新三河島の純喫茶を出て日暮里に戻る途中、ふと思い出した。
JR三河島「カフェテラス ウィーン」のことを。
コリアンタウンらしく、ビビンパ、冷麺、クッパといった韓国料理がメニューにあり、ハングルの表記もあったと記憶している。
ゴージャスな内装で、壁には城のライトパネルがあった。入口のそばのゲーム席に座って城を眺めたんだっけ。そばには煙草の自販機と男臭い漫画ばかりが並ぶ棚があった。
数年前に一度行ったきりだし、行ってみよう!
東京都荒川区荒川3-61-7
ウィーンは当時と同じ姿でそこにあった。
欧羅巴風のエンブレム、植木に隠れた看板、店先にとまった自転車。
そして中も。なにひとつ様子が変わっていなかった。
そして数年前と同じ城が見える入口のゲーム席に座った。おそろしくデジャブ。
ただ今回は注文を取りにきたおばちゃんに
「寒くない?この席。ドアが開くと寒いから奥へ行ったら?」と言われ、城の前の席を促された。よく考えるとゲーム席は足に台が当たって座り心地が良くないのよね。
素直に移動しコーヒーを飲んでいると、、、
「トム!そっちはダメ!」 おばちゃんの叱りつける声が。
ト、トム? アメリカ人?
声をする方を見ると猫でした。
トムとジェリーが由来でしょうか? おどおどした目の可愛い顔をしたサバ猫でした。
思わず「私、猫が大好きです」と声を出してしまいました。それを聞いたおばちゃん「普段は店に出てこないんだけど。猫が好きな人が分かるのかしらね」とニッコリ。
「このコ暗いのよ」と言い残して、トムは奥に連れていかれました。
もうちょっと触れ合いたかったな。
ところで、このウィーン。なかなか広さがあり、店半分は満席で、城のある残り半分はガラガラでした。
どうやら向こう側は常連さん専用なのか、お客さん同士顔見知りっぽい。
「おい、お前なんだ?」「なんだとはなんだ?」という丁々発止なやり取りもあり。単に気安く挨拶してるだけだったんだけど。一瞬、緊張しました。
お酒を飲んでいるのか(想像)、料理もつまみとして注文している様子(憶測100%)。
狭い店だとアウェー感が半端ないんですが、なんせ広いので全然平気。向こうは向こう。こっちはこっち。1人でココロおきなく過ごしました。
マッチには「純喫茶」の文字が燦然と輝く。麗しき姿。
嬉しくなってしまい辛口ラーメンを追加。インスタントだけども、これはこれでよし。
食べ終わったので、漫画を片付け帰ろうとしたら、
「セットで飲物も付けられるわよ」。おやまあ。さっき飲んだばかりですが、コーヒーをもう一杯。
随分長居して時間も遅くなりましたが、向こう側のお客さんは誰一人として帰る気配がなかった。
ウィーンの夜は長い。
カフェテラス ウィーン マッチ (2012年) ※画像をクリックするとマッチ側面が見れます。
[追記]
記事を書き上げてから数年前に撮った写真が出てきました。見比べてみました。外観がちょっと変わってましたね。瓦がなくなってます。東日本大震災の影響でしょうか?
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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