人知れず、ひっそりと閉店した喫茶店の話。
西新宿5丁目・十二社通りに、「珈琲専門店 ルポ」という、小さな個人経営の喫茶店があった。
とうとう一度も入ることはなかったが、いつも頭の片隅を占めていた店なので、少し書いておく。
住所は東京都新宿区西新宿5丁目 5-1
新宿駅から歩くと15分以上かかる。意外に行かない場所だった。
そもそもは、1年以上前。近隣の方から、西新宿の喫茶店情報をいただき、その中にルポも含まれていた。
「平日の日中でも滅多に開いていない」との補足付。
前々から、年中無休だったり、24時間営業だったり、お客で賑わってる店だとか、安定感のある純喫茶は後回しにしがちだが、めったに開いてないレア感は私の心をとらえた。
さらに、もう一つ。「西新宿5丁目中央北地区は再開発予定地」だということも教えてくれた。リミットがある。
…ということで、速やかに平日休みを取り、西新宿へ。
※訪れたのは、2013年4月。
青梅街道の成子坂下角に、「COFFEE レトアル」という、閉店した喫茶店。ここから十二社通りになる。
それにしても、西新宿5丁目のゴーストタウンっぷりには驚いた。都庁も近い、超高層ビル街も近いだけに、シュールすぎる光景。ほとんどシャッター通りだった。
やはり再開発だからなのですね。
少しわき道にそれれば、ちょっとした廃墟。元は飲食店だったらしく、ポリバケツが逆さまに放置されており、マジックで「バロン」と書いてあった。
ペラッペラに薄い、淀橋会館。
あ、あれか。ルポ!
開いている! さあ入ろうと近寄ったが、
入れない。
入りたいけど、入りにくい。
思いっきりドアはオープン。開けっぴろげ。薄暗い店内だが、100%丸見え状態だった。
カウンターといくつかのテーブルの小さなお店。椅子はシンプル。パイプ椅子というか、ざっくばらんな感じ。使い込まれた渋い茶系だった。飾り気がなく、無駄のない、シンプルイズベストな内装は、思いっきりツボにはまった。
けど、入れなかった。
常連風のお客さんとマスターが話し込んでいたから?
いや違うな。あの開けっぴろげなオープンさが、かえって大きな壁となるのである。
結局はスルーし、同じく十二社通りにある「珈琲専門店 MAX」に入った。
その後、心の準備をして何度かトライしたが、ルポはいつも閉まっていた。
そして、先日。ルポ情報を寄せてくれた方から、「閉店しました」との報告。辺り一帯は、地上60階建てのタワーマンションになるらしい。
最後に、興味を持って、1月頃、代わりに行ってくれた人から聞いたルポの話をメモ。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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