茨城県日立市桜川町4-3-1353
入店難易度の高さについては後述するとして、先行して訪問した純喫茶にぃさんによると、パンケーキとサラダ押しのコーヒー&スナックなのだという。
パンケーキ?サラダ? 女子向けオサレカフェ? 正直なところ、前半のキャッチフレーズには惹かれる要素なし。
…でも、コーヒー&スナック?
ああ、コーヒー&スナック。その魅惑のフレーズに導かれ、はるばるやってきましたよ。
常陸多賀駅から、軽く20分以上は歩いた。途中で、24時まで営業だとの看板を出す、大きな駐車場付きの、完成間際のスタバを通り過ぎ、その上道にも迷い、それらしき場所にたどり着いたはいいけど、
この風景、コーヒー&スナックというか、スナックそのもの?
と思い、おそるおそる「すなっく旅情」に近寄ると、その先には!
喫茶レナのメニュー看板!
じっくりと端から端まで読み込んで欲しい。じわじわとツッコミどころが浮き上がってきませんか? やっぱり女子向け?な「美容&健康ジュース」とか、「ライスおかわり自由」とか。
でも、私が激しく反応したのは、「アレンジ即席ラーメン」。
純喫茶でラーメン? そして、大胆にも「即席」を明示。正直すぎるカミングアウト、とまで言うと大げさか。少なくとも偽装とは無縁の喫茶レナであった。
結構人気? 店の前を車がふさいでいる。
こっそりと遠くから様子を伺っていると、あの真ん中絞ったカーテンの扉を開けて、男性客が1人出てきた。なんとなく入り替わりに入るのに気後れしてしまい、しばらくその男性が消えるまで待った。すると、散歩中の犬連れのおばさんが通りかかり、私の姿を胡散臭そうにじろじろ眺める。
極めて、入店難易度高し。
けど、入ってしまえば、案外、平気だった。
小さくはありますが、逆L字になっていて、ちょうど良い死角席をゲットできた。
内装もなかなか純喫茶しています。うろこ模様の壁、レトロテイストの照明、椅子の背もたれの白いカバーとか、いい感じ。
初老のマスターが、オレンジのトレイにのせたおしぼり、水、メニューを持ってきました。
メニューには、「サラダとパンケーキの店 レナ」。
ふと我に返った。ここはパンケーキとサラダ推しのコーヒー&スナックなのだった。
そして、悲しいことに、私が激しく反応した、「アレンジ即席ラーメン」がメニューから消えている。
おまけに、第二候補?の「美容&健康ジュース」も見当たらない。あの外の看板で残っているのは、モーニングサービスだけだった。8時から9時までの1時間という短時間も変わりなし。
まあ、それはよい。実を言うと、もう頼むのは、あらかた決めていたのだ。いかにも、わざとらしく、店内で初めてメニューを見てびっくりした風を装っているが、アレンジ即席ラーメン、健康ジュースがないことも、すでに先人のレポで学習済。
希望は、パンケーキ、もしくはホットケーキ。
ブームまっただ中のパンケーキと、昔ながらの純喫茶で人気のホットケーキ。この両方がおいてある、稀有なコーヒー&スナック。
パンケーキとホットケーキの違いについては諸説ありますが、一応、純喫茶にぃさん説「どちらも同じもの。店側がパンケーキを名乗るのか、ホットケーキを名乗るのか、それだけの違い」で、納得しました。でも、両方置いてる場合は?
マスターに聞いたところ、一瞬間があった後、お答えいただきました。
まずパンケーキについて「薄く焼いたもので、ベーコンを巻いたもの」
一方ホットケーキは、「丸いもの」
断っておきますが、この見解は、喫茶レナでのローカル基準。ご主人の口ぶりからして、さして深い意味があって、パンケーキとホットケーキを区別したわけではなさそう。こんな質問する客いないんだろうね?
ですが、これはこれで納得。ところで、どっちにしようかな? メニューを見ると、パンケーキはセットで450円。が、ホットケーキはセットメニューはなく、ホットケーキ400円、コーヒー400円。てことは、計800円? なんだかコスパに著しく差があるなぁ…。パンケーキが推奨スナックだから、パンケーキにしてくれってことかしら?
「ホットケーキとコーヒーお願いします」
結局は推奨品を蹴って、ホットケーキにしてしまった。常陸多賀まで交通費を往復数千円出しておいて、いまさらコスパもないだろう。ここはひとつ。純喫茶らしい、丸いホットケーキがいただきたい。
「セットですね?」とマスター。とりあえず「はい」と答える。
「パンケーキでしたよね?」
ホットケーキです!とキッパリ念を押しました。
本棚には男臭い漫画がぎっしり並んでいたので、客層はほぼ男性だと思われる。無難に、『ゴルゴ13』を取り、読みながら待つ。
カウンターの方から、カッカッカッカッと軽快に生地をかき混ぜる音が聞こえてきた。その後、すぐにパチパチと何かを点火する音が!
ちゃんと焼いてる!
10~15分位待つと、ホットケーキ登場。バターのほんわり美味しそうな香りがした。
そして、コーヒー、ボトル入りの蜂蜜が出てきた。
ホットケーキには、メープルシロップというのがスタンダードだとは思うけど、私は蜂蜜がすごく好き。なので、結構嬉しい。
肝心のホットケーキですが、バターの香りがかなり立ち上ったので、たっぷり生地にしみこんでいるのかと思いきや、それほどバター感はないことと、生地そのものに甘みが少ないのは物足りないが、蜂蜜好きな私はかなり贅沢にかけて食べたので、最終的には満足でした。
もちろん上には上があるし、わざわざ特急で何時間もかけて行くほどかと言えば疑問だけど、これはこれでなかなか美味しい!というのが私の感想。
その上、最後の最後で、大逆転というか、ぐうの音も出ませんでした。
お会計をすると、「450円です」
メニューにはホットケーキセットの記述は一切なかったが、パンケーキセットと同じ450円だったのである。
もしかしたら、メニューから消えていたアレンジ即席ラーメンも頼んでみたら意外に「いいですよ」と作ってくれたりして? もし再訪問することがあれば、勇気を振り絞って、アレンジ即席ラーメンを注文してみたい。
ところで、このまま終えてしまうと、グルメブロガーみたくて、いささか据わりが悪い。店内の描写をほとんどしませんでしたが、カウンターはコアな競輪トークで大盛り上がりでした。「川崎と取手が…小田原も」と聞こえてきたし、テレビの競輪中継?も流れていましたし。喫煙者もちらほら。
この点では入店難易度というか、ダメな人は絶対ダメでしょう。ですが、錦糸町や浅草のウインズ近辺の純喫茶に慣れてる人であれば、全然余裕だと思う。アウェー感もさほど感じなかった。
ちなみに、カウンター近辺も、純喫茶度高かったです。深紅のベルベットの椅子もあったし 、奥にはゲーム機テーブルらしき姿も。半ば物置と化していましたが。場末のスナック的内装が好みの私は、満足でした。
おまけで、常陸多賀駅に戻る途中に、Googleマップで印刷した地図に載ってた「小泉チルドレンズクリニック」が気になり、見に行った。
院長が小泉氏の、小児科のクリニックでした。
(純一郎ではありません)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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