日本橋交差点にある純喫茶「ナガシマ」が4月末で閉店した。
思ったより早かった、という気もするし、ああ、そろそろ来たか、とも思った。
東京都中央区日本橋2-7-25 日本橋交叉点ビル
※2013年4月末閉店(4月26日最終営業日)
再開発予定地で、年内には閉店すると聞いていたので、2月末に一度店の前まで行った。
ただ、この日は夜に予定があり、入る時間はなし。とりあえず中を覗くと、お客さんが沢山居たし、まあ大丈夫だろう、と東京駅に向かった。
けど、近くの一帯は工事用の柵で囲われ、重機が稼動していたし、いつかは…と思った。
ところが、それから2ヶ月もしないうちに、「ナガシマが4月26日で閉店する」と連絡を受ける。
教えてくれた方は当初、「喫茶恵」に行くつもりだったらしい。ところが、いざ行ってみると、すでに空っぽで、貸し店舗の貼り紙が出ていた、と。その後、ナガシマに行き、閉店を知った、とのこと。
さっそく仕事帰りに寄った。閉店まであと10日。閉店を惜しむ人たちで、店は混んでいるに違いない。今回も入らず、覗くだけにしておこう。
が、お客さんはぽつんと1人だけ。
……入ろう。
非常にまったりとした雰囲気。本当に閉店するのだろうか?
適当な席に座り、レジの近くの週刊誌を取りに行ったところ、閉店を知らせる貼り紙が目にとまる。
本当だ!
座り心地の良い椅子はつやつやと光って、まだ使えそうなのに。
その後、2組お客さんが入店。
思い思いに会話を楽しんでいて、タバコを吸い、閉店を意識している様子はない。
1人そわそわしているお客さんがいたが、すぐに後からお連れさん登場。単なる待ち合わせだった。
閉店するからといって、なんら特別なことはない。
食べ終わったからといって、追加注文を迫るわけでもなく、暇になったママさんは奥でのんびりしており、基本ほったらかしの、以前と変わらぬナガシマだった。
ただ、伝票だけは変わっていた。純喫茶らしいナガシマオリジナルではなく、市販品だった。
帰りに、「閉店するんですか?」とママさんに訊いた。「はい。そうです」。淡々とした返事が返ってきた。最終営業日は26日金曜日だとのこと。
私にとって、これが最後のナガシマ訪問になった。
それから1ヶ月後、日本橋交差点に来た。日本橋交叉点ビル(いい名前だなぁ)1階のナガシマはそのまま残っており、遠目には単なる定休日のようにも見える。
ところが、入口に近寄ると、閉店のお知らせ。
※クリックでアップになります。
一部抜粋:
さて突然ではございますがこの場所にて明治よりナガシマ洋品店及び昭和48年珈琲ナガシマ開店以来、今日に至るまでお引き立ていただきましたが周辺地区再開発の事情により四月末日をもちまして閉店いたすこととなりました
ナガシマは昭和48年創業だったんですね。しかも、明治からこの地で洋品店をしていたとは! 相当な老舗だった、ということを閉店になって初めて知った。
日本橋 伝統と文化の街……
ナガシマ マッチ (2013年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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