新富町にも近い、銀座の一画に、2軒の純喫茶がある。渋い外観のミモザとグローリー。
ミモザが銀座寄りで、グローリーは新富町寄り。通りを挟み、双方斜め向かいに位置する。
この日は築地から新富町まで歩き、そのまま有楽町を目指していたが、途中で「喫茶 グローリー」の看板が目にとまった。
東京都中央区銀座1-22-12
※2017年11月末閉店
ミモザは昨年訪問したのだが、ずっとグローリーのことも気になっていた。
けど、なかなか機会がなくて、そのまま。こんな偶然こそ、入るべきタイミング。
ここって、なんか不思議。銀座側から見ると、赤い庇の下は自動販売機。入り口どこどこ?
…ってなるんだけど、新富町側からだと、あっさり見つかるという構造。
意外と中はそれほど古くもなかった。
この写真ではちっとも分からないけど、椅子の模様が面白い。ピースの大きなジグゾーバズルみたいで。あまり説明上手くないですね(^^;
気になる方は現地で、じかに見てみよう。
天井の真ん中あたりがまあるく窪んでるのが、珍しいかも。
テレビがついてて、新聞もあって、奥のカウンターではマスターがいて、ほのぼのした町の喫茶店だった。
ふと気づくと、カウンターにいたはずのマスターが消えて、ママさんに入れ替わっていた。
どういうこと?
上が住居になっていて、奥の階段で行き来してるみたい。別に偉そうに書くことではないけど(^^;
で、ママさんに尋ねた。「マッチはありますか?」
実はtomcatさんから、こちらのマッチのことを教えてもらっていたのだった。喉から手が出るほど欲しい、魅惑的な破廉恥な絵柄なんですよ(笑)。 (記事最後の関連リンク参照)
すると、残念そうにママさん、「もう、ないんですよ。つい最近、最後の1個をお客さんに差し上げて」
oh…
「あの…みなさん、うちのマッチ集めてるんでしょうか? 一時期、立て続けにください、というお客さんが来ましてね。わざわざ来てくれたのに、本当に申し訳ありません」
逆に謝っていただいて、恐縮したところですが、これがきっかけで色々なお話が聞けました。
この喫茶グローリーが入っているビルは相当古く、築年数90年にもなるんだとか!
三軒長屋になっており、そのうちの左が喫茶グローリー。
現在はタバコの販売もされる喫茶店だが、元々はお茶を扱っていたんだとか。(外には「有限会社若茶園」の表札あり。)
そして、軽く流したけども、こちらのビル、すごく魅力的。そんな話をすると、「いろんな方が建物の写真を撮っていかれるようですよ。雑誌にも載ったみたいで…」
やっぱり!!!
この界隈には古い建物が残っているとはいえ、こちらは別格ですものね。思わず足を止めてしまうほど魅力的な看板建築。上部のレリーフなんか特に素敵。
個人的には、建物もいいけど、この取っ手もいいと思う。内側の「押」と、外側と「引」が色が違うのに、年月の重みを感じて、グッときた。
この日は素通りしてしまったが、ミモザの話題にもなった。グローリーも古いけど、ミモザの方がさらに古いらしい。
昔は近辺にたくさんの喫茶店があったけど、今は2軒だけしか残っていない。
「ミモザのママさんには、同じ喫茶店同士頑張りましょうと、親切にしていただいてます」という話も。
ミモザとグローリー。どちらも雰囲気が温かいのは、そういうことなのか、としみじみ思った。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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