私があちこち当てもなく散策するのは、こういう純喫茶に出会うためだとも言える。
東京都墨田区立花4-2-3 (東武亀戸線小村井駅・明治通り)
2019年7月末閉店
まだ暑い季節、小村井駅でまっさきに見つけたのが、この「コーヒーの店 越路」だった。日も高い真昼間だというのにシャッターが降りており、「あぁ…ここも閉店か。こうして素敵な純喫茶がまたひとつ消えていく」と勝手に決めつけ、ひとり感慨にふけりつつ、それでも外観写真を撮ることは忘れなかった。
が!ごく最近の西荻の「まつばや」の件(→記事)があったので、一縷の望みに賭け、ダメ押しでもう1回来た。
すると!今回は看板も店先に出ていて、シャッターもおりてない。
「やってるんだ!やってるんだ!やってるんだ!」
この毛筆体がまた良い。
黒のガラスで怪しい雰囲気。でもここで尻込みをしてはいけない。
ドアのシールが妙に色っぽい雰囲気でときめく。ゴージャスなシャンデリアも見える。
外から見ると真っ暗なのに、中は日の光が射し込み明るい。観葉植物が作る影、窓際のゆったり束ねた白いレースのカーテン、入口に天井から下がるレトロな照明、さらに壁にも雰囲気のある照明…。いちいち素晴らしい。
古い純喫茶にはときおり朽ち果てるがまま成すがまま。「時が止まった」というより「時が過ぎ去った」という表現がふさわしい店も多いのだが、こちらは良い状態で昔のままを保っている、良い意味で「時を止めた」空間でした。
そしてゲーム機のテーブルがズラーーと並ぶ。麻雀ゲームでした。
中央部には大きくゴージャスなシャンデリア。素晴らしいの一言。
この黒い球体はなんだろう? 天井からいくつか垂れ下がっていた。スピーカー?
雰囲気のあるマダムが「ご注文は何になさいますか?」とやってきた。もちろんメニューはない(笑)。純喫茶にありがちでつい笑ってしまった。
そんなときはコーヒー。ところが、コーヒー、砂糖、ミルクと、塩……?
なんとゆで卵まで出てきた。
ゆで卵専用の器。すっごく素敵。
あまりに素敵すぎて、落ち着くことなく、どこかフワフワした気分でこの空間を満喫しました。テレビからWコロンの「ねづっちです」と謎かけが聞こえてきたのが妙に印象に残っている。
こういう素敵な純喫茶は常連になりたいというより、忘れた頃に再訪問したくなる。どこか高嶺の花的存在にしておきたいというか。私だけかもしれないですが。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
T
数年前まで近かったのでよく通ってたところです。懐かしいな・・。
ここのランチでミックスサンドかタマゴサンドのセットがおいしくておすすめです。
いつも同じの食べていたので、私の顔みるともうタマゴねって言ってつくってくれました。
暑い日はミックスジュースなんかもおいしいです。
けっこう店内広いんですが、時々おばちゃんの団体が来てて奥の席がいっぱいにうまったり、時間帯によっては常連さんが結構入るのでにぎやかな感じです。
ぜひ次回タマゴかミックスサンドも食べてみてください。本当においしいです。
2019/05/20 URL 編集
エムケイ
東京の純喫茶の中でも、トップクラスだと思っています。
小村井という東京に住んでる人ですら行ったことのない、それどころかそれどこ?な立地が、こちらの神聖な空気を守ってると思ってます。
玉子サンドかミックスサンドですね。
食べてみます。
2019/05/23 URL 編集