大阪といえば、ゴージャスな純喫茶。
よく大阪人は派手好きとはいうけど、純喫茶には良い意味でその精神が反映されていると思う。もちろん東京でも他の地域でも、ゴージャスなのはあるけど、これでもかこれでもかと分かりやすく、うわー!ってなるのは大阪が一番。
今回私が新幹線に乗って大阪に来たのも、うわー!ってなりたかったから。圧倒されたかったから。思い切り非日常空間にどっぷり浸かりたかったから。
御堂筋線西田辺駅至近「珈琲苑 水車」は、みごと私の願望を叶えてくれる純喫茶だった。
大阪府大阪市阿倍野区阪南町5-22-9
珈琲苑 水車
入口は狭い。
水車の字体も脱力系だし、ロゴは水車というより偽シャネルみたいで、外観では特に強烈に惹かれるほどの引力はなかった。
けど、ひとたび扉を開ければ、そこはお城のような空間なのです。
壁からうねる超立体的な花が、飛び出す絵本みたい。いいよね、こういう過剰なまでの装飾。
赤いベルベットのソファーに座るマダム。
『グランド・オダリスク』
またもや妄想世界に突入。私の頭の中では、裸でまどろむオダリスクに誤変換された。
「奥へどうぞ」と声をかけられ、すぐに正気に戻ったけど、これぞ純喫茶マジック!
奥? 奥もあるのね。
一転して薄暗い世界に。
渋い煉瓦なる壁にはうら若き乙女の姿。
店内の写真は最後にまとめて撮ったものなので、ガラガラの無人に見えますが、私が入ったときはそこそこお客さんがおりました。
商談中らしきサラリーマン姿もあり。
使いこんだメニューには、かなり豊富なセットメニュー。イタリアンセットが気になる。鉄板焼のナポリタンとロールパンとドリンクで750円。
東京にいたならば迷わずこれにするんだけど、この後の純喫茶めぐりを考えると、ここで炭水化物を取りすぎるのは得策ではない。
ということで選んだのがハムサラダセット。旅先では野菜不足になりがちなので、意識して野菜を取るようにしている。
トーストが美味しかった。時間が早ければ、ここでモーニングも良かったな。(ちなみに、この日のモーニングはマヅラ)
食後にウィンナーコーヒーをお願いしていたんだけど、ちょうど食べ終わった頃に、お店の方が来て、「これからクリームをたてるので、時間がかかりますがよろしいですか? それとも別のものに変えますか?」
丁寧にも確認に来てくれた。
こういうの嬉しいよね。私は全然時間にも余裕あるし、じっくりここで過ごしたかったから、ウィンナーコーヒーにした。けど、平日の昼休みにここでランチをする方だと、確認が大切ですね。お昼休みに間に合わない~~!なんてことになりかねない。実際に私もよく経験しているし。特に大阪人はセッカチだと聞く。
カップが素敵! お味ももちろん美味しい。
クラシック音楽が流れており、優雅な時間を過ごせました。
┄┄┄┄┄┄Fine (完)┄┄┄┄┄┄
…えっ!? これで終わり? なんか物足りなくない?
そんなツッコミするあなた。鋭い。まだまだ続きがあります。
「水車」には2階席があるのだ。
2階!2階!2階! なにが大阪すごいかって。東京では珍しい2階建て純喫茶が大阪には多いこと。
ランチタイムも終わり、ちょうど一息ついた頃を狙って(?)、お店の方に声をかけ、店内の写真を撮らせてもらいました。
ただ、2階席はこの日あけてないようだったので、迷った。勝手に2階行くのもなぁ…。
「2階ってどうなってるんでしょうね?」
2階を見上げながら、残念そうに、いや物欲しそうな口調でつぶやいたところ、
「どうぞ。見て行ってください」
う、嬉しい。
どうです? この豪華な階段の模様。
一歩一歩踏みしめながら階段を上ります。
素晴らしい!!! 柵がU字型になめらかな曲線を描いていて優美。吹き抜けの2階席から見下ろす風景が、どこからでも絵になる。
「ロミオとジュリエット」のワンシーン。
「おお、ロミオ。あなたはどうしてロミオなの?」
バルコニーの上下で、愛をささやくシーンがあるけど、私としてはこの階段の上下でやってほしいな。
2階席は平日の昼はあけているらしい。仕事中の方が昼休みにランチとかするのだろうか? 素敵だなぁ…。
夢見心地で、階段をトコトコ降り、店を出ようとしたところ、謎めいた物体発見。
タイムカプセル、なわけないか…(^_^;)
羅針盤でしょうかね? だとしてもなぜ花? こういう意味不明な謎のオブジェがあるのも大阪純喫茶なのだ。
注)嘘です。大阪限定ではなく、純喫茶全般です。
理屈で割り切れないのも純喫茶の魅力なんだと思う。
なにはともあれ、西田辺の「珈琲苑 水車」。行ける機会があるならば、ぜひ行ってほしい素敵な純喫茶です。お店の方もフレンドリーで、感じ良いので、ぜひ。
珈琲苑 水車 マッチ (2013年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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