≪飯坂温泉で温泉に入らない旅 その3(最終回)≫
鮭が元の川に帰るように、私もまた元の場所に帰る。
こう書くといかにも壮大だが、単に駅に戻っただけ。飯坂温泉で温泉に入らない旅の最後を締めくくるのは、駅前好立地の「軽食・喫茶 トミー」。
福島県福島市飯坂町十綱町1-2
温泉は当初の予定になかったが、さすがに喫茶だけというのも寂しい。ポピを出た後、適当にぶらぶら歩いていると出会ったのが旧堀切邸。
入場無料で、手湯や足湯を楽しめる。
ここで初めてひとときの憩が得られた(喫茶で心の底から憩うことが私にはできない)。
サクッと足湯だけ楽しんでそのまま帰るつもりだったが、それがそうもいかず…。受付のおじさんが話好きな方だった。飯坂温泉の魅力について語り、下駄を履いて温泉街を歩くよう勧められた。
(この後、また福島に戻って行きたい喫茶店あるのになあ。適当にぶらついて戻ってこよう)
その親切心を無下にするのも心が痛み、靴と荷物を預け、敷地を出た。
飯坂温泉で一番古い共同浴場『鯖湖湯』。
飯坂温泉には共同浴場が9カ所あるらしい(⇒参考)。利用料金も200円程度と安く、全部回っても2000円かからない。
元々温泉はとても好きで、純喫茶巡りがこんなに好きでならなかったら、絶対入りまくるのに!
温泉街で温泉に入らないと散策はあっという間に終わり、駅に着いてしまい、せっかくなのでトミーにも入ることに。
あっさりし過ぎなほどスッキリした内装。
奥にも席があるようだったが、駅前が眺められる入口のそばの席に座った。
薄青いガラス扉や色褪せたベルベットの椅子から、それなりに古い店なのかと思いきや、営業して22年なんだそう。平成生まれ? もしかして閉店した喫茶店に居抜きで入ったとかかしら(未確認)。
コーヒーを頼まないときは、レモンスカッシュを無意識に選んでいる。
BGMはイージーリスニング。他にお客はなく、貸切状態。
見るべき箇所は特にないが、お店の人はいい感じに放ってくれるので、居心地は抜群。いい店だった。
「今夜はこちらにお泊りですか?」
私が履いてる下駄を見て宿泊客だと思ったらしい。
ああ、下駄が…。本当ならそのまま目の前の電車に乗りたいところだが、返しに行かなくてはと思うと少し億劫になった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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