はるばる泉南市へ。
ここまで来たら大阪というより、ほとんど和歌山じゃない? 岩出も近い。
お目当ては純喫茶「TEA ROOM ミナミ」。
大阪府泉南市男里5丁目17-10
最寄り駅は南海本線の樽井。駅からそう遠くないので歩けば歩けるけど、アクセスが殺伐としてて、途中で引き返そうかと思った。線路と高速が交差してて、道路を渡るとき少し緊張した。車で来るべき場所なんだろうね。
ミナミがあるのも、知らなければまず来ないような、住宅街と工場街がミックスし、喫茶店があることを疑ってしまうような立地。本当にこんなところにあるの?
あった!
寂れたドライブインのようなカラフルな看板にミナミ。
ミナミというと、大阪の中心にある繁華街を思い浮かべるが、ここでいうミナミは泉南市の南だと思う。
ところでその下の「お昼の日替わり定食 おふくろの味ミナミ」ってのは? ランチメインの喫茶店なのかな?
え…。これって、やってないんじゃ。
やる気のなさそうな入口に不安。
おそるおそる忍び込むと、まさに不安的中。店内は真っ暗。古いゲーム機があって、その上には物が積んであり物置状態。もしかして、すでに閉店してる? ああ、間に合わなかったか。
カウンターの中に女性の姿が見えた。
「あの~? 大丈夫ですか?」
自分で聞いててなんだが、そもそも「大丈夫ですか?」って質問も変だよね。こんなこと聞く時点で普通の喫茶客ではない。やってなさそうな雰囲気の喫茶店には、入ることすら考えないのが普通だ。
「はい」
えっ! 大丈夫なの? この感じだと100%ダメって言われると思ったのに。嬉しい!
やる気のなさそうな外観に反して、大きなシャンデリアもある店内はかなりの大物だ。
2階もある。でもそっちは使ってないようなので半地下へ。
一段、一段、ドキドキしながら階段を下る。
一言で凄い!
1階、2階、半地下。現在客席として使ってるのは半地下だけだが、この半地下にもさらに段差があって、団体向けの秘密エリアもあってキャー。高低差とは、なぜこんなにも胸をときめかせてくれるのだろうか。
ゴージャスな調度品も凄い。
クラシカルな模様の入ったゴブラン織りの椅子がずらっと並ぶ様は壮観。あと、なに? 石を積み重ねた崖は。
でもね、遠路はるばるこの店にどうしても来たいと思ったのは、
このチラリズムの窓。
さりげなく上階の存在を予感させる。外から見ると分かるけども、3か所ある窓は少しずつ位置がずれながら、1・2階に繋がってる。
食事なのか聞かれ、「飲み物で」と答えると、ママさんが口頭でドリンク名を読み上げた。メニューはないのね?
アイスティーを飲みながら、しみじみ感慨にふける。
ママさんの居る1階ではテレビ、こちらの半地下では優雅なクラシック音楽が流れていた。
退廃的なムードもあり、手放しで絶賛することはできないが、それでもそれを無かったことにできるほど魅力が上回っている。ママさんもとても親切な方だった。わざわざ来て良かった。
カラオケ教室をやってることもある、という話。
今回は運良くたまたま入れたが、次来たときは入れないような気がしている。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント