国分寺の名曲喫茶遺産。
東京都国分寺市本町2-8-7
「名曲喫茶でんえん」は素晴らしい。
日本各地の純喫茶を10年以上回った今、改めてそう思う。
外観の佇まい、外界とは隔絶された非日常感あふれる店内、流れるクラシック音楽、上品なママさん。
外観が上下で少し違います。上:2019年5月、下:2020年5月
ここに来ると、わざわざお金と時間をかけて遠くに行く事が愚かしく思える。
近場に珠玉の純喫茶があるのだから。
2009年に旧ブログでこちらの事を書いたのですが、久しぶりに記事を読み返してみました。
照明や店内の造りに関してママさんから色々お聞きした事が書いてありました。この機会に非公開の記事を当ブログに移転。今では想像できないかもしれないけど、以前は結構お店の人と話し込むことが多かったのです。今は話さずに済むときは話さない、あっさりスタイル(^_^;)
訪問するベストなタイミングは5月だと思っている。
蔵の横の駐車場にジャスミンの蔓がぐるぐる絡み、小さな白い花からは甘い香りが漂ってきます。そして薔薇の花。
今年はギリギリ5月に訪れたのですが、すでにジャスミンも薔薇の花も1つもなかった。
ママさんは90歳を超えているとお聞きしました。
手前の空間には、小さな階段を上った中2階のようなテーブル席があり、壁の青い照明が幻想的。洗面器で作った照明だとお聞きしました。
えー!嘘?って思いますよね(^_^;)
シャンデリア状のアンティークな照明も手造りらしく、原材料はサラダボウルと一升瓶らしい。
言われないと全然分からないのですが、どれもこれも使ってるものは庶民的。うふふ、ってなりますよね。
突き当りを左に曲がると、L字型のもう一方、おこもり感のある薄暗い空間があります。
旧ブログを読むと、突き当りの左側は後から増設されたので新しいと書いてありました。新しいといっても、「でんえん」の長い歴史から見て新しいだけで、現在の目線では充分古い。
お客さんが行列して入れなかったから、自宅を改造して増設したのだそう。そんな景気の良い時代は相当昔に決まってます。昭和でしょ?
ママさんそっくりの絵が飾ってあります。
日中だったら自然光が射し込む手前の小高い席、暗くなったら奥が良い気もしますが、気分次第。どちらも魅力的なので、最低2回訪問する必要があります。
純喫茶は日曜休みが多いのですが、名曲喫茶に限っては日曜営業が多い。休日にクラシック音楽でのんびりみたいなイメージなのかしら? こちらも日曜営業。
現在は夕方には閉まっていますが、10年位前は夜も営業していました。外の看板に明かりがつき、幻想的な雰囲気になる。
自家製レアチーズは売り切れになっていることもあるので、あれば必ず頼みます。無いとガッカリ……程よい酸味が美味なのです。
ホットコーヒーには角砂糖付き。関西の喫茶店ではたまに見かけますが、東京では珍しい。普段はコーヒーに砂糖を入れないのに、角砂糖だと入れたくなるから不思議。
ワインじゃなくてアイスコーヒー。
現在はCDが主流のようです。レコード特有の針を乗せたときのブチっという音が好きですが、そこまでこだわりはありません。それよりは流れている曲が何かの方が私にとって重要。
こちらで流れてくるのは、テレビCMで使われてるような誰もが聴いたことがある有名な曲。
フジコ・ヘミングがピアノを弾く「ラ・カンパネラ」(リストの曲)だったり、チャイコフスキーの名曲だったり。それがいいのです。ベタですが、知ってる曲の方が没頭できます。
マッチはこちら店のものと、かつて中野にあった名曲喫茶「クラシック」のものを2個いただいてます。現在も貰えるかどうかは不明。
建物も古いし、ママさんも高齢。いつまで続くのだろうかと行くたびにドキドキします。
つい最近も寄ってみたら2日間休みの貼り紙がありました。変な話ですが、他の店だとガッカリするのですが、こちらだとホッとしたりもするのです。その日に入れないことは残念ですが、裏を返すと現役の証。また開くわけですから。とりあえずの安堵なのです。
無理をせず細く長くでもいいから末永く続けて欲しい…また足を運びます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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