ここまで来ると完全な南房総。
房州弁の「あいさ」と「あんが」の応酬飛び交う会話を聞きながら、安房勝山駅前の「軽食&喫茶 佐知」へ。
千葉県安房郡鋸南町竜島854
≪かつやま≫じゃなくて、≪かっちゃま≫かな。
上総湊駅前で見かけた『たかなし』がここにも! もしかして親戚? お食事&喫茶らしいが、この感じだともう閉店してそう。
その隣のそそる外観の「大衆食堂なみきや」を通り過ぎると、
ヤマザキパンまえだ。びわ羊羹、鯛せんべい、房洋堂といった房州を代表するお土産がファザードに列記されており、千葉銀行の看板とセットのローカル色溢れる外観。
こちらに目的の純喫茶が併設している。
だが喫茶のドアを開けると中は真っ暗で人の気配はなし。やっぱり祝日は休み? きっと上総湊でこの日の純喫茶運をすべて使い果たしたのだろう。でも、念の為に一応聞いておこうと思いこちらのヤマザキパンに入ると、お爺さんが正面を向いて座っていたので、「喫茶店はやってますか?」と聞くと、奥に向かって、「お客さんーー!」と呼びかけた。多分自宅(笑)だろう。中からお婆さんが出てきた。
喫茶店に繋がる脇からドアを開けて入った。
ゴーと音を立ててエアコンが作動し、さっきまで真っ暗だった店内には明かりがついた。いくつかの電球は切れているのかライトは疎らで、端の席は薄暗かった。
あるがままといった雰囲気。
とはいえ、店内は過不足のない純喫茶的調度品で構成されている。椅子、テーブル、パーテーション、ペンダントライト。どれをとってもオーソドックスな純喫茶だった。壁には地元の祭りの写真が掛かっていた。
一番魅力的なのはカウンター。アールのついた棚や70年代調のペンダントライトがカッコイイ。
純喫茶過疎地の南房総では、最上級の純喫茶である。
お店の方にその自覚はなさそうだが……。
生姜焼きを始めとして食事メニューが表に出ていたが、お昼時にも関わらずお客さんが全然いないので少し不安だったが、イチかバチかで焼きそばを注文。
てっきり「できません」という返事が返ってくるかと身構えていると、普通にオーダーが通った(笑)。
メニュー表はしっかりしたもので、ドリンクやデザートなど種類豊富。アーモンドオレ推しらしく、壁には色紙の短冊が貼ってあったし、メニュー表にもわざわざ手書きで追加する程。
焼きそばはごくごく普通の味。
嬉しいのは店名入り紙ナプキン。これはもしかしたらマッチも期待できるかも?
思惑通り!
「余ってるから好きなだけ持ってって」とママさん。どうもマッチの価値が分かってなさそう>< 下手すると邪魔だからと、そのうちまとめて捨てかねない調子だったので、私には珍しく5個お持ち帰り。避難の意味も込めて。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
あかりのまま
2017/04/29 URL 編集
エムケイ
籠(?)みたいな所にマッチ入ってます。
他の人のときもそうだったみたいですが、呼ばないと喫茶閉まってるかもしれないので、気を付けてください。
2017/05/03 URL 編集
チリチリ
70年代の若者がキャロルを聞きながらたむろした喫茶店です。「レスカ→レモンスカッシュ」「アイコ→アイスコーヒー」そんな言葉が飛び交いました。ママはあまりおしゃべりではないけどいい人なんですよ。エムケイさんが「できません」と言われるのを覚悟で注文したのに普通に出てきた話は「うん、わかるそうでしょうと!」笑えました。今では遠いので近くに行く事もないのですが懐かしい写真、記事を見せてもらいました。ありがとうございました。
2018/07/28 URL 編集
エムケイ
その頃からあったというと、相当古い店なのですね。
どこがどうという派手さはないのですが、琴線に触れる箇所が随所にある素敵な店でした。
外観も店内も変わっていないのですね。
書かれてる通りカウンターは特に素敵でした。
南房総には喫茶店は少なく、このような昭和の面影を残す店は貴重です。
>「できません」と言われるのを覚悟で注文
たしかに書いてますね(笑)。
自分で書いてて忘れてるのですが、自分のブログを見て、ああそうだったと思い出しました。
古い喫茶店だとメニューにはやたら豊富でも、実質できないものが多い店が多く、こちらの店もそんな雰囲気が漂ってました。
オーダー通ったとき、本当に驚いたんですよ。
駅から近いので行きやすいといえば行きやすいのですが、なんといっても電車が1時間に1本なので気軽には行けません。
でもまた行きたいです。
ママさん、あまり喋らなそうですが、実は私はそういうタイプ割と好きです。
雰囲気が良かったです。実際にも良い方なのですね^^
2018/07/28 URL 編集