純喫茶には花の名前が多い。
特に多いのが、カトレア。全国的には相当な数あるはずだが、東京だけでもいくつか知っている。新橋駅前のニュー新橋ビルにもカトレアはあるし、もう閉店してしまったが、東上野にもカトレアはあった。
これ以外にも、まだまだカトレアという喫茶店はある。
そして、八王子駅北口にも「喫茶 カトレア」がある。
東京都八王子市旭町6-3
※閉店
このところ純喫茶についてメールでやり取りしている方から、「新宿にもカトレアがあった」と教えていただいた。新宿地下道から入れ、紀伊国屋書店の近くにあり、マンモス喫茶ともいえる大箱純喫茶だったらしい。
もちろん、すでに閉店している。
どんな喫茶店だったんだろう? 思いを馳せるが、それを知るすべがない。
インターネット普及以前に閉店した純喫茶については、超有名店でない限り、知るのは至難のわざだ。
せめて現役のカトレアには今のうちに行っておこう、と思い、3年以上前に一度訪問したきりの八王子の喫茶カトレアを訪問した。
土日はどちらも営業していたような気がする。そして、夜もそこそこ遅くまで営業していたような気がする。
「気がする」ばかりだが、実は営業時間をしっかり確認したことがない。でも、通りかかると、いつも営業中だった。
全然変わっていなかった。
狭い入口だが、奥のテーブル席はゆったりとしている。
ジャズが流れ、カウンターの方から、テレビの声が小さく入り混じる。
コーヒーカップもシュガーポットも同じ。アメリカンテイストなコーヒーの味まで、まったく同じ。
「同じである」ことを確認するために再訪問したみたいだが、それを求めていたんだと思う。
古い喫茶店とはいえ、手入れが良く、掃除も行き届いているので、居心地は抜群。
以前はマッチに興味がなかったのでもらっていなかったが、今回はマッチもいただいた。
「小さいものですが…」
温和な雰囲気のマスターから手渡されたマッチにはカトレアの花ではなく、タイルのような絵が入っていた。ひっくり返すと、「katorea」。
カトレアはCattleyaだった気がする。このへんのアバウトさも純喫茶の魅力だと思うが、どうだろう?
喫茶 カトレア マッチ (2013年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
[2016/09/19追記]バーに変わっていました。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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