亀有といえば、『こち亀』。週刊少年ジャンプで連載中『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の舞台。街中には両さんの銅像が溢れかえっている。
……って、それでいいのか?純喫茶。
忘れてはいけない。亀有は純喫茶の宝庫。駅周辺を歩き回れば、純喫茶がゴロゴロ見つかる。さらに嬉しいことに、日曜日も営業している店ばかり。
まずは「純喫茶 クラウン」からご紹介。
東京都葛飾区亀有5-17-6
えーと。ここで一つ謝らねば。
亀有で純喫茶巡りをしたのは、最近のこと。上野、日暮里、三河島、南千住、北千住、金町。常磐線は純喫茶が密集する「純喫茶路線」。
他の駅はそこそこ訪れているのに、なぜか亀有だけ華麗にスルーしていた。多分、いつでも行けると思っていたんだろうね。
ああ、そういえば、大雪も降った。この写真から訪問時期はおおよそ推測できると思う。
上がアールを描いている漆黒の扉には、純喫茶クラウン。
中の様子が見えなくて、極めて入りにくい。けど、純喫茶だし、心惹かれ、やっぱり入ってしまった。
ら、なんと!
いきなり耳に飛び込むは演歌! え~!? カラオケ喫茶? 店内には演歌歌手のポスターも貼ってあるし、面食らい想像してたのと違い、『芥川隆行の演歌だヨ』が頭をグルグル駆け巡った。
入口でボケーっと突っ立ってると、お婆ちゃんから「どうぞ、座って、座って」と声をかけられた。ちなみに、婆ちゃん≠マダム。マダムは別にいて、この方はお客さん。常連客と店主との境目(壁)がないのは、愛されている純喫茶の証拠でもある。
こそこそと入口付近の席に着いた。
本物のマダム登場。はきはきした明るい雰囲気の方。「奥の席の方が暖かいので、良かったらどうぞ。ここは寒いですからね」
奥に移動すると、婆ちゃんがアイコンタクトを送ってきた(笑)。
演歌色は強いが、造りそのものは正統派の純喫茶。壁は重厚で、等間隔に扉と同じ形の装飾が並んでいた。
シュガーポットが素敵。大きな取っ手からアラジンの魔法のランプを思い出した。
コーヒーはやや酸味系。
店内はそこそこ賑わっていて、さっきの婆ちゃん(客)は、隣の爺ちゃん(客)と世間話をしていた。
純喫茶クラウンは、亀有に住む方たちの社交場であった。
私のような一見客は本来「異質」な存在なのだが、決して勘違いでもなく、暖かく受け入れられたと思う。帰りにマダムに、「純喫茶なので入りました」と伝えると、ものすごく喜んでくれた。
純喫茶に誇りを持ってるように思えた。
レジのそばで少しお話を伺った。映画のロケ地にもなったことがあるそうだ。阿部寛さんが出ているが、映画のタイトルは覚えていない、とのこと。
家に帰ってから調べた。『自虐の詩』という映画らしい。
純喫茶 クラウン マッチ (2014年)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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