タイミングが合わない喫茶店ってある。
たとえば、国立南口・ブランコ通りにある「ナジャ」がそうだった。
何度か足を運んだが、閉店の片づけをしている最中だったり、早めに行ってみれば臨時休業だったり。
もしかしたら、ご縁がないのかも。半分諦めかけていた。でも、アンティークな外観が妙に気になる。諦め悪いとは思うが、もう一回だけ行ってみよう。
そしたら、やってる!
東京都国立市中1-9-37 KKビル1F
※閉店
時刻は夕方6時頃。電気がついているではないか。しかも、これまで見たことのない木彫りの看板まで掛かっている。
何度もフラれた店がやっている。これだけで、嬉しい。
扉を開けると、外観よりさらに個性的な内装。南米をイメージしているのだろうか? それとも東南アジア?
レトロさより、無国籍というか、エスニックぶりが際立っていた。
先客はいない。
カウンターにはアーティスト的オーラを漂わせるママさん1人。
Yoko Ono 似?
いつもなら、入った途端、どこが一番落ち着く席なのか瞬時につかめるが、こちらの店では少し迷った。
結局は一番奥。真ん中の2人用テーブルにしたが、良い選択だったと思う。中央に立つ太い柱がよい死角になった。
柱は螺旋状で、トーテムポールのような存在感がある。なにを象徴しているかは分からないけど、この店の大動脈といった感じ。
看板メニューでもある水出しコーヒーを注文。
「ホット? アイス?」
水出しコーヒーといえば、アイスだと決め付けていたが、水出しコーヒー(ホット)、水出しアイスコーヒーの2種類あった。
水出しアイスコーヒーは、ダッチ・コーヒーのことだよね?
お湯の代わりに水で抽出するコーヒーだとは知ってたけど、ホットもあるんですね。ホットの場合は水出しコーヒーを加熱するのだろうか?
そのへんはプロでないのでよく分からないけど、アイスの方にした。
あっさり、すっきりした味。すーっと飲んでしまった。
単品でというより、お食事をしながら、一緒にいただきたいクセのない美味しさでした。
店全体は照明を抑えていて、薄暗い。ただ、手元だけは程よく明るいので、本を読むには充分だった。
なによりも心地良いと感じたのは音楽。ジャズが流れているのだが、かなり良い音。
聞いてみると、やはりスピーカーはこだわっている、とのこと。昔はレコードでジャズを流していた、らしい。
昔は? とすると、現在は時代の流れからしてCD?
…と思いきや、私の想像より遥かにナジャは進んでいました。なんと、iPod。
言われなければ全然分かりません。いやはや。時代に乗り遅れてるのは私の方でした。
ナジャは古くからある喫茶店で、近くには一橋大学学生御用達のロージナ茶房もあります。若いお客さんも多いだろうし、お店のオーナーも柔軟なんでしょうね。
ただ、昔は夜遅く11時頃まで営業してたけど、今は早めに閉めるそうです。今度は日中に来ます、と約束し、店を出ました。
その後、ぶらぶらと大通りに出た。洋菓子店「白十字」があり、目の前には休憩所がある。ワンちゃんがベンチに繋がれてた。
つぶらな瞳が可愛かった。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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