伝えたいことが多すぎても、書けないものですね。
「珈琲専門店 ウイン」も、そのパターン。
本当はもっと早くUPするつもりでした。けど、あれもこれも、あー、あれもこれも、と欲張りすぎ、収集がつかなくなり、ずるずると延び延びに。
…もう、こうなったら、ダラダラと思いつくまま、とりとめなく書いてみようか?
東京都杉並区成田東1-51-11
2020年12月閉店
初めて訪問したのは、1年半前。
外観からある程度予期していたけど、思った以上に純喫茶な内装。
窓辺がキラキラ輝いている。金色の鎖が簾のように吊るされてて、外から差し込む光で反射しているのだった。
ジャムトーストが想定を超える厚切。嬉しいけど、ちょっと量が多かった。お腹パンパン。
帰ろうとしたら、いつの間にか外は雨。ここから新高円寺駅までは結構歩くのに、困ったなぁ…。途方に暮れていると、マスターがそっと傘を手渡してくれた。
「壊れているので、返さなくてもいいですよ」
それから1年後、夜に再訪問。傘は…。持ってくるの忘れました。
まず、コーヒー。
チーズトースト。相変わらず激厚!
ぶ厚いトーストを出す、東京駅の八重洲地下街の「アロマ」を思い出した。器も籠だし、ビジュアルが似てる。
「東京の喫茶店のトーストは薄い」
関西出身者がこんなこと言います。関西では喫茶店のトーストといえば、厚切りが基本のようです。
まあ、よく県民性を語るとき、関西では食パンは5枚切が売れ、関東では8枚切が売れると言いますものね。ただ、私個人の好みで言うと、生まれも育ちも関東ですが、もっちりしたぶ厚いトーストの方が好きです。
しかも、今回はあえて空腹状態で臨んだので、この厚切りぶりは願ったり叶ったり。
私が入店したのは、夜7時頃で、先客はゲームに熱中する1人だけ。で、そこから離れた席にぽつんと座る私。店内はガラーンとしていた。
それにしても、ここの内装はいい。一見オーソドックスだけど、オーソドックスを極めている。レベルが高い。
鏡貼りの壁で奥行を出したり、オレンジの暖かい明かりのシャンデリア、と対照的に壁からは冷ややかな白い光を発する、現役活躍のテーブルゲーム、灰皿は血赤珊瑚を思わせる深い赤、珈琲専門店然としたメニュー表、昭和製と思しき渋いエアコン、コーヒーのポスター、ピンクの公衆電話、使いこまれ年季の入ったカウンター。
1つ1つは、昔だったら喫茶店に当たり前にあったアイテムを、よくぞここまで残してくれた!と拍手したくなった。
椅子はWの文字にくりぬいた特注品。ウインの頭文字だと思いますが、Wien?
振り返ると、裸婦の絵。これってマスターの趣味かしら? (・∀・)ニヤニヤ
…俗なこと考えてはイケマセン!
こちらウインは40年以上にもなる、歴史ある珈琲専門店。最初は別の場所で営業を始め、後にこちらに移り、現在に至る、とのこと。この場所は元は銭湯だったんですって。だから、裸婦の絵、なんだとか。
うーむ。たしかに入浴シーンではありますね。でも、やっぱりマスターの趣味のような気が… ( ̄ー ̄)ニヤリ
さて、つらつらと思いつくまま書き連ねていくと、またしても次から次へと思い出して、いつまでもゴールにたどり着けません。そこで、最後に1つ、いや2つ書いて締めくくりたいと思います。
インパクト大な厚切トースト。東京では、ここと八重洲地下街のアロマくらいしか思い浮かばない、とマスターにお話ししたところ、これがなんと!単なる偶然ではなかったのです。この場で詳しく書くことは差し控えますが、大きな繋がりがあったのです。
あと、もう1つ。
コーヒーとトーストを出すタイミングについて。
「少しズラして出してる」
やっぱり! 一緒に揃って出てこないなぁ~と思ってたのです。ほんの数分の差ですが、コーヒーが先に出て、少し待ってトーストが出てきた。ブログ書いてる方なら、分かると思うけど、ささっと写真を撮ってから口を付けたい。私の場合、何度も写真を撮りたくないので、全部揃ってから、一枚の写真におさめることが多く、この少しの時間差が気になったのです。
「もちろん、出そうと思えば同時に出せる」と前置きをした上で、ズラす理由を教えてくれました。
コーヒーをきちんと味わってほしいから、だそうです。トーストの油が口に残っていると、混ざってしまうから、だと。
温厚で穏やかな印象のマスターですが、根底にはこだわりの職人気質が流れているのに、気付かされました。使い込まれたコーヒー器具や、工夫を凝らしたカウンターからも、しみじみ伝わってきます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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