人はほとんどいないだろう。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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