【神田】喫茶 ピープル　（閉店）

最近では閉店だと聞いても、よほど思い入れのある喫茶店以外は、特別の驚きもなく、特に胸も痛まず、そんな自分は薄情な人間だと思うが、あまりにも加速度的なペースなので、流れ作業的に受け止めるようになった。

だが、ここは別。久しぶりに胸がざわっとした。

多分、ブログ初期からの憧れだったからだと思う。

オフィス街という場所柄、土日祝が定休日のためなかなか伺えず、3年ほど前有給を取りやっとのこと初訪問。

扉には赤いドアノブ、peopleの店名の入り。

「食事はありません」　少しおっかない感じのマダムから入店時にそう言われた。

先客は会社ではそれなりに地位のありそうなおじ様2名のみ。

とてもシックで洗練された内装で、壁の片面は焦げ茶色の木、もう一面は模様。天井にも模様。丸い照明が下がっていた。入口には、純喫茶でよく見かける、寄り添った2匹の猫の置物。窓辺で日光浴をしているみたいだ。

猫を眺められる、店内中ほどの席へ。

イージーリスニングを背景にコーヒーを飲んだ。

どこの店でもだが、また今度来よう、いつもそう思う。だが、結局のところそれはその場きりの感情ですぐに忘れてしまう。気付けば何年も経って、気付けば知らないうちに閉店している。

例えば、立会川のスマトラ。昨年の夏頃に閉店したらしいが、何も知らず。11月にとあるブロガーさんからメールで教えてもらった。

そして、こちらも。結局はこれが最初で最後の訪問になった。

（2012年1月25日訪問）