浅草橋西口駅前「tea room Smell (スメル)」。
アクセスは抜群に良いものの、いつも閉まっており、なかなか入れずにいた純喫茶。思い切って平日の午前中に訪問した。
東京都台東区浅草橋1-24-2
案の定、営業中。
浅草橋駅には「浅草ではありません」という注意書きがある。私も上京したばかりの頃、浅草橋を浅草の一部だと思い込んでいた。
乱暴な分類をすれば、浅草は観光地、浅草橋は非観光地。問屋街である。
運が良ければ土曜日に営業している純喫茶もあるが、土・日・祝定休が非常に多い。
スメルも例にもれず、土・日・祝休みだった。
「評判のペリカンのパンです」の貼り紙発見!
ヤッター!!! ペリカンのパン。ああ、想像しただけで涎が……。
単純化されたカップのシルエット、流れるように大胆なSの字体。ロゴのデザインが秀逸。
smellはにおいを意味する英単語だが、私が英語の授業で学んだのは、「smells good(いいにおい)」という動詞としての用法。何か続きそうでもやもやするが、考え過ぎだろう。深い意味はないような気がする。
茶をベースにしながらも、照明、壁の装飾など近未来的要素があり、個性が光る内装。
落ち着きと遊び心がバランス良く同居している。
打ち合わせらしきサラリーマンが1組。先客と距離を取りつつ、全体を眺められる奥の席に座った。
モーニングの時間は終わっていたが、パン系のセットメニューが充実しており、チーズトーストセットを注文。750円也。
パン厚切り! チーズたっぷり!
チーズとパンの間にはマヨネーズを塗ってある。期待を裏切ることない絶品。食べ応え充分。
なんとなく暑いからという理由で、アイスコーヒーにしたが、これが大正解。美味しいからというのもあるが、アイスには付き物の…
コースター。
ドア以上に秀逸なデザイン。Sから流れるキラキラが高い完成度。COFFEE・MUSICの表記にも昭和を感じさせる。サーモンピンクも珍しい。
汚してしまうのが忍びなく、コースターの上に紙ナプキンを敷いて飲んだ。
ヤバい。欲しい。
だが、一回限りのペラペラなコースターなら迷わずいただくが、しっかりした厚みのある紙で、まだ綺麗。
「このコースター、まだ使いますよね?」。カウンターで作業中のマダムに訊いてみた。
「あら? 欲しいの? なら、新品を差し上げます」
新品のコースターをわざわざ出し、マッチと一緒に渡してくれた。
う、嬉しい。だって、本当に素敵なんだもの。
何度も何度もお礼を言い、いつも閉まっていてやっと来れたことを伝えると、「よく言われるの。閉まるのも早いし、土日祝は休みだから」
また近くに来たら寄ってくださいね、とマダム。それを聞いていたマスターも一緒に見送ってくれた。
tea room Smell (スメル) マッチ (2014年)
エムケイ
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コメント
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壁の木の装飾が印象的でした。マダムによれば、お客さんのほとんどがゆっくり喫煙されるととのことで、鏡がくもりやすく、木のオブジェが手に当たると痛いし、掃除がたいへんだそうです。木は桜でもともとはうすい茶色だったけれど、けむりで燻されて飴色になったそうです。壁の鏡に映ったライトと木の装飾の組み合わせを新調するのは難しいでしょう。木の太さもばらばらなのに最後ピタッとはまっているところにグッときました。職人気質っていうんでしょうかねぇ。
その後 錦糸町デリカップにいきましたが、ここは私以外全員男性客なのにちょっとびっくりしました。こちらもまた音楽が良くてくつろぎました。
2018/01/20 URL 編集
エムケイ
ゴージャスなシャンデリアのある店も掃除をするとき割れないように非常に気を使うとか。
デリカップは私はまだ入ったことありませんが、あの辺りはいかにも錦糸町的な男性が多い気がします。
2018/01/21 URL 編集