特急の往復券を買ったはいいが、尾鷲の街がどの程度のものか予想がつかなかったので、少し他も回ってから帰りの指定をすることにした。
純喫茶磯の後すぐに向かったのが、 「フルーツパーラー乙女」。
外観が可愛い!
花びらみたいな庇にフルーツパーラー乙女。きっと乙女な空間が広がってるに違いないとドキドキしながら近寄ると、
軒下には鳥かご。
ますます期待できるではないか!
乙女という感じではないかな……。
冷たいカルピスを頼んだら、ゆで卵も一緒に付いてきた。後から小袋に入ったクッキーも。
純喫茶磯が閑散としていたのに対して、こちらはお客さんが多かった。
一番早い列車に乗ろうと決めたが、それまでまだ時間が有り余っていたので街の散策を。
わき道のような細い道が見えた。まっすぐ向こうまで続いているようだったので、こちらを歩いてみた。
「津波は逃げるが勝ち!」「ここの海抜は4.7メートル」といった津波に対する注意喚起の標語が掲げられていた。
この商店街が、商店街と呼んでもよいのか躊躇するほど、とにかく寂れている。シャッター通り商店街という言葉でも足りぬほど朽ち果てた店舗がそのまま残されていた。パチンコ共栄という、またもや閉店したパチンコ店も。まるでSF映画で住民全員が宇宙人にさらわれ、私1人だけ取り残されたような殺伐さ。
あまりにもシュールで歩いてる時は凄い!スゴイ!と夢中で写真を撮りまくっていたのだが、いざその写真を見返してみると、あまりに寂れていて虚しくなってしまった。ブログに写真を掲載するのもなんだか気乗りしない。
一応現役の喫茶店なんかもそれなりにあるにはあるが、中が覗けてしまったり(三重県の喫茶店はドア開けっ放し率高し)、見えないがイマイチ入る気分になれなかったりで、もう喫茶店はいいかなあ…という気分。
そんなこんなで尾鷲の散策を終え、ランチタイム。
目をつけていた「ことぶき食堂」。駅前ロータリーにある。
よくよく見ると、「ことふき食堂」になっている。濁点は取れちゃったのかな? まあ古い店にはよくあること。
さっきのフルーツパーラー乙女もだが、こちらも店先に車が突っ込んでいる。
温暖な気候の尾鷲らしく店先にはサボテンがいっぱい。その陰にあるのが、バットを構えた野球選手の像。たしか、なんとか監督がなんとかかんとか、と書いてあったが、ドアがガラガラと開いてお店の人から「他にも色々あるよ」と声をかけられた。
どうやらメニューを見ていると勘違いしていたらしい。いずれにしても入るつもりだったので入店。
惜しい。イイ線いってるんだけど、事務所にあるようなキャスター付きの椅子が雰囲気をぶち壊している。ここは簡素なパイプ椅子が良かった。
外観が相当いい感じなので、落差が↓
ただ、店主はとても愛想の良い方で、そんなことを考える私こそが悪人なのである。野菜炒めを注文。
ところが調理をしに奥に引っ込んだら、それっきり。うわーー! 食堂に入る前に帰りの列車の指定をしており、乗り遅れるわけにはいかない。13:32の次の特急は18:18。5時間弱ある。それまで尾鷲で何をしろと?
じりじりと焦りながら、置いてあった新聞を読む。鳥取地震の記事だった。津の中村にいたときに地震があった。
野菜炒めは少し油っぽかったが、味は良かった。牛肉が使われていたが、まさか松阪牛? 味噌汁も具だくさん。自家製なのか、たくわんはスーパーで売ってる市販品なんかよりずっと美味しい。ただ量が多いな……。
時間があんまりないけど、とにかく急いでなんとか食べ終えた!
小走りで駅の改札を抜け、特急に飛び乗る。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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