B三共。
ビーサンキョウと読むらしい。なんのためのBだろう? 不思議な名前である。
ところが、この謎めいた「B三共」、なかなかかっこいい。純喫茶好きなら迷わず入るべし。
岡山県岡山市北区表町2-3-62
一見そっけないが、どこか洗練された入口。右側には食品サンプル。高低差をもたせた白い陳列棚にグッときた。なんだかアートぽく見える。
ドアはスモーク。面白いことに、初心者時代はこのスモークにビクビクしていたものだが、場数をこなした今となってはむしろ嬉しい。
店内を想像する楽しみというのも理由だが、スモークの中は案外落ち着くものである。
おっと、意外!
いきなりのパーテーション。しかも逆鍵穴型にくり抜かれている。かっこいい。かっこよすぎる。
一言で言えば、スタイリッシュ。
東京だと、有楽町「ストーン」、四ツ谷「ロン」の系統。全国でも意外に少ないこのジャンル。大変貴重な存在。
BGMは静かなジャズ(クラシックだったかも?)。場の空気を損なわない、まさにバックグラウンドミュージック。
私が入ったときは若いスーツ姿の男性2人が打ち合わせ中。県庁も近いことだし、県庁職員あるいは関係者だったりして。
隅から隅まで完璧に洗練されたクールな空間だが、あるものに一瞬で釘付けにされた。
テーブルの下の石はなんだろう? そこいく? いや、確かにそこも気になるが、それではなく、
黄金のシャワー。中央の六角形のテーブルの上から降り注ぐ、存在感たっぷりな照明。まるで金貨のようであり、エアコンの風で揺れ、シャララーーシャララーと涼やかな音を鳴らしていた。
思わず見惚れて、ずーっとそっちばかり見ていた。
黄金色を引き立たせるためか、テーブルの天板はシルバー。
ココアは甘みのない、まさに大人味。一緒にシュガーポットも出てきたが、なんとなくこの雰囲気にヤられて、あえて砂糖を入れずに飲んだ。
伝票は店名入りオリジナル。雰囲気は高級なのにお値段は決して高くないのが、純喫茶の不思議。
50年間内装は変えていない、とマダムが教えてくれた。
改装なしでこの状態の良さ。いかにしっかりとした造り、良い材質を使っているかの証明でもある。本物は強い!
あまりに素敵でボーーッとしてしまい、Bの謎はうっかり聞きそびれてしまった。今となると、あえて解明しなくても良いとも思うが、やはり知りたい気もする。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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