千住、ハマればハマる。ミルクホールモカを出た後、千住桜木交差点で身動きがとれなくなってしまった。雨がしとしと降り、歩く気はみるみる失せていくのでした。
とりあえず、どこか駅にゆきたい…。
と、傘を差しながら、ふらふら町屋方面に向かい歩いていると、バス登場。この辺は鉄道空白地帯で、かわりにバスが活躍していました。そそくさと乗り込むと、駒込病院行きの車内アナウンス。駒込病院から先はどうするのか、とも思ったが、まあ何とかなるだろう。後部座席で揺られながら外を眺めていると、珈琲屋……CINNAMON?
東京都荒川区町屋4-33-8
なんだろう? 初めて見るはずなのに、どこかで見たような気がした。
あまり時間はないのだけど、滅多に来ない場所だし、この機会を逃してしまうと次回いつ来れるか分からない。30分くらいなら…、と慌ててブザーを押した。
私の悪い癖でもありますが、時間がないときほど、いちいち余計なものが目に入ります。あれですかね、掃除をしてるときに限って思い出の品が次々出てくるみたいな?
その上、向かいの商店も気になった。だって、こちらにもシナモンがあるのですから。いくらなんでも偶然同じ店名はないだろうし。離れ?みたいなもの? 喫茶店で離れという表現を使うかは別として。
気になるけど、検証は後にして、最初に見かけた方の「珈琲屋 シナモン」へ。
忠実に建物そのままな看板。
喫茶店めぐりをするようになってから、店名入りオリジナルグッズに心惹かれるようになりました。マッチはいわずもがなですが、紙ナプキン、伝票、コースター。
こちらシナモンさんは備品のあちこちに店名が入っています。傘立て、鍵、カウンター、レジ周り…。こんなところにも、あんなところにも。1つ1つ見つけるたび宝探しをしているみたいです。
お手洗いのトイレットペーパーのフォルダーにも入っていたときは本物だと思いました。
さすがに照明には店名は入っていませんが、琥珀色のガラスには繊細な花の絵柄が入っていて素敵です。
本格手作りコーヒーゼリーが気になる。
ただ、シナモンさんは自家焙煎珈琲店。やはりコーヒーが飲みたい。
でも、コーヒーゼリーも食べたい。コーヒーにコーヒーゼリーは変かなぁ? てことで。折衷案をとって、コーヒーと紅茶ゼリーにしました。
どちらも美味。とりわけ、ゼリーの上には甘さ控え目でまろやかな極上クリームが乗っていました。
そしてカップとソーサーにもCINNAMONです。
そういえば、前半でも書きましたが、バスから見かけたときから、初めてでなく、前からこのシナモンを知ってるような気がしてました。もしや…。
バッグをガサゴソ探ると、四つ折りに畳んだA4コピー紙2枚。
雑誌名は忘れましたが、沼田元氣さんによる、荒川区の喫茶店を写真と共に店名、住所、電話番号、営業日、定休日を載せたもの。以前新三河島のナルビで拝見し、近くのコンビニでコピーを取らせていただいたものです。
付箋の付いたナルビのちょうど真上に、珈琲屋シナモンが載っていました。
いつか喫茶店めぐりをしようと思ってコピーを取ったのですが、10年以上前の雑誌だったので、どうせ今は閉店してるのだろう、と。すっかり忘れていました。正直言います。現地でガッカリするのがイヤだったのです。
勢いこんで、お店のママさんにコピーを見せ、「これを見て来たんです(←嘘)」と話しかけました。「あら、随分昔のだけど、わざわざこれを見て?」と驚いていたので、多少罪悪感はありましたが、(つい)「はい、そうなんです」と答えてしまいました。
ついでに、向かいの(推定)シナモン別館についても訊いてみました。
現在は使っていないらしく、14年前(数字はうろ覚えです)からこちらの新店舗に移ってきた、そうです。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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