【上田】喫茶 故郷

上田では3軒の純喫茶に入ったが、3者3様個性的だった。

このうち絶対入るべき店は? と問われたら、私は間違いなくこう答えるだろう、「全部入れ」と。

そう。これからレポートする「喫茶 故郷」も、上田の最後を締めくくるに相応しい個性にあふれる純喫茶だった。

喫茶 故郷

喫茶 故郷

長野県上田市中央3-11-15

喫茶 故郷

育ちに育ちまくった大きな木が煉瓦造りのプランターを破壊せんばかりの勢いで、歩道側にせり出していた。その陰になっている。

喫茶 故郷

可愛らしい花模様のドアにグッとくる。

入るなり奥の席を勧められるが、団体さんの隣のため、ここでもいいか?と入口に一番近い席に座った。

明かり抑えめのほの暗い店内は、純喫茶度高めな内装で、壁は漆喰のようだが、窓がないのになぜかカーテンがかかっていた。

メニューは出てこなかった。またか?

カウンターでバタバタと忙しそうにする老夫婦。焦らせるのも忍びないので、メニューをくださいとも言えず、10分じーーっと席で待つが、何もなし。

「あの~メニューいただけますか?」

カウンターで作業中のマスターに声をかけると、「今、コーヒー淹れてるところですのでお待ちください」

有無を言わさずコーヒーになってしまった ^^; コーヒーしかないとか? きっとそうなんだな。まあ、いいか。おとなしく席でじーーっと待つ。

「お待たせしました!」

おおおおっ!? やっと出てくるか?

「はい、コーヒー」

「あと、こちらも、はい、はい」 ポンポンポンポン、なんだか色々出てくるよ。

……って、えーーーーー!

喫茶 故郷

「よかったら味見してください」 最後にしし唐のフライで全部揃った!

な、なぜこのような事態に? ここは岐阜か? 名古屋か? いやここは長野だ。予想だにしないフルコースに驚いた。

とにかく圧倒されて、でもこのパターンは過去の経験に照らし合わせても、びっくりするほど異様に安いケースに違いない(←また金の話になるが)。450円くらいだろうか?

飲み物はコーヒー、紅茶、梅昆布茶の3種! (カール&かっぱえびせんのスナック付)

こういうとき飲み物はどの順番で飲むべきだろうか? 昆布茶は締めの気もするが、一度にテーブルにあるわけだし、コーヒー、紅茶、梅昆布茶の順で、三角食べならぬ三角飲みをすることに。

コーヒーはちょっと薄すぎるかな? しし唐のフライは美味しい。1つが普通のもの、1つが唐辛子の変種のような辛いもの。

「はい」 箱ティッシュも渡された。

喫茶 故郷

半分以上食べ飲み終えたところ、ゆで卵が出てきた。私の席だけでなく他のお客さんにも出てたので、これはいつもの決まりきった“フルコース”に違いない。

ゆでたてで熱っ! 帰りの新幹線の時間も近づいているため、冷めるのを待つ時間はない。もちろん残すという選択肢もない。ティッシュを2枚重ねて、それでも熱いが速攻で殻をむいて食べた。

喫茶 故郷

色んな純喫茶を訪問したが、このような『フルコース純喫茶』は人生初。時間がなかったためゆっくりお話できなかったが、マスター・マダム共に商売というより、おもてなしをしているように感じた。

お会計は300円だった。

利用金額

  • コーヒー、紅茶、梅昆布茶、カール&かっぱエビせん、獅子唐のフライ、ゆで卵 300円

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コメント

カカポ

 ああもう、内装 佇まい 歴史・・・も含めて純喫茶たるもの、店主独特のおもてなしだったんだ!それもお値段以上の。
 金額が全てではないんだけれど、でも私はもうケーキセット1500円、女性客で賑わうオシャレな街のカフェとは訣別するだろう((((*゜▽゜*))))

エムケイ

>カカポさん
店主独特のおもてなしですね。

金額がすべてではないですけど、「女性客で賑わうオシャレな街のカフェ」には長いこと行ってません(笑)。

あかりのママ

No title
1/8 来訪しました。雪が降り始めて袋町に迷い込んでしまい、窓のライトが明るくお店を照らしているのを見つけて心底ホッとしました。袋町はもと赤線で、バブルの頃は嬬恋のキャベツ農家が札束を腹巻に挟んで遊びに来たところだそうです。マスターは退院されてまだ一ヶ月ということで、
お店にはいらっしゃるも、マダムがほぼお一人でお店を切り盛りされていました。クラッシック音楽が流れ、オーナーご夫婦のあったかいおもてなしに、思わぬ長居をしてしまいましたのに、ママさんに「もうお帰りですか」といわれて、さらに気持ちが和んでしまいました。

エムケイ

>あかりのママさん
こちらにも行かれたのですね。
マスターが入院し、退院されたのですか。

>袋町はもと赤線で、バブルの頃は嬬恋のキャベツ農家が札束を腹巻に挟んで遊びに来たところだそうです。

袋町というのは、こちらの故郷の近くにある大きなスナック街のあたりでしょうか?
だとしたら、元赤線というのも納得です。

あかりのママ

No title
袋町はおっしゃる通り近くにある大きな飲み屋街のことです。表のアーケードからはわからない造りで、上手に隠して作ったなと思いました。マスターは病み上がりな感じで、休み休みされてます。早く回復されるといいのですが。お友達がマスターに会いに来られてました。

ささい

いつもすてきなブログ読んでいます
ブログにコメントをすることが滅多にないので、読んでもらえるかわかりませんが…

長野育ちの、山梨の学生です。旅苑にはよく行きますのでこちらのブログも拝見しました。
木の実について書かれている記事をもしよろしければ読んでください。面白かったので。http://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/nakano02

エムケイ

> あかりのママさん
マスター早く良くなるといいですね。

エムケイ

>ささいさん
旅苑にもよく行かれるのですね。
とても素敵なお店です。
また行きたいと思ってます。

紹介していただいた記事読みました。
木の実ではなく、故郷ですね。
面白かったです。マスターとママさんのインタビュー充実してました。

あかりのまま

No title
私も、ささい様の紹介記事読みました。メニューあるんですね。次はメニュー見せてもらお。私が行った時とママさんのお召し物が一緒です。喫茶色、紫ががよくお似合いでした。

エムケイ

>あかりのままさん
記事読むと謎が色々解明されますね(笑)。
私も岐阜か? 名古屋か? と文中で書いてますが、ママさんの出身地が岐阜で、店名の故郷には岐阜への思いが詰まってるわけですね。
だから色々出てくるのも当然なわけで…。

メニュー、結構しっかりしたものでしたね。
私も実物見てみたいです。
ママさんのお召し物が同じ紫だったのですか?
きっとお気に入りなんでしょう。

ささい

木の実ではなく故郷でした。投稿して気づいたのですが訂正のコメントをしなくても記事を読めばわかるかな、と。失礼しました。
上田の純喫茶、行ったことがないのでうかがいたいです。山梨の純喫茶にもたくさん来てらっしゃるのを見て、月江寺あたりは行きたいな…と思ってます。富士山駅の前にある「珈琲茶論」は中々素敵でしたよ

エムケイ

>ささいさん
上田は駅前にごく短い時間の滞在だったので、また機会を作ってもうちょっと探してみれば他にも純喫茶があるような気がします。

>富士山駅の前にある「珈琲茶論」

その店は知りませんでした。いつか行ってみます。
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エムケイ

ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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