小田急の桜ヶ丘東口駅前にある「喫茶 ダイエー」。
その店名を字面だけ見ると、ダイエー桜ヶ丘店!? スーパー!? 一瞬当惑するが、お馴染みの某スーパーとはまったく無関係の純喫茶である。
それもかなりの純。
神奈川県大和市福田5521
駅前も駅前。駅の階段を降りるとすぐロータリー沿いの店。
普通だと入りにくいはずのスモークも、まったく躊躇することなくあっさり入れてしまったのは、ダイエー・マジック?
が、入った途端、ダイエーはすっかり飛んだ。
ぽっかり宙に浮かぶ、青くて丸いペンダントライト。
琥珀色のライトがブローチのように艶々のウッディーな壁を飾っていた。
カウンターも趣があってカッコイイ。うっとり。
こちらの厚いガラスのライトも独特の美しさがある。
広い店ではないが、だからこそ良いものがギュッと集まって、一瞬ですべてを味わい尽くすことができる。
あーあ、また出たよ。素晴らしい店に関しては、どこまでも好意的に解釈してしまう私の悪い癖。
コーヒー豆で作った花時計みたいなオブジェ。こういうの大好き。
とても純で素敵な内装に入った瞬間から魅了され、いつもだと全体が見渡せる奥の席を選びがちだが、なぜかここでは本来の私の性質の人見知りが発動し、唯一の隔離席であるカウンター脇に隠れてしまった。
いつまでたっても、どれだけ軒数行っても、純喫茶には慣れない。
入るときはいつも緊張し、どこまでも偶然を装って、できるだけ純喫茶好きであることを悟られないよう、普通の客のフリをする。本音を言えば写真撮影の許可などとりたくないし(プロっぽいので)、全部隠し撮りしたいくらいだが、それでは色々と無理が生じるので、自分としてはかなり頑張ってお店の人に話しかけるようにしている。多分声は上ずってるだろうし、時には挙動不審のおかしな人間になり下がる。
そんな駆け引きと緊張は、本来の喫茶店での寛ぎとは真逆の行為だと分かっているのに…。
外がよく見えるからと言い訳して、窓際でこそこそ。
カーテンには触らないでください、という注意書きがあった。
素敵な店はBGMも素敵。クラシック?ヒーリング?幻想的で美しいピアノ曲が流れていた。コーヒーを飲みながらも落ち着けず気はそぞろだった。どうお店の人に写真のことを切り出そうかと考えていたからだ。
だがそんな私の緊張はあっさりとけた。
気さくなマスターとママさんは、そんな私の変なテンションを優しく受け止めてくれ、「綺麗だからトイレも見て行ってよ」と言われた。
おおっ!? もしやトイレも店内同様純なのかしら?
う~~~ん
綺麗すぎるよ。純喫茶らしからぬ現代的なトイレで、入室した途端気配を察知して自動的に電気がついた。トイレは綺麗な方がいいけどね。
(実のところ、トイレだけは平成であってくれることを願っている軟弱ものである)
なぜかドアの内側に、「喫茶ダイエー」という貼り紙があった。
意外だったのは、奥の席でマスターがノートパソコンを操作していたこと。もしかしたら、このブログもチェックしてたりして。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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