東京でもマイナー感がある千住大橋だが、駅前にはキラリ異彩を放つ喫茶店がある。
「珈琲の店 ダン」
この店の最大の特徴は、営業日のユニークさ。
東京都足立区千住橋戸町11
閉店(2016年11月or12月)
芸術的なシャッターに明記されているが、
営業日は毎月15日~月末
月の半分営業し、半分休みという珍しいスタイル。
運悪くこの日は1日。昨日までは営業してたのか……。1日遅れでガッカリの憂き目にあう。
センス良いシャッターの様子から間違いなく店内も素敵だろうと確信し、ちょうどきっかり2週間後の15日、営業時間の10時に合わせてリベンジ。
1階は人で一杯だったので2階へ。
思った通り!
というかそれ以上だ。パッと見た瞬間にもわー!って感動したが、席に座って時間が経っても、後から後から良さがじわじわ滲み出てきた。パーテーション(というか柵?)もじっくり見ると、1つ1つ凝ったモチーフが連なっており、床の模様もペルシャ絨毯にありそうなオリエンタル柄、そして椅子。
長く使い込まれた風合いの、ベージュと黄土色が入り混じったような渋い色の椅子で埋め尽くされていた。
壁には絵が飾られており、その作者らしき方たちが、反対側の壁にも絵を飾っている最中だった。
こちらはギャラリーを兼ねており、月に半分だけ営業するというユニークな形態も、そのあたりが関係しているらしい。
んー。いい雰囲気だが、少し騒がしい(笑)。
少しして、「うるさくしてすみません」と言いながら作家の方たちは階段を降りて行き、一瞬でも騒がしいなど思ってしまった己の心の狭さを反省。
コーヒーは350円。安いね。
オーソドックスな美味しさ。
モーニングは特にないが、+150円でトーストを付けられる。ついでなので、ビーフシチュー(500円)も一緒に注文。お肉が柔らかくて美味。
他にも今月のスイーツと銘打った、いちじくを使った自家製スイーツもあり。
狭いけど、1階も雰囲気抜群。
「マッチをいただけますか?」とマスターに訊くと、「ここにあるから何個でも持っていっていいよ!」とノリ良い反応。
お言葉に甘えて2個いただいたが、見比べると、マッチ箱の裏面の写真は異なるものだった。一方が「コーヒー畑と乾燥場」、もう一方が「採取されたコーヒーチェリー」。どちらもコーヒーの栽培と収穫に関するもの。
このマッチ持ってる! 以前別の店でも同じテンプレートのマッチを貰ったことがある。
こちらは東亜コーヒーの店だった。
コーヒー栽培・収穫の銅板レリーフ、東亜ロゴ(メキシカンハットを被ったおじさん)のお手拭き・コースター等がある、テーブルの絵柄が羅針盤などという、東亜の店にはいくつかの共通点があり、この店の内装は“東亜らしさ”が希薄なものの、マッチはまさに東亜の典型だった。
マスターとママはオシャレな雰囲気を身にまとっており、2人ともとても気さく。
「月に半分休んで、月に半分営業する。でも15日~月末は休まないし、土日祝も営業してるよ。また寄ってね」と温かく見送ってくれた。
○東亜テンプレートマッチについて
酒場巡りと喫茶店巡りをハイレベルで両立されている方のブログで以前紹介されていたのを思いだした。
⇒トーアコーヒーの喫茶店はよい店ばかり その1(夜が待ち遠しい)
喫茶店の訪問軒数の多さもさることながら、世間で一般に言われていることを鵜呑みにすることなく独自の目線で文章を書かれているが、今回の考察は喫茶店好きにとってはうなずける所が多い。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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