なぜ今頃金沢が出てくるのか。このブログではその時一番書きたい店を先出しする傾向があり、印象が強烈な店をUPすると、それ以外は記憶の底に沈んでしまうのである。
金沢で強烈なとこ。言うまでもなくローレンス。これから紹介する名曲喫茶「ぱるてぃーた」はその翌日訪れた。場所は21世紀美術館の隣。大通り沿いのビルの地下。
石川県金沢市広坂1-2-32
金沢といえば前に来たのは何年前だろうか。
当時は純喫茶に興味がみじんもなく、カフェとかに入っていた。今思えば非常にもったいないことをしている。
この日も朝ローレンスの前を通り、21世紀美術館に向かう途中で「芝生」というかなり惹かれる外観の喫茶店に出会うが、ドアを開けると、薄暗い店内に透かし模様の入った銀色のペンダントライトがキラキラしていた。テレビの音がする方にドキドキしながら歩み寄ると、店主とおぼしき高齢の女性から「今はやってない」ことを告げられる。
嗚呼。純喫茶に目覚めるのがもう少し早ければ……
金沢ではローレンス以外これという純喫茶に出会えてなかったので余計そう思った。
ぱるてぃーたは昭和62年誕生。絶滅危惧種ともいうべき名曲喫茶。
いくら激減しているとはいえ、生きているうちにすべての純喫茶を訪問することはできないが、すべての名曲喫茶を訪問することはできるんじゃないか? そう思い、こちらもぜひ行きたいと思った。
10人入るかどうか。とても小さな喫茶店。カウンターにはマスター1人、棚にはCDが並んでいる。
天井にはアンティークな照明器具。
こちらは昔吉祥寺にあった名曲喫茶「こんつぇると」で少しだけ使っていたものを譲り受けたのだという。棚にはこんつぇるとを描いた絵が飾ってあった。
いきなり東京のJR中央線の話題になるが、名曲喫茶業界は非常に狭い。こちらのマスターは東京都内の名曲喫茶は現役のものから閉店したものまで結構知っていた。名前が挙がったのは、高円寺「ネルケン」「ルネッサンス」、国分寺「でんえん」、吉祥寺「バロック」。さすが!
入口に「飲み物だけ」との注意書きがある通り、名曲喫茶らしく絞り込んだメニュー構成。
トマトジュース。前日の土曜日に徹底して純喫茶訪問を詰め込んだため、まだ体内カフェイン濃度が薄まっていないのか、反射的にカフェインを拒否した。
名曲喫茶は当然のように主役はクラシック音楽。
こちらもずっとクラシックが流れていた。特にリクエストについては聞かれなかったため、マスターの気分で選曲していると思うが、レコードではなくCDだったと記憶している。
第一印象では気難しい店主なのかと思いきやなかなか気さくな方だった。
金沢にも昔は名曲喫茶がもっとあったが、今はここだけしかない、あーあとはあれ!あそこ!変わった女の人がやってる……。えーと、ローレンスでしょうか? ああ、そうそうローレンス。
ここでまたローレンスの名前が出た。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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