泉の後、もう一軒入るべきか迷う。時間があまりなかった。
「パーラー アコ」という店名、いかにもパーラーといったカラフルで可愛い外観。
こんな店、そうそう出会やしない。特急に乗り遅れる? その時はその時。入ってしまえ!
石川県小松市飴屋町23-2
これが大正解。
いかにもパーラーな内装で素敵!
メニューもとても可愛い。
楽しいお飲みもの? パーラアコスペシャル? パーラアコの味覚?
いちいちグッとくるキャッチコピー。ひとり心の中でワーワーキャーキャー騒ぎまくった。
椅子も赤白ツートーンなら、カウンターも赤白ツートーン。キュート!キュート! 喫茶店ルックで正装するマスターの足元はスニーカー。明るくハツラツとした声で「いらっしゃいませ」。
とりあえず2人用のテーブルに座った。
が、4人用の広いテーブルを勧められた。では、遠慮なく。
「ホットコーヒー? アイスコーヒー?」
いきなりの先制攻撃。そうきたかのニタク。パフェとサンデーはどう違うか質問しようと思ったのにそのスキもない。なら、こっちもアイスコーヒーで応戦!
……のつもりが、返り討ちに。デカい。
飲み切れるかな……。サンダーバードの時刻を気にしながらストローで吸う。
「どうしてここに入ったんですか?」
見知らぬ客は珍しいのだろう。純喫茶が好きで東京から来た、と伝える。
思いがけずとても喜んでくれ、「さあ見てください」。
充実したオーディオ機器を披露された。定期的にこれでジャズを流すとのこと。
「ただ、残念なことに小松にはジャズを聴きに来る人は少ないのです」
え?そうなの? 金沢も近いのに?
ところが、この近さがいけないらしい。人が金沢に流れる一方で、小松には来ない、と。なんだか、関西における大阪と和歌山の関係にも似ている。
「30年前も金沢は小松より都会でした。けど当時はこの位でしたが、今はこんなに差が開いています」 腕をビヨーンと大きく動かし、金沢・小松間の広がる差をジェスチャーしてくれた。
創業は昭和44年。泉の方が少しだけ古い。店名アコの由来は当時飼っていた猫の名前から。マスターの年齢は聞いてビックリ! 具体的には書かないけど、あまりにもハツラツとして元気なので、10歳は若く見える。
その上、もっとお客さんに来て欲しいと言っていた。やる気は充分。一応、不定休ということになっているが、ほとんど休んでいないという。こういうの聞いてしまうと、無条件に応援したくなる。
ショップカードと一緒に古いメニュー表をくれた。
え? ええええーーー! いいの? 紙ナプキン、コースター、マッチ、箸袋、お手拭き、爪楊枝等。これまで数々の店名入りオリジナル消耗品をいただいてきたが、メニュー表は初めて。
縦に見開き。
元々はフルーツパーラーのイメージからスタート。パフェとか色々あったんだって。
「女性の美容に」アイスクリーム、シャーベット?
もっと古いメニュー表も見せてくれた。
コーヒーの値段も80円→200円(現在400円)
最盛期はお客さんも多く、23時まで営業していたとのこと。純喫茶ブームもあったかもしれない。
「今や小松は完全に寂れています」
この日、駅は人がいっぱいで、券売機に大行列ができていた。それは自衛隊の航空ショーがあったから。普段は全然らしい。ところが、こんな日でさえ目と鼻の先のこの商店街に人が流れてこないのだから状況は厳しい。
3月には金沢に新幹線が開通する。その恩恵が小松にもあればよいが、現実的にはますます差が開くことが予想される。
だからこそ声を大にして言いいたい。金沢より小松! 小松推し!
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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