【米沢】カレー&COFFEE モカ

米沢では3軒入ったが、このうち一番印象に残っている純喫茶を紹介したい。

外観はまさに70年代。完璧好みの「カレー&COFFEE モカ」。

山形・モカ1

カレー&COFFEE モカ

山形県米沢市大町4-6-18

米沢は在来線だとアクセスが良くない上、こちらの喫茶店は駅から遠いので、もしやってなかったら笑い事では済まないのだった。下手をしたら店だけでなく米沢そのものを呪ってしまうだろう。そうならないための安全策として、数日前に電話で営業確認をしておいた。

夜9時まで、休みなし、なのだという。けど電話では、「頃」という曖昧な返事だったので一抹の不安があった。

山形・モカ2

なんと悪い予感が的中。

シャッターがおりてるではないか!

山形・モカ3

物凄く好みの外観なのに!

こんな庇いまどきないよ! 逆U字にくりぬいた青と白のストライプ。

第一印象は、「関西の喫茶店みたい」。山形で見かけた老舗書店「八文字屋」もだが、この手の高度経済成長期の面影が濃厚な建物は、東日本ではあまり見かけないので、とても感動していた。東北の人には保守的なイメージがあるが、山形は流行に敏感なのかもしれないね。

……とはいえ、いくら良くったって閉まってたら話にならない。電話では、やっているって言ってたのになあ。もしや休憩?(年配の経営者の場合、中休みをとることもある)

いっそ電話してみようかと思っていると、小学生低学年くらいの可愛らしい女の子が路地からひょいと現れ、私の方にくるっと振り返り、

山形・モカ4

「やってるよ!」と言いながら店の中に入っていった。

もしや君は天使?

山形・モカ5

奥まってて見えないだけだった。

ドアもとても素敵。高鳴る動悸。

山形・モカ6 山形・モカ7 山形・モカ8 山形・モカ9

中も外観のテイストそのまま。70年代の雰囲気が濃厚。

山形・モカ10

窓からは駐車場が見える。

山形・モカ11

壁にはアートなペイント。

難を言えば、現在は客席はテーブル2・3で、残りは私物置き場となっていること。店内のそこかしこ残る昭和のカケラのひとつひとつは大変素晴らしいが、いかんせん生活感が出まくっている。全体的には、かなり家っぽかった。素材は大変良いだけに残念。

山形・モカ12

ババロアをひっくり返したような、円盤形の黄色いペンダントライトなんてミッドセンチュリーの極みだよねえ。

山形・モカ13

壁にはこんなカッコイイ照明も。

山形・モカ14

入り口はもう一つあり、さっきの天使はここからすり抜けていった。

山形・モカ15

モカスペシャルカレー(650円)。

これとは別にもっと安い通常のカレーライス(500円)もあったが、どのへんがスペシャルなのか見てみたかったのもあり選んだが、どう見ても普通だよね(笑)?

もしかしたら付いてるサラダ? それとも米沢牛を使ってるとか?

……んっ? 美味しい!

苦労して行き着いたという到達観がもたらす気分の問題か? 普通の家庭のカレーに過ぎないが、無性に美味しい。煮込んで溶けちゃったのか、具はほとんどないが、食べ始めたら止らない。一気に完食してしまった。

ママさんに、「つい先日電話で確認した者です」と名乗ったが、そんな方いたかしら?という、おっとりとした反応。下手に電話したら不審者扱いされると警戒していたが、覚えてないんだね(笑)。東京から来たと言っても、特別ビックリもされず。いいなあ、この感じ。


私物が席を半分以上塞いでいるだけで、決して狭くはないこの店。だが、以前はもっと広かったのだという。

山形・モカ16

この壁の向こうも客席だった。

ラーメン屋に貸すために、壁を作ったのだが、肝心のその店は入居して2年で閉店してしまったんだってさ。キャー――! 思わず心の中で絶叫してしまったよ。なんと勿体無い!

嗚呼、その広いときに訪問したかった。

山形・モカ17

こっちの入口もいい感じ。

全盛期に来たかった。なんて、いつも言っているんだけどね。ただ、これも純喫茶が加速度的に減りつつある今だからこそなんだとも思っている。もし東京でも純喫茶がたくさんありありふれた存在だったら、今のように寸暇を惜しんで、あちこち飛び回ることはないだろう。

ヨコハマタイヤ

ついでなので、こちらも載せておこう。駅から向かう途中で見かけたヨコハマタイヤ。※写真をクリックすると顔がアップになる。


この日は南東北の一日乗車券を使っての移動。原則として新幹線や特急は不可なのだが、福島⇔新庄間だけは特例で、特急券を購入すれば新幹線が利用できる。

清水の舞台から飛び降りるつもりで、一回だけ米沢から福島に戻るときに新幹線を使った。自由席特急券750円。乗車時間は35分。在来線より12分節約できるだけだが、750円で何時間かを買ったと思えば安いもの(在来線はすっぽり何時間か空白なのである)。座席も快適だった。

福島からは在来線に乗り換え郡山まで。ここからは一気に新幹線で帰京するのだが、駅ではこの地ならではの面白いアナウンスが流れていた。

こおりやま

電車が熊に衝突し、レール上に熊が横たわっている、のだという。

その図を想像すると、可哀想そうというより不謹慎にも漫画みたいだと思ってしまった。


「福島、山形の南東北2県5市を早足で駆け抜け上澄みをさらう旅」という一連の記事だが、今回が最終回。

正確には郡山第2弾<リベンジ編>もあるのだが、そろそろ別の地域の記事を書きたい欲が高まってきたので、ここで一回締めたい。

利用金額

  • モカスペシャルカレー 650円

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コメント

たきじん

モカ行きました。
初めまして、新潟のたきじんと言います。米沢のモカに先月行きました。ある意味すごい店でしたね。まるでよそのお宅にお邪魔したみたいな・・。もしかしたらもう一つの入り口から入ると別の空間が広がっているのかなと。壁で仕切られていたんですね謎が解けました。ちなみに私たちは米沢から国道121号で会津へ抜けて若松市内の「蔵」でまた一服しました。

エムケイ

>たきじんさん
初めまして。新潟の方なのですね。
モカ、行かれましたか!
先月ですか。奇遇ですね。

そう、ある意味凄い店です。
よそのお宅にお邪魔した感、その通りです。
自宅でもあるそうなので、その辺も関係あるのかも?

会津若松にも行かれたのですね。
私も当初は会津若松と喜多方とセットで行こうとしてたのですが、スケジュールに無理が出て、こうなりました。

tora

初めまして
モカってラーメン屋さんに変わったのだとばかり思っていました。
それで、閉店したのかと。
でもラーメン屋さんがなくなっても、灯りが見えるので不思議で不思議で。
まだ、生きていたんですね、モカ!!
懐かしい青春の店です。
地元民なのに知らなかった・・・
有難うございました。

エムケイ

> toraさん
思い出の場所でしたか!
そう、私もお店の人に聞いて知りましたが、店の一部をラーメン屋さんに貸して、その後ラーメン屋は閉店。モカはその後も営業しています。
不思議な造りですよね。
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エムケイ

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当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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