【成田】新道商店街でわき道の迷宮に翻弄される

突如わき上がった、抑えきれぬ、チルチル熱。

成田・新道商店街1

チルチルって?

ご存じのない方のために説明しましょう。成田山の前にあるロマンチックな純喫茶「チルチル」のことです。

で、実際に行ってきたのですが、観光客向けの店がズラリと並ぶ表参道はスルー。新道通り商店街を歩いて向かいました。

成田・新道商店街2

カラフルな花の飾りが彩っています。

【新道通りの印象】
見通しが悪いくねくねカーブ、坂を下る、二股に分かれ、でももとに戻る、怪しい店のドアは斜め。

表参道と並走し低い位置にある日陰通りなので、観光客がここを歩くことはないでしょう。

私は物好きなので、4年前にも歩いています。といっても、行きはまっとうな表参道で、帰りの話。一度歩いた道をもう一度歩くのって、退屈じゃないですか? つい魔が差し、表参道からひょいとわき道にそれたら変な道に迷いこみ、「壱番館」「壹番館」という喫茶店を見つけ仰天したのでした。

【訂正】「壱番館」ではなく、「壹番館」でした。壹は壱の旧字。下のゴニョゴニュした部分が「豆」。

「なんじゃこりゃ~!」

なんでこんなところに? 日陰中の日陰。本当に目立たない場所にありました。こんなの見つけるのは自分以外いないな、と悦に浸ったんですが(笑)、どこからどう見ても閉店してる雰囲気だったんですね。それも、とうの昔に。

これがキッカケとなり周辺をうろつくと、出るわ出るわ。怪しげで魅惑の物件の数々。夢中になって歩き回りました。

あれから4年。今でも私を熱狂させた物件は残っているのでしょうか?

パブスナック東洋

成田・新道商店街3

ありました!

成田・新道商店街4

華がありますね。存在感は新道通りではピカ一。

遊郭っぽい木造の日本家屋には、入口が2つ。片方は「食事処東洋」、もう片方が「パブスナック東洋」。私の好みは「パブスナック」の方です。

成田・新道商店街5

ドアも取っ手も斜めになっています(笑)。

ずっと廃業店舗をほったらかしてるのかと思い込んでたけど、ひょっとしたら現役? 入る勇気はないけど、内装も素敵なのではないかと想像します。

2016年の「東洋」

成田・新道商店街6

外観はほとんど同じですが、4年前は椰子の木がありました。南国感を醸し出していて素敵です。

ワタナベのわき道

成田・新道商店街7

そして、新道通りの重要拠点「ワタナベ」。

成田・新道商店街8

看板の近くでは看板犬が、雄たけびを上げています。

その声に呼ばれ、そちらを見ると、またもや見覚えが……

成田・新道商店街9

「ワタナベ」の看板からわき道になっており、そうそうあの時の!

喫茶店「壹番館」/「旅館 福一」案内看板

成田・新道商店街10

2016年当時ですらとっくに閉店していた「壹番館」が、あの時と同じ姿でそこにありました。奇跡です。

成田・新道商店街11

怪しいお店の入口は斜め。法則通りのルックスに感動すらします。さらに法則を加えると、怪しいお店のドアには真ん中絞りのカーテンがかかってる、無駄にアール窓、とかもですね。

きっと中も昔のままの内装なんだろうな。一度見てみたいです。

若松河田にあり、二千十年に閉店した「純喫茶ロマン」のように、いつの日か見せてもらえる日が来ることを祈ります。

【参考】若松河田の喫茶店「ロマン」さんのテーブルを販売いたします(村田商會さんの記事)

成田・新道商店街12

「旅館 福一」への案内看板。

なんだって、こんな目立たない場所に設置するんでしょう? 私のようにマニアックなわき道好き以外誘導できないような気がします。

成田・新道商店街

手前の建物に「壹番館」の看板が倒れています。「コーヒー200円」に時代を感じます。

成田・新道商店街13

細い路地の先に、青い囲い(?)が見えますよね。そこまで行ってみましたが、何かを取り壊し中のようで工事の人が作業していたので、引き返すことにしました。

と、ここで2016年に撮影した写真を3枚挿入。

今回は見つけられなかったスポット3点

星や蝶々のデコレーションをしたアパート(?)

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和風の丸窓の建物

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風俗環境浄化重点地区の看板

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以上3枚の写真は、「旅館福一」の案内看板と次の「三福」の間で見つけました。無くなったのか、単に違う場所にあったのか不明。

三福

成田・新道商店街17

「三福」で合っているのでしょうか?

今は何でもない(?)ただそこにあるだけの建物に見えますが、過去は一体なんだったのか激しく気になります。

成田・新道商店街18

やたら「くねくねカーブして見通しが悪い」箇所があちこちにあるのが、新道通りの特徴です。カーブして、いきなり目に飛び込んでくるので焦ります。しかも、やたら車が走ってくるので、写真を撮りながら気が気じゃありません(-_-;)。

成田・新道商店街19

いい雰囲気の居酒屋も近くにありました。「こころ」は本郷の純喫茶と同じく夏目漱石の小説が由来でしょうか。でも、「こゝろ」じゃないですね。

さわらや

成田・新道商店街20

これまで触れませんでしたが、ここまで度々二択をつきつけられました。まずは駅前の交番のところがY字路になってて、右に曲がり、その後も「壹番館」の前でも小さな二又の分岐点があり、決断を迫られました。

ただ、結論から申し上げますと、それらの二又はどちらを選んでも、最終的には元の場所に戻るという意味のない二又でした。

しかし、今回はぐちゃぐちゃの高低差ある変な形の五差路。

「さわらや」の方へ。

成田・新道商店街21

なんていうことでしょう! 「福一旅館」があるではないですか!

