【小村井】コーヒーの店 越路 (2) モーニング(閉店)

私にとって高嶺の花ともいえる純喫茶「越路」。

決して日常使いのできない、またそうはしたくない、遠くからこっそり眺めて、記憶から消えかけたときに訪れたい、そういう存在。

何回か電車を乗り継ぎ、この一軒のためだけに東武亀戸線小村井駅で下車した。

小村井・越路1

コーヒーの店 越路

東京都墨田区立花4-2-3 (東武亀戸線小村井駅・明治通り)
2019年7月末閉店

例えば、新宿だったり渋谷だったり人の多い駅で待ち合わせる場合、ピンポイントな指定をするが、いい場所がなくて困る。人がうじゃうじゃしてて探すのに一苦労する。

それが小村井なら、駅、で充分。だって人いないし。

かく云う私もこの日は小村井で待ち合わせた。

同行者はひと足先に駅に着いて、建物の下見をしたらしいが、「凄い!」と昂ぶりを露わにしていた。

小村井・越路2

越、路。一マスに一文字。岡山県倉敷市の「純喫茶 和光」もこんなだった。(ただし向うは「純喫茶和」で一マス)。

小村井・越路3

ドアの上から流れる斜めのラインがかっこいい。

よくよく観察すると、越路の字も傾いている。もしかして角度も同じだったりして?

小村井・越路5

ほどほどにゴージャスな品のあるシャンデリア。

小村井・越路4

高低差のあるペンダントライト。

小村井・越路6

木目調の壁には、アクリル板(?)を重ねた控えめな照明。

小村井・越路5

等間隔に並んでいるが、たしかそれぞれ絵柄が違った(と思った)。

小村井・越路7

360°どの角度からも鑑賞可な円筒形の水槽。

他にもカウンターや窓際の雰囲気などツボなポイントは多数。

だが、この店の魅力はディテールの積み重ねではなく、全体の雰囲気。発するオーラが極めて純なのである。

そして、広い。

小村井にここまでの広さが必要なのか? 疑問に思えるほどの大箱。

お客さんもぽつぽつと点在するが、なんせ広いんであまり他人が気にならない。タバコはOKだったかな? そのへん覚えていないが、たとえだれか1人大量に煙を発生させていたとしても、離れていれば、到達するときには浄化されてる(多分)。

嗚呼、やっぱり大箱はいいな。

小村井・越路8

一番奥の席に座った。抽象画がかかっていた。

前に訪問したときは、こんなのあったの全然気付かなかった。

今回は念願のモーニング。

小村井・越路9

期待裏切らず純なビジュアル。木製のプレートにみっちり収まってる。ゆで卵は上品にエッグスタンドに乗って。トーストは斜め切り。敢えて少しずらしているのが、これまた純ではないか!

お値段は少し高めの600円。

小村井・越路10

セットはアイスも可。アイスコーヒー。

小村井・越路11

こちらにはHANA NO OTOの2週間前に訪問。同時期に訪れたのに、一方はすでに閉店している。

純喫茶は儚い。

次回の訪問はまた先になるに違いないが、どうかその日までお元気で……。

利用金額

  • モーニングセット 600円
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コメント

あかりのまま

純喫茶は、儚い。名言です。
hana no oto
のきじをよんで、つくづくそうおもいましたよ。
純喫茶めぐり、さくらを愛でるのと相通じるものがあります。

枡矢と申します

越路吹雪ですかね
越路吹雪に由来するのではないですか。サントワマミーですか。凛とした佇まい、和の外観と甘美な内装と、なかなか味わい深いです。

エムケイ

>あかりのままさん
純喫茶は儚いのです。
行ったお店も数か月経つと何軒かは必ず閉店してます。
今、この一瞬を、という感じです。

桜に例えるのはとても分かります。
時期的にもなんかリアルですね。

エムケイ

>枡矢さん
越路の由来、そういえば考えたことなかったです。
相変わらず知性溢れるコメント。

>凛とした佇まい、和の外観と甘美な内装と、なかなか味わい深いです。

そうなんです。こちらの味わい深さはじわじわとくるものがあります。
動と静のどちらかといえば静です。

遠方の純喫茶も色々行きましたが、こちらを超える店というのもそうあるものではありません。
東京の純喫茶でベスト10をもし作ったら、間違いなく挙げたいです。
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エムケイ

ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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