日本橋には喫茶店が多い。でも、閉店時間も早いんですよね。
この日は仕事帰りに東京駅での用事を済ませ、その後で…と思い、日本橋をうろついた。時刻は夜7時頃。喫茶店はどこも営業を終えたとこばかり。
と、夕暮れの空に、Americanなダイナーを思わせるネオン。「Cafe Grill ルイーズ」という喫茶店だった。
東京都中央区日本橋3-9-12
閉店
レイーズになってますね。
曜日ごとのランチメニューで、やる気満々。
食品サンプルも賑やか。
私が心奪われたのは、これ。「ルイーズ風デラックスプリン」。
長年の喫茶店めぐりで学んだことがある。プリンばかりはメニューにあっても油断ができないこと。いざ、注文する段になり、「ない」と言われ、何度ガッカリしたことか。
最近では、食べたい気分でなくとも、メニューにあればとりあえず頼むようにしている。もっと言えば、店頭にプリンのサンプルがあれば、とりあえず一度は入ってみようと思っている。
ということで、入店しましょうか。
地下への階段を下る。
意外に広く、照明は抑え目で薄暗い。
内装は喫茶店というより、夜の雰囲気。ひと昔前に、渋谷・新宿・池袋あたりの繁華街で、こんな店に入った記憶があるんだけど…。「NEW」とか付いた店名で、微妙な雰囲気のバーだったんですよね。
先客は2人組のサラリーマンだけ。
奥のソファー席に座った。招き猫が近くにある。
「いらっしゃいませ。お食事ですか? コーヒーですか?」
細身の男性が近づいてきた。店主らしい。
プリンて食事? 一瞬迷ったが、「食事」と答えると、大きなメニューを渡された。
「大きな」メニューだった。本当に大きいのだ。2つ折りで、広げるとテーブルからはみ出しそうになった。
「高いんですけどね…。あと、できないものもあります」
んっ!? 思わず適当に聞き流すところだったけど、この店主、普通に言わないことをさらっと言ってのける。「安い」アピールは分かるけど、あえて、「高い」と伝えるとは。まあ、正直というか親切なんでしょうね。
(実際は、安くはないけど、都心の喫茶店なら許容範囲のお値段でした。)
薄暗くて、メニューの字も読みづらいのだけど、食事系メニューが相当に充実している感じ。でも、私は食品サンプルで決めていたデラックスプリンにするつもりだった。
ところが、ここでも、「ない」との返事。たしかに、「できないものもある」と言ってたものね。
仕方ない。別のにしよう。
再度、薄暗い中、目を凝らしてメニューを見る。オーソドックスな喫茶メニューだけでなく、実物がイメージしにくい創作料理系もあった。
無難なところで、サンドウィッチとアイスコーヒー。
サンドウィッチは具一覧の中から2種類選べ、サーモンとキュウリにした。
無難なはず…でしたが、そんなに無難じゃないかも。荒々しい盛り付け。いや、正直言うと、雑(^^;
マヨネーズの量が多すぎるし、少し油っぽいかも…。
サラダやコーヒーは普通に美味しかったです。
BGMはクラシック。ショパンの『別れの曲』が流れて、少し切ない気分に。
「お味はどうでしたか?」
…帰り際に、フランクな口調で、店主に聞かれた。
不意をつかれ、「美味しかったです」と答える私。オイリーだったとの本音は言えず。でも、このくらいの嘘は許されるでしょう(笑)。
ただ、具体的に突っ込まれるとマズイので、慌ててプリンに話題を変更(汗)。プリンはいつだったらあるのか聞いてみました。
「今、やってないんですよね。デラックスプリンはうちのウリなんですけどね。ソフトがないんでね。ソフトさえあればねぇ…。」
ソフトと言うと、ソフトクリームのことだろうか。そういえば、食品サンプルは、なんかクリームみたいなのの上にプリンが乗っていたような。
「プリンだけなら、私が作ればいいわけだから。ソフトなくてもいいですか?」
マスターがプリンを作ってるんですね。正直、私はプリンが食べたいので、それに付いてくるのはなんだっていいのだ。ソフトクリームじゃなくても別に。
「じゃあ、頑張って作りましょう!」
意を決したように、やる気満々(に見えた)のマスター。
でも、本当に作ってくれるんだろうか(^^;
私、次いつ来るか分かりませんよ?
Cafe Grill ルイーズ マッチ (2013年)
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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