東京にこんな純喫茶はない!
ミロの奇抜なデザインを目の前にし、度胆を抜かれると同時に悲痛な叫びをあげてしまった。
岐阜県可児市今渡1619-184
いや、本当にないって……。
だって、これだよ? 目だもん。
羽がついてるもん。羽ばたいてるもん。
バイパスの再来である。和歌山県岩出市のバイパス沿いにある「喫茶 バイパス」。あの攻撃的なまでの刺々しさ、現代アートともいえる個性的な建物を彷彿とさせる。
地方の郊外に行くと、ごくまれに国道沿いでこういう凄い喫茶店と出会える。文化といえばそれまでだが、西に行くと残っているのはなぜだろう? しつこいが、東京にはない!
でも、だからこそここまで来た甲斐があるというもの。長くなってしまうので苦労話は割愛するが、アクセスは良くない。最寄り駅らしい最寄り駅は特になく、名鉄「日本ライン今渡」から頑張れば歩けるのかしら? 20分位かかりそうだが。お勧めは車。これに尽きる!
その証拠がこれ。朝っぱらから店の前には車がぎっしり。
岐阜県の人は本当に喫茶が大好きなんですね。
モーニングのサンプル3種。
おやおや? アンパン、サンドイッチ、トーストは字で代用しているのに、たまごとツマミの同じ皿は律儀に3つ並べている。
店内も期待裏切らずなEeeee!!!!!!内装。
カラフルな照明だとか、ミロのビーナスだとか、カウンターからカーブ描いた飛び出るライトとか。なんだって喫茶店がこんなに色々凝ってるの?
純喫茶をたくさん回っていると、いくらレトロで個性的であっても、同じ型のライトに多々出会う(チューリップライトもその典型)。だが、こちらの70年代風の黄色・オレンジ・緑の3色角形ライトは他で見たことがない。初めて出会った。
段々になったパーテーションもあったり、隅っこには小便小僧いたり。
丸窓もあり。これが建物のどこに当てはまるか、聡明な皆さんはお分かりでしょう。
映り込んで映り込んで映り込む。こういうキッチュな店こそ鏡が威力を発揮する。
広い店内で座る席によって雰囲気が少しづつ違うので、30分ごとに席替えタイムなんかあったら、まんべんなく楽しめるのになぁ……。見果てぬ夢、嗚呼。
3種類のモーニングからサンドイッチを選択。カラシがきいてて美味しかった。
ゆで卵、ツマミ、コーヒーで350円。本当に安い!
次から次へとお客さんが入店。安いからお客さんが来るのか、喫茶好きが多いから安くできるのか、おそらく両方だと思う。岐阜県は喫茶代の支出が日本一である。
そんな喫茶大好き岐阜県民であるが、外観・内装の凄さには興味がなさそうだった。ビーナス? ライト? パーテーション? きゃあああ!なんて客、私ぐらい。みんな淡々としたもので、新聞読みながらトースト食べたり、喋りに夢中。意外とそんなものなのかしら?
お賽銭?
祈る猫の足元に置いてあった。
言っても詮無いことだが、それでも言わずにはいられない。こういう凄い喫茶店には、東京都内を隅から隅までローラーしたところで絶対に出会えないことが分かっているので、時折むなしくなる。東京、捨てるか? なんて言ったら大げさだが、最近はどこか遠くに行くことばかり考えている。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント
バクゼン
オーナーの趣味に振り回される心地良さ。
喫茶店で30分ごとの席替え制度、私も大賛成です。
2015/09/16 URL 編集
カカポ
奇抜でダイナミックな外装ですが、他を侵食しないデザインですね。確かに東京には無さそう。どうでしょう、福生辺りに急に現れたら結構いいなと思いませんか。
店内もステキ。仕切りのR型といろんな箇所のデコマヒコマ、ゆったりソファ。照明も。
エムケイさんの行動範囲の広さ、純喫茶キャッチ眼にいつも感謝しいます(*´∀`)
2015/09/17 URL 編集
エムケイ
現実には無理ですが、30分ごとに席替えできたらなあ。
そんなこと、ここに限らず他の店でも思います。
2015/09/20 URL 編集
エムケイ
東京中ローラーしたわけではないので、探せばある可能性もゼロではありませんが、どうなんでしょう?
福生辺りであったら嬉しいですね。飛んでいきます。
>純喫茶キャッチ眼
私のというより、すでに先人の方のレポートがありますので、どうぞそちらもご覧ください。
今回は同行者が見て、「行きたい!行きたい!」となり、無理くり行ってきました。ですが、行って本当に良かったです。
遠征地は目につく店すべてに入るのはお腹の都合もあり無理なので、ある程度は他の方のブログも参考にした上で選んで訪問しています。
2015/09/20 URL 編集