成田で目指したのはこちら「純喫茶 チルチル」。
場所は成田山新勝寺のそば、観光地の真っ只中。だが、そこに広がっていたのは俗世にまみれぬ聖域。クラシカルで大変素晴らしい純喫茶だった。
千葉県成田市本町333
喫茶チルチル
成田山新勝寺ね…。
それが正式名称なんだろうけど、私は単に成田山(なりたさん)と呼んでる。子供の頃はなんで寺にさん付けするのかな?とか思っていたのだけど。
初詣ではなく、訪れたのは昨年。
(ここは重要なポイント。1月も半分近くすぎたとはいえ、まだまだ混んでいるはずなので)
お参りは後回し。店が閉まってしまうといけないから。急いで通り過ぎると、シャララ~~~♪と涼やかな音がし、横を見ると成田山というタグの付いた風鈴の音色だった。最近は歴史のある神社や寺の近くのお土産屋さんに懐かしさを覚える(伊勢神宮等)。
さて純喫茶チルチル。店名は『青い鳥』に由来する。子供の頃絵本で読んだ。
せっかくの良い看板なのだけど、門の陰に隠れちゃってるのがもったいない。それを狭い隙間から無理矢理体をねじ込むように写真を撮る私。
と、ここで…
自動ドアがギュイーン。
わあああああ…。
一瞬で目に飛び込むその光景はキラキラしている。想像よりも一段階、いや二段階も上回っていた。
高い天井からは蝋燭みたいなシャンデリがいくつも垂れ下がり、鏡の壁に反射して無限のきらめきを放つのだった。
カーテンは貴婦人のドレスみたいで、椅子は豪奢なゴブラン織り。まるで貴族の舞踏会。
クラシカルな上品さでビシッと統一した甘くロマンティックな空間だった。王道こそ真実。王道を極めることこそが無敵。ここでは個性的な奇抜さというものが愚かしく思えてしまった。
先客はなく、若い女性店員さんから「お好きな席へどうぞ」と言われ店内全体ぐるっと歩いてみたが、どの角度から見ても素敵で死角というものがない。普段なら全体が見渡せるよう角をとるのだが、敢えてここでは真ん中の席にしてみた。360度見まわせるから。
メニューはわずかなスイーツがあるのみで、ほぼドリンク中心。
「こだわりのみつまめ」推しに負けそうになったが、スペシャルブレンドコーヒー。
よく見ると、チルチルはチルチル
途中で一回席替えタイム。
っていっても同じテーブルなんだけど、それまで奥を見ながら座っていたが、入口方面を見たいなあと。こういう時真ん中の席で良かった。
ドアの金文字がキラキラ。
BGMはクラシック音楽。嗚呼。
静寂は突如破られる。入口のドアがギュイーンと開いて、小学校低学年くらいの女の子が放った一言。
「ちょっとロマンティック過ぎない?」
なんと! 齢10歳にも満たぬ幼さで、この純喫茶の真髄を解するとは! 恐るべし小学生!
その後に続いて入ってきたお父さんが、「お前のその表現は合ってるのかどうか分かんないよ」と苦笑い。(←合ってるよ)
この利発な女子はその後もたびたびませた発言をし、お父さんをタジタジにさせていた。
成田山の何か行事(?)でもあったのかな? その父娘の後、続々とグループが入店し、一挙に賑やかになった。
オーダーが集中し、1人でそれをこなす女性店員さんはひたむきにドリンクを作っていたが、その脇からマッチをお願いしたところ、「少しお待ちください」と言われた。
トイレの前で待機。
注文した品をすべて出したところで、「お忘れ物はございませんか?」の一言を添えてマッチを渡してくれた。急かしてごめんなさい! そして、ありがとう。
入口にはガス灯をイメージした灯りが左右対でたっており、その柱にも店名を示すレリーフ(?)があるが、
マッチと見比べてみたら、ポーズが少し違った。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
あかりのママ
2017/01/14 URL 編集
エムケイ
2017/01/16 URL 編集
あかりのママ
2017/08/18 URL 編集
エムケイ
店員さん、フィリピンの方みたいですね。私が訪問したときお客さんと話している内容から、「フィリピンなのね?」と聞こえてきました。
丁寧で真心こめた接客には同意です。これは教えられても、なかなかできることではないです。
オーナーの方がいらしたのですか?
私のときはフィリピン人の店員さんのみでした。
めっちゃ房総弁の会話聞いてみたかったです。「だっぺ」が語尾についてたのでしょうか?
音楽はハワイアンですか。日によって客層によってBGMを変えているのでしょうかね。
2017/08/21 URL 編集
散人
ということで「チルチル」に行ってみました。
うな重の誘惑を振り切り、「こだわりのみつまめ」頂き
ましたよ。抹茶茶碗くらいにたっぷりの器で、黒蜜は濃く
甘く、房総の天草で手作りの寒天が大きめで、
「白花豆は最後に召し上がってくださいね、塩気が効いて
ますから甘いのの最後に」と、丁寧に作られたおいしい
みつまめでした。
「全部ママさんの手作りで、みかんとさくらんぼ以外は」と
付け加えた部分が丁寧真面目な接客の店員さんで、ほんと
気持ちよかったです。
今は使ってないような大きなスピーカーが頭上天井近くに
あったので、その昔は音楽にも凝っていたのかもしれませんね。
2019/12/16 URL 編集
エムケイ
いいタイミングです。
きっとこれからはしばらく激混みでしょうね。
>うな重の誘惑を振り切り、「こだわりのみつまめ」
うな重はチルチルにあったんですか?
それとも参道の別の店?
「こだわりのみつまめ」。いいですね。私も食べたい。
こちらは店員さんの接客が大変素晴らしかった印象が残ってます。
なんかコメント読んでると私もすぐにでも行きたくなりました。
2019/12/17 URL 編集
散人
チルチルのメニューは、エントリー時の2年前と変わらずだと思います。
ドリンク中心でケーキが少し。
団体用スペース以外の2~4人席はほぼ埋まっていましたが、
参道から扉ひとつでこのロ~マンティックを味わえるのは得難いお店
ですね。
今年も外出のお供にお世話になりました~よいお歳を~
2019/12/21 URL 編集
エムケイ
特にこの辺産地だったような記憶もないですが?
チルチルは扉ひとつ隔てただけで別世界ですね。
本当に素敵な空間だと思います。
2019/12/22 URL 編集