みつわ台の団地喫茶「カトレヤ」。
ここの魅力は実際に行かないと分からない。あるいは行ってもピンと来ない方もいそう。あらゆるタイプの純喫茶に一通り行き、一周回ってから分かる、上級者向けの魅力ではないかと。
私にとっては、ツボをキュッキュと押してくる、イタ気持ち良い純喫茶だった。
千葉県千葉市若葉区みつわ台3-7-5
まずはドアにヤられた。
「カトレアじゃなくてカトレヤなんだ」とか言いながら見れば、黄色のビニールテープ。ツ、ツボだ~~~! 入る前からテンションMAX!
カトレヤに見えない、微妙なカトレヤの絵もシュールでじわじわくる。
この魅力伝わるかな? 伝わらないかな? 伝わって欲しいな。
店内は基本色ベージュ。
床の模様とか、ピンク電話とか、壁のややレトロな照明とか、探せば見どころもあるにはあるが、それほどフォトジェニックではないので、写真で魅力を伝えるのは難しい。
だが、入った瞬間、醸し出すユルい空気にグッときた。
不思議なのは、窓辺に飾ってあるギター。なぜギター? 決してロックな店ではないし、客は団地だ。
雰囲気からしてふさわしいのは、ギターよりはウクレレである。
そんな己を自覚しているのか、BGMはハワイアン的な南国のユルい音楽。これがこの空気に最高にマッチング。
ただ、壁には年月を経て色褪せた新聞の切り抜きが貼られ、そこにラテンバンドのギタリストについて書かれていたような薄い記憶あり。何かの由緒があるに違いない。
そういや、ギターが何本か入ったショーケースもあったっけ。
生オレンジジュース登場。
デ、デカイ。比較のためにトマトジュースを一緒に並べてみたが、遠近法を考慮しても、明らかにデカい。
全部飲めるか不安だったが、生の果実感がとても美味しく、結局残すことなく飲み干す。
コースターは私の好きな薔薇。
団地における純喫茶の需要は高いのか、人の出入りはそれなりにあった。だが、いつの間にか店員さんが消えてる。困ってしまったお客さん、「後でまた来よう」と出て行ってしまった。
カウンターには呼び鈴。「これを鳴らしてお呼びください」と書かれていた。鳴らすべきだったのか?
他のお客さんが「よく出かけるんだよね」と言ってたが、この”いつもの”といった何気ない台詞もまたツボ。じわじわときた。
ユルくていいなあ。この空気、この感じ。
写真でも難しく、文章でも難しい、説明しがたいシュールでユルい空気。はて、東京でこんな空気の店あったっけ? 考えてみたが、ちょっと思い浮かばなかった。
そして、最大のヒット! 壁には、のぞき穴があった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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