5月のえちごツーデイパス使い倒しの旅では、良いという前情報のある喫茶店以外入らなかった。
未知の喫茶店も入らねば分からないのは確かだが、心の底からどうしても気になるからイチかバチかの勝負をするというより、全然惹かれもしないのに半ばやけっぱちで入店することがたまにある。でもそういうのって大体ロクな結果を生まない。やっぱり入るんじゃなかったと後悔し、何をしに喫茶遠征してるのか疑問を抱くことがこれまで何度かあった。
新井では2軒の喫茶店を訪問。次の糸魚川に行くための電車の発車時刻まで時間はあり余っていたけども、残り時間は新井駅周辺をぐるっと散策したのでその報告。
平日の朝だから? 駅前はガラッガラ。
注)実際の経路は駅からパーラーピッコロ、もう1軒の喫茶、駅に戻り散策をしているが、分かりやすく地図の順番に回っていくのでご了承ください。
駅前ロータリーから右へ行くと山本食堂なるモロ昭和な古い食堂がある。
看板にカバーがかかっていてやる気がなさそうに見えたが営業中。朝っぱらから店内にいる客は全員酒を飲んでいた。あれ~? 食堂じゃないの? お店の人にとって私は違和感のある客(違和感しかない?)で、何かの勧誘と間違われた。ママさんから出た「ご飯はないのよ~」の言葉に、「すみせん」と即座に反応し店を出た。
隣にはタバコ屋があった。
最近はタバコ屋を見付けるとつい写真を撮ってしまう。世の大きな流れは禁煙に向かっているので、タバコ屋自体時代に逆行した商売であり、リニューアルするところは少なく古いままのところが多い。
毎度有難度う御座います
この無駄に漢字を多用する感謝のフレーズも、そのうち見なくなる日が来るのだろうか。
駅を背に山(妙高山?)の見える方向に真っすぐ進む。
どうやら商店街になっているらしく、歩道にはアーケードが付いている。新し目で全然そそられなかったが、とにかく歩いた。
途中からいい感じに古臭い洋品店に出会い、中を覗くと照明がいい感じのレトロ具合で、少しずつワクワクしてくる。
突き当りにはつるやという、つぼ療法の治療院がある。修験者みたいなシュールなシルエットが描かれて、これが新しいのか古いのかいまいち判断に困るが、ここから大分散策が楽しくなってきた。
蔵みたいな古い建物が見えてきた。
この通りは北国街道(新井宿)といい、善光寺への参拝のために整備され、佐渡の金を江戸に運ぶ道として五街道に次ぐ重要な役割を果たしていた。
昭和というよりは江戸までさかのぼっちゃう? 蔵造りの威厳のある建物は、酒屋とタバコ屋を兼ねていた。
看板に虹のかかった「むろや家具本店」。2階には洋館風の窓が付いている。
純喫茶エトワルみたいな丸みが付いたファザードの、業種からすると無駄にレトロモダンな安藤歯科医院。
あら可愛い。リオネットセンター新井。
このスズメみたいなイラストとリオネットという文字の組み合わせの看板、どこか他でも見たことあるんだけどどこだろう? 思いだせない。
70年代風のカラフルなレトロ照明。
金物屋かあ。あ~あ…純喫茶であって欲しかった。金物屋だと知り、軽く憎しみを抱く。
(肉屋、美容室などでも同様の感情がわき上がる。期待させやがて、みたいな。しかし、パン屋、洋菓子店なら大歓迎)
もしかしたらこの街道のもっと先にも面白い物件はあるのかもしれないが、時間の関係上キリのいいところで左折し、駅方面に向かった。延長線上に前回紹介した「パーラーピッコロ」がある。その途上でまたもやタバコ屋に出会う。
これで3軒目。ろくに人が歩いてないのに、タバコ屋が多すぎる気する。
でもむしろ、だからこそなのか? ギンギンに集客をしなければいけない商売では元は取れないが、昔からやってる流れでお年寄りがボチボチ小遣い稼ぎできればいいという感じで、細く長く続けるにはタバコ屋は良い商売なのかもしれない。
そろそろ新井散策が終わりそうなところで前回の記事で匂わせていた物件を紹介。
新井のナンバー1素敵物件。
美園という名前のスナック? 少し奥まった斜めになった入口とかアーチ状のゲートとか、妙に艶めかしい。
間挟んで右も入口になっている。植物で締め切られちゃってるけど、ドアに貼ってある花のシールが純喫茶チックで、色々と妄想を掻き立てられる。
ここといい美園といい、なんなんだろう?
2階は住居のようだった。これまた丸みが艶めかしい。1・2階含め建物そのものが放つオーラが、なにやら特殊な用途のために建てられたように思えて仕方がない。
この建物の脇からパーラーピッコロへ行ける。
この素敵な艶めかしい建物の並びの駅寄りに、ピッコロに入る前に通り過ぎた喫茶店「コーヒーハウス パグ」がある。
ペンダントライトや椅子がレトロで、正直ピッコロ以上にと大いに期待して入った。しかし喫茶というよりスナック寄りの空気が強く、早めに店を出てしまった。
「あの山が妙高山で、あの山がナンバサン(南葉山?)…」と店の前から北国街道方面を見て、左右の山を示した。どっちがどっちだか今となっては不明。初めてこの土地に来た私に、気さくで親切なママさんが説明をしてくれた。
なぜか分からないけど、店内はおろか外観の写真も撮らなかった。
犬のパグの絵がありインパクトがある庇だった。今になって、せめて外観だけでも写真を撮るべきだったと激しく後悔している。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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