私は珈琲の味を重視していない。美味しければ得した気分にはなるが。
それよりは、内装。今では希少価値となった昭和の意匠に囲まれ、ニンマリ1人悦に浸るのが純喫茶巡りの目的だ。
では、どんな内装が好きか?と問われると、少々戸惑う。純喫茶巡りを続けていくうち、徐々にストライクゾーンが広がっていき、好みも多岐に渡ってきたからだ。
だが、一貫して変わらないのは大箱ゴージャス系である。これはもう無条件で好き、好き、大好き。たとえば「カフェ・ド・巴里」。
東京都豊島区西池袋1-23-1
以前は練馬と六本木にもあったが相次いで閉店し、現在残っているのは池袋西口店1店のみ。下品なまでのケバケバしさが魅力。
…って伝わるだろうか?
また近いうち行くような気はするが、1年近く前に訪問したときのことがやけに印象に残っているので、記録しておこうと思う。
西一番街という飲食店・居酒屋・風俗店等が集まる歓楽街の入口に位置する。隣は池袋演芸場。
2階へはエスカレーターで向かうのだが、手前の自動ドアが予想外の動きをする。
いきなり店のど真ん中に到着。煌めく照明、生花、熱帯魚の水槽、金ピカの鹿、と…ストーブ??? いやいやいや、この流れからすると暖炉が正解だろう。ニセモノっぽいけど。
バブル全開の分かり易いゴージャス空間で、ホストクラブの内装みたい。夢を与えるという意味では純喫茶もホストクラブと一緒ですね。
孔雀が羽を広げたような、色とりどりの生花が目を惹く。
金の仔鹿は撫でたらご利益があったりして(^^;
ゴージャスなシャンデリアが沢山あるように見えるが、実は鏡貼りによる目の錯覚。もうコテコテですね。
立地の良い駅前なので、いつでもお客はソコソコ入っているが、席数が多いので座れなかったことはない。
男性店員さんは蝶ネクタイをしたTHE純喫茶スタイル。注文を聞きに来たのは外国人留学生だろうか、浅黒い肌のgood looking guy。爽やかな笑顔が感じ良かった。
珈琲単品だと割高だが、セットにするとかなりお得。エビドリアセットにした。冒頭で「私は珈琲の味を重視しない。」と書いたけども、ここの珈琲は美味しい。
大箱ゴージャス系を好むのはもちろん目で見て楽しむ、というのはある。が、それだけではない。悪趣味かもしれないけど、その場にいるお客を観察することも大きな楽しみだ。個性的なお客を遠巻きに眺めたり、隣の会話を盗み聞きしたり。
お客が自分だけという状況だとあんまり面白くない。
幸いなことに、大箱ゴージャス系は繁華街、もしくはパチンコ屋の2階にありがちなので、色んな人が集まってくる。
人集まるとこドラマあり。といっても小さなどこにでもある話だったりするが。
この日のドラマの登場人物は男女2人。
話の内容から推測すると、男性30代後半、女性アラサー。つい最近、何かの会合で知り合ったばかりらしい。
男性は趣味の山登りについて熱く力説。ソレに対し、「ふーん。へー。そうなんだー。」女性は興味のなさを全然隠そうともしない。
「今度一緒に山に登ろう」
一緒に山に行くとその人間の本性が現れる。だから、一緒に登ってみよう、ということらしい。前にいいな、と思っていた女性と山に一緒に登ったが、イヤな面を見て、それ以来、嫌いになったのだという。
「へー。そうなんだー。(棒読み)」by 女性
( ̄ー ̄;
思い出しながら書いてるうちにまた行きたくなってきた。
あーー
行きたい。
そうだ!
行こう!
…ってことで、ブログUPする直前で中断。思い立って来ちゃいました。またもや、この記事も無駄にダラダラと長くなってゆきます。
たまには今まで座ったことない席がいいなぁ。店内をウロウロしてると、若い女性店員さんから、禁煙席に案内された。
えっ!禁煙席?
いつの間に分煙していたのだろう。禁煙席は別室になっているが、私好みのゴージャス空間で、嬉しくなる。眺めもいい。
オバサマ集団が側にいたので写真は撮れなかったが、存在感抜群なパンチのきいた人形もあった。黒くて頭にはターバン巻いたメタボリック体型。私には『ムトゥ 踊るマハラジャ』のムトゥ(ラジニカーント)にしか見えなかった。
あんまり上品な感じじゃないです(笑)。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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