私は鄙びた南国ムードに弱い。
「喫茶 オリビエ」はまさにそんな純喫茶だった。目の前には海、店先には椰子の木。ローカル色漂う寂れた外観は場末の雰囲気。見た瞬間、もうメロメロです。
神奈川県横浜市金沢区柳町33-18
初めての金沢八景は、自宅からは決して近くない横浜市の南端。H様の情報提供に強く突き動かされて、遠路はるばるやってきました。
H様の紹介文がまた見事でした。この記事の随所に気に入った表現を拝借してますので、あらかじめご了承ください。<(_ _)>
私は京急を利用しましたが、少し歩くと、金沢シーサイドラインの駅もあります。そして、ここからは一気に海!!!
シーサイドラインは名前通り、海辺に沿って高架を走る、海らしい鉄道でした。電車が通り過ぎるのを見て思わず感動!きっと車内からの眺めも見事なんでしょうね。用はないけど、いつか乗らなきゃ。
ロケーションはまるでどこぞの南国。
金沢八景駅からはそれなりに歩くのですが、海を眺めながら歩けばあっという間に喫茶オリビエです。
なかなか力強いですね、オリビエ。ヨコハマハイコーヒーとは横浜ローカル銘柄なのだろうか?
「でんわ」って!!! 可愛い~~
ちっちゃなたばこ売り場はあまりにもしっくり溶け込んでいて、あやうく見過ごしてしまうところだった。Cigarettesとたばこのくすんだ色合いが絶妙。
洞窟みたいな入り口からそっと中を覗いた。
カウンターはおじ様でいっぱい。肩寄せ合って、わいわいと話に興じておりました。
パーテーションの向こうがカウンター。ビビッドカラーの個性的なイラストが南国調で素敵だった。大きな木製のスプーンとフォークが吊ってあり、絵になってます。ここはお客さんが入れ替わり立ち代り、常に満席状態。超人気のVIP席?
一応平日日中なんですがね…。悠々自適なお金持ちか定年退職後の方たちでしょうか?
天井には造花?
チープ感が素敵です~~。
お客さんはみんなカウンターに大集合していて、テーブル席はガランとしていた。
「エアコンが壊れててスミマセンね」と謝りながら、マスターが扇風機をつけてくれた。
え、てか、扇風機!!! レトロに磨きがかかりすぎてて、もはや骨董品? 古過ぎてむしろスタイリッシュ。レトロ家電マニア垂涎の品だったりして。
間違いなく昭和製。ボタンの色合いからして30~40年前のもの? だとしたら、よくぞここまで持ちこたえた。普通に涼しく風も来る。でも思えば、昔の家電ってなかなか壊れないよね。
ゲーム機も相当年季入ってます。ここがまた怪しくて、ナカナカ足を踏み入れがたい閉鎖的な空間でした。仄暗く、どこか退廃的なけだるさに満ちてて。ここは見るだけにしておこう。
「アイスコーヒーでいい?」と訊かれたので、つい注文。ん、でも、この空間で過ごせれば食べ物や飲物はなんだっていいんだ。
創業45年のこの店、映画「キャッツアイ」、ドラマ「テネシーワルツ」をはじめ、数々のロケ地にもなったそう。たしかにここは絵になるものね。海のそばだし、立地も含めて撮影には理想的。
気付くとアイスコーヒーの氷が溶けてました。あらら、水っぽくなってる。慌てて飲み干す。
帰りにマッチがあるか訊いてみました。「ここには無いけど、探しておくから。今度来れるときに電話でもして」とお店の名刺をいただきました。
いつ行けるかな? でも行きたいな。海を見ながら駅に戻りました。駅前にも喫茶店はいくつかあったけど、この日はオリビエの余韻に浸りたいので、どこにも入らない。あっさりと京急に乗って帰ることに。
[2012/08/17 追記]
1ヶ月後、再訪問しました。マッチのことをどう切り出そうか思案していたところ、マスターの方から「マッチ用意しておいたから」。有り難いです!
喫茶 オリビエ マッチ (2012年8月) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
散人
腹ペコだったので食事メニューを聞いてしまったのですが、一瞬の間があり「ピラフくらいなら…」という苦笑い気味のママさん。
きっとマスターだったら着席と同時に「コーヒーでいい?」って有無を言わせずだったんでしょうか。
コーヒーだけの注文に、ママさんがハラダのラスクを持って来てくれました。
「よかったら食べって」って笑顔付きで、お気使いに感謝です。
窓の外は関東学院の学生らしい姿がけっこう行き来します。カウンターのVIP席にはいつものご近所さん方のようです。会計は交代したマスターでした。
健在確認にちょいちょい行ってみたい。
2017/11/18 URL 編集
エムケイ
カウンターは常連さんがズラリも定番の風景ですね。
金沢八景は移転後の三本コーヒーショップの仮店舗の様子を見たいし、パン屋のアオキの様子も気になりますが、私が知ってる風景とは様変わりしたんでしょうね。
見たいような、見たくないような。
こちらのオリビエは横浜市の喫茶巡りのノリに乗ってた時期に訪問した店なので思い入れがあります。
駅から遠いので行くのが億劫なのですが、どこかで時間を作って行きたいです。
2017/11/19 URL 編集