白金高輪では喫茶店を真剣に探したことはなかった。駅前の様子から、ただただ無機質な街だと思い込んでいたのだ。
けど、ある所にはあるわけで。とある方から教えてもらい知った。
魚籃坂近くにある、昭和16年創業「銀扇(ぎんせん)」。
東京都港区三田5-20-11
1階が和洋生菓子店、2階が甘味喫茶。
が、残念! 準備中><
10分待ってみたが、開く気配なし。う~~~ん悩ましい。
(ところで前々から謎。純喫茶の準備中)
とりあえずこの日は諦めた。が、その後も結局2回振られ続ける(臨時休業の貼り紙有)。
もう一回だけ、と平日に訪れた。
店先に看板! やっと営業中!
ところが、とことん縁がないとはこのことよ。いかにも営業中の風情にも関わらず、近寄ればドアにかかっているのは準備中><
何の準備してるの???
さすがに、4回目。諦めきれず、びたっとドアにへばり付き、恨みがましくジトーッと中を覗きこんだ。ねえねえ、何を準備するの? 準備する時間じゃないだろうに(←大きなお世話)。すると、そんな私の自分勝手な怨念が通じたのか、人が出てきた。
「どうしました?」品のある若い女性。
「に、2階へ…。喫茶へ」まるで砂漠で倒れかけた旅人が水を求めるの図。
「もしお急ぎでなければ、どうぞ! これから配達に行くので、それまで2階でお待ちください」
え、ええええ~~~~! いいの?(←自分がそう仕向けただろうに) 恵みの喫茶、ここにあり。
階段の手すりがロマンティックで素敵!
涼しい!
奥の別室にも客席があるようだが、とりあえず手前のテーブルに着席。
内装はシンプル。その代わり照明が目を惹いた。
レースのカーテン越しに木の葉が揺れる。
看板に甘味喫茶と書かれている通り、たしかに磯辺巻、お汁粉、あんみつ、みつ豆といった甘味処メニューが多め。ただ、甘味処と断じるほどでもなく、半分は通常の喫茶メニューだった。
純喫茶では夏の定番・レモンスカッシュ。暑い日はこれに限る。
「少し出かけてきますね」。お店の女性は配達に出かけた。ようやく納得。準備中=配達中 ( ̄ー ̄)
恐るべき子供たちを読みながら、涼しさを満喫。
下のドアは準備中になっている。誰も入ってくることない、どこまでも静かな時間。
寛ぎ感抜群な都心のオアシス。穴場。
30分ほどで戻ってきた女性に、お店のマッチがあるか訊いてみると、マッチはないが代わりに包装紙でもよいかとのお申し出。
嬉しい! 有難くいただく。
しかし冷静に考えると、タダ貰うだけではなく、何かお菓子でも買えばよかった。うっかりしていた。
焼きたてのホットケーキのような生地に軟らかめの粒餡をサンドした自信作「名代どらやき」、豊かなバターの香りにアーモンドとレモンを加えたリッチな味の「マドレーヌ」が人気商品らしい(⇒有限会社 銀扇 )。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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