悲しいお知らせです。
築地の名物「喫茶ひよ子」が8月30日をもち閉店しました。こちらによく通ってた方から連絡を受けました。まさか…という感じです。つい先日も、とある集いにて、ひよ子の話題が出たばかりですので。
ひよ子といえば、純喫茶好きの方なら、まず行くべき店の1軒。かく言う私も、純喫茶めぐりにハマり始めた頃に行きました。噂に違わぬ名店ぶりに感動したものです。
ただ、これも私のダメなとこですが、一度行って満足しきったのか、それっきり何年も行ってませんでした。それが、なぜか、ふと、行かなきゃと思い、今年の3月に再訪問、さらに7月に再々訪問をしました。なにか予感でもあったのだろうか?
東京都中央区築地2-10-2
※2013年8月30日閉店
違います。予感ではないです。
私には映画マニアだった時期があります。ごく短い期間でしたが、それこそ、手当たり次第、あれこれ見まくってました。
自分にとって初めての映画ばかり、数多くこなしてましたね。さばく、といった感じ。正直、見ただけで、身についていませんでした。
翌日には内容をさっぱり忘れている。それどころか、何を見たか忘れているという有様でした。当時はブログではなく、手書きで映画日記をつけてました。1つの映画に2ページ。1ページは手書きのイメージイラスト(笑)、もう1ページが文章。人に見られたら軽く死ねる。
ところが映画ブームはあっという間に去った。当時見た映画のタイトルくらいは覚えているけど。内容はほとんど覚えていません。あれは無駄な時間だったのか? いえ、そうではありません。
大海原をくぐり抜けた、数少ない珠玉の映画がありました。
良いものは色褪せない。ふと見たくなるときが巡ってくるものです。そういう映画はDVDを購入し、それこそ何十回となく繰り返し見ています。
思えば、それは純喫茶にも言えること。
一周回って、やっぱり良かった、と思える珠玉の純喫茶。その1つが「喫茶 ひよ子」であります。
笑っちゃうくらい安い料金設定、その値段に見合わぬ美味しさ、これぞ純喫茶といった内装は昭和そのもの、お店のご夫婦の緊張させない雰囲気…。良さを挙げれば、キリがありません。
言わないとメニューが出てこなかったり、タバコの煙がモクモクしてたな、とかも思い出しますね。
いろいろいろいろ、あちこちあちこち、たくさんの純喫茶に行ってみて思うのは、ひよ子のような店はどこにもないし、これからも決して誕生することはない、ということ。
閉店は本当に残念です。
トースト100円。とは思えないボリューム。美味しさ。
コーヒーは150円。だけど、普通に、いや普通以上にすごく美味しいのです。
チーズトースト150円。トーストしたパンにキュウリを挟み、上にチーズが乗っているという面白いスタイル。充分すぎるほどお腹いっぱいになります。
アイスコーヒー200円。普通に安いのだけど、ここではやや高額。感覚が狂ってしまいます。
私が行った3月は平日、7月は土曜。どちらもお客さんでいっぱい。ゆえに、店内の写真はこれっきり。
東京土産ひよ子?を彷彿させる書体。今だったら、商標うんぬん、ケチがつきそうなものですが、昭和の喫茶店では珍しくありません。おおらかな時代だったのかも。
あまりにも安い料金設定なので、てっきりご自宅かと思いきや、ではないそうです。今更ですが、利益あったのだろうか、とか余計なこと考えたり。
本当にお疲れ様でした。近いうちに、また築地に行ってみようと思います。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント