あまりにも味もそっけもない外観なので、うっかりスルーしかけた。
だが、何を血迷ったのか、うっかり入店。ところが、これがうっかり大当たり!
山梨県甲府市宝1丁目10-10
閉店
何を持って”大当たり”とするかだが、私の場合、無難・定番・万人受けは指さない。
うっ!!! そう来たか!?的な想定外の驚きがあり、見事ハマるケースである。
ドア開けるなりビリビリ痺れた。なんて渋いんだろう!
茶と琥珀の集合体。
シャンデリアが全然キラキラしてないとこにグッときた。
一瞬、時が止った。
茶色い傘がまた渋い。
店内ど真ん中には育ち切った植物ドドン。この狙ってない天然ぶりが素敵。半端な空間デザイナーには生み出せないセンスにビリビリきた。
ここで、ドアを開けた時点に話を戻そう。
「コーヒーだけだよ」
カウンターに座る男性に声をかけられた。食事はないという意味らしい。六曜館でトーストで軽くお腹を満たした直後だったので問題なし。いや、ペコペコに空腹だったとしてもだが。
「段差があるよ」
もう一度声をかけられた。マスター?と思いきや、すぐに店を出て行ってしまった。超常連さんらしい。
「お食事はありませんよ」
今度はさっきの男性と話をしていた女性。この方こそ真のお店のマダム。
片面全滅。
こちらから選ぶのだろうか?
「ブレンドコーヒー、アメリカンだけです」 アイスコーヒー、リンゴジュースは今はないとのこと。
やや酸味のあるコーヒー。
BGMはクラシック音楽。かなり良い音で流れるドビュッシー。BOSEのスピーカーがあった。
六曜館のような正統派純喫茶は無条件で好きだが、それだけでは物足りない。遠征地ではもう一つ欲しい。例えば、こちらのようなピンポイントでツボを突いてくる店。一軒こういう店と出会えると、遠征の満足度が高く、深い。
マダムにお話を伺うと、コーヒー好きのお客さんが1日2~3人来るだけだと言う。それすらも来ない日があると言うが、これは謙遜だろう。なぜなら、私が入店したのは午前中だが、先客2人、私、後から1人。計4人だ。すでに1日のノルマ(?)は達成している。
内装は20年変えていないとのことで、油モノを使わない、タバコを吸わない等、極力店内を汚さないようにしている、とのこと。
私が最初から最後まで心の中でワーワーキャーキャー騒いでいたど真ん中の植物。少し前にはシャコバサボテンも置いていたという。サボテン……。いいなあ……。最近、大きなサボテンのある純喫茶を探し求めている。
店名ブンの由来についても抜かりなく確認。説は2つある。①コーヒーの南天の実のようなものをブンという。②コーヒー発祥のひつじ飼いがブン。
ただし、私の聞き違いの可能性も大。②の羊飼いの名前はカルディだったような? いずれにせよ、コーヒーにこだわりを持った店である。
壁に掛かったカレンダーの格言が妙に心に刺さったのでメモ。
「物や金にとらわれていると人生に迷いが多くなる」
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
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2020/05/30 URL 編集
エムケイ
私が訪問したときも、すでに閉店しているような雰囲気だったので、やはりという感じです(そこが好みだったのですが)。
喫茶店巡りも新幹線や飛行機での移動にはまだ抵抗あるのですが、山梨くらいの「ちょっと足を延ばす」距離は行きたいと思います。そのうち山梨の喫茶店を紹介しますね。
2020/05/30 URL 編集