花の名前の喫茶店が好きだ。
赤坂にもあった。その名も「喫茶 パンジー」。
だが、よりによって、なぜパンジー?
いやパンジー可愛いし好きだけど、赤坂には赤坂らしく、もっとふさわしい花があるような気がする。夜の匂いが漂う、美しく、艶やかな花が。そう、それこそカトレアなんかどうだろう?
ところが実際には健気で庶民的なパンジー。このミスマッチぶりに興味を持った。
東京都港区赤坂2-6-24 赤坂水野ビル
郵便局のならびにある。というか、隣?
私が入ったのは夜6時頃。先客はスーツ姿の男性2人組だけだった。
すっきりした内装で、店内は広々としている。
純喫茶度はそれほど高くはないが、使い勝手は良さそう。
ここにも有楽町「ストーン」で見かけた、コカコーラの黒い冷蔵庫があった。純喫茶界の新ブームだろうか?
メニューを見てビックリした。
コーヒー400円。安い。
赤坂なら、どれだけマズいコーヒー出されても、最低500円以上取られると思っていたから。
モーニングセットも安い。トーストセット、サンドイッチセット、チーズトーストセットがALL400円。
ここまで安いと、朝から繁盛するのではなかろうか。普通に出勤前のサラリーマンとか来ると思いますね。
私が今回狙っていたのは、「特製のりトースト」。
元祖のりトーストとしては、神田の「珈琲専門店エース」が有名で、私は密かにお気に入り。醤油とバターの組み合わせが絶妙だと思う。
さて、パンジー特製のりトーストはというと…
このパターンで来たか!
エースがパンにのりをサンドしたものなら、こちらは逆。パンに海苔を巻いたもの。餅ではなくパンの礒辺焼といったところ。
実は新宿の「珈琲西武」には礒辺トーストというメニューがあり、見た目は一緒だ。向こうはポテトチップスとか色々付いてきて、値段もそこそこしましたが。西武には珍しく(失礼!)、なかなか美味しかった(笑)。
なら、パンジー特製のりトーストも美味しいはず。
…と思い、期待しつつ食べてみる。
大当たり!
結構ハマッた。鉄板のバターと醤油の組み合わせ、それに七味のピリリとした隠し味が効いていた。なんかビールが欲しくなる味。
(実際のところは外で1人でビールを飲む勇気がない)
7時過ぎになり、いきなり70歳代の女性グループが入ってきた。一挙に賑やかになる。会話内容から一見さんのようだった。
赤坂には滅多に来ないけど、オシャレ系カフェには事欠かないだろうが、この手の昔ながらの喫茶店は少ない。これからも頑張って欲しいな。
…そう思い、年季の入ったレトロなレジでお会計をするときに、「のりトースト美味しかったです」とママさんにお伝えした。
好意は口に出さないと伝わらないもの。
そして、、、あのぉ…
「領収書?」
いえ、マッチをいただけますか?
「あら~、もしかしたら、そうじゃないかと思ったのよ。はい、どうぞ」
本当にそう思ったのかしら? でも、すごくお茶目なママさんだと思った。すごーく可愛らしい方。
いただいたのは、マッチとショップカード。パンジーの絵が入ってて、すごく可愛い。これ見てたら、パンジーこそが、赤坂にふさわしい花に思えてくるから不思議。
ウキウキして、「しろたえ」でレアチーズケーキを買って帰った。
喫茶 パンジー マッチ (2013年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
エムケイ
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