実を言うと、あんなマニアックなわき道で見かけた案内看板は、撤去せずにそのまま残してるだけなのだと思い込んでいました。この旅館はとっくに閉館してるんだと。現役だったのですね!

成田・新道商店街22

Rの入口。ここから入るの?

なんかラブホテルみたいですね(^_^;)。

この旅館のある通りをまっすぐ行くと、JR成田駅東口の交番に続くようですが、この先はさほど面白くなさそうでしたので、引き返しました。

成田・新道商店街23

すると、「壹番館」へのわき道がこんな所に!

この回り回って元に戻る、うっかりすると抜け出せない迷宮のような道は、赤線跡によくありますよね。薄々感じてましたが、この辺もそういう場所だったに違いありません。

格式のある大きな寺のある門前町には、ありがちです。成田山にも、その手の場所があってもおかしくありません。

成田・新道商店街24

「壹番館」を遠くから(といっても近いけど)眺めると、一軒家喫茶ではなく、横長の大きな建物の一部でした。他はなんだったんだろう?

成田・新道商店街25

建物の裏側を見ても、さっぱりなんだったのか分かりません。

このまま堂々巡りのわき道から抜け出し、新道通りの大通り、「ワタナベ」の看板の所に出て、くねくねとカーブしながら「三福」への道をもう一度歩きます。

迷宮に翻弄されるのは、なんて楽しいのでしょうか、抜け出したときの爽快感は得も言われません。

成田・新道商店街26

遊びの時間はお終い。「純喫茶チルチル」に向かうことにしましょう。

利用金額

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コメント

rk

知りませんでした
壱番感、良いですね。近くにある廃喫茶カナディアンコーヒーハウスPIPSも良い建物なのですが、外観の良い店はかなり古く廃業してることが多く残念です。成田の楓という喫茶店は穴場感があって良かったのですが、インスタに載せても私のようなマイナーアカウントでは影響が無く穴場なままです(^_^;)

エムケイ

>rkさん
>カナディアンコーヒーハウスPIPS

おお、なんてタイムリー。
西参道にある魅力的な外観の廃業喫茶(?)ですね。
リンゴの看板がありましたね。
「営業中」ののぼりがあったので、もしやと期待して、近くの「ヤマザキショップ」の人に聞いたりしました。
この辺について、改めて書きますが、成田は魅力的な喫茶はたいてい廃業ですね。

「楓」は以前ちょっとチェックしました。
良さそうで行こうとしましたが、駅から歩けなさそう(歩けるのか?)と思い、無いものとして記憶から消してました。
いいですね、行かれたんですね。

エムケイ

>rkさん
楓、行けそうです。
バスがありますね。本数もまあまあ。

いつ行けるか分かりませんが、調べた情報をメモしておきます。

JRバス関東(多古線)

成田~「三里塚」~八日市場

通りすがり

パブスナック東洋
初めまして
コメント失礼いたします

パブスナック東洋ですが、私が新人の頃会社の先輩に連れていっていただいたことがあります。

黒いバーカウンターでご年配のマスターがカクテルを作ってくださりどちらかというとバーという感じでした。

内部で隣の食堂東洋と繋がっており少しこったおつまみ等はそちらから運ばれてきたのを覚えています

薄暗く内装はよく覚えていないのですが初めてのバー体験ということもありとても素敵な空間だったと記憶しております

もう十年もまえのことですので現在も営業されているかはわかりませんが懐かしさで思わずコメントさせていただきました

エムケイ

Re: パブスナック東洋
内部の様子教えていただき嬉しく思います。
食事処とは繋がっていたんですね。

何十年も前に行かれたとのこと。
実は今も現役みたいですよ。しかし残念ながらコロナ感染防止のため4月1日~21日は休業の貼り紙が出ていました。
(見に行きました・笑)

ここは本当に気になってるので、機会を見つけて訪問しようと思ってます。

Me

イチハンカン!
たまたま検索していたらこのブログ見つけました!
昭和の終わり頃、壱番館よく行ってました!
所謂、近所のちょい悪高校生の溜り場でみんな学校サボって色んな学校の生徒で賑わってました。
マスターがとっても気さくで優しい人でしたね。
でも、学生の間で皆があの人だけは怒らせてはいけないと伝承されていたので、揉め事も一切なく、他校交流の場みたいになってましたよ。
どんなにイカつい奴もマスターに怒鳴られると静かになってたっけ。
今考えると、味もわからないガキに真面目にコーヒーをサイフォンでおとしてくれていました。
ヨーロッパ車好きの名物マスターがやっているイカしたお店でしたよ。
懐かしい写真ありがとうございました!

エムケイ

>Me さん
はじめまして。壱番館の現役時をご存知の方なんですね。
素敵な外観なので、どんな喫茶店だったんだろうと行くたびに思いをはせていました。
近所のちょい悪高校生の溜まり場でしたか~
きっと制服でたばこを吸ったり、そんな事あってもマスターは見逃してたのかな~
う~ん、いい感じです。

>あの人だけは怒らせてはいけないと伝承されていた

それはなかなか人望のあるマスターだったようですね。

いつ頃閉店したのか分かりませんが、かなり昔だったんでしょうね。

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エムケイ

ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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