珠玉の純喫茶「グリーン」。
(この記事はすごく長いです)
徳島県海部郡海陽町四方原杉谷138-3
スポーツセンター「グリーンプラザ」と「喫茶グリーン」。経営は一緒です。スポーツセンターとなってますが、現在はゴルフだけだと思います。違ってたらスミマセン。
広々した敷地、横長の建物は要塞のようでスケールが大きい。
スモークの扉には「グリーン喫茶」の店名。左手には食品サンプルのショーケース。
これは間違いないな!
「グリーン」だから壁紙もグリーン。
「お好きな席へどうぞ」
カウンターの中から女性の明るい声。
「お二階でもいいですよ。電気つけましょうか?」
段差がある広い店だと聞いていたけど、2階があるなんて知らなかった。
パッと明かりがついて、中2階の事だと知る。
岩や植物を寄せ集めた小さな枯山水、甲冑を着た騎士などカオスな和洋折衷空間の陰に階段が隠れていました。
羽ばたく鳥? 猛禽類でしょうかね。迫力ある剥製を見上げる。
しかし鳥で驚いてる場合ではありません。
中2階の奥には鹿が立っています。
鹿は純喫茶でよく見かけますが、ほぼほぼ頭だけです。こちらは鹿が丸一体。初めてかも!
天井には八角形の玉座にゴージャスな照明が鎮座。
さて、どの席に座りますかね? どれも団体向けの大きなテーブルで、一つ一つがデカイ!
椅子がテーブルごとに違う。4種類。どれもゴージャス純喫茶度高いタイプ。
青く艶々と光るベルベットの椅子に座ってみました。
隅っこにはポツンと椅子。人数が増えたら使うのかな?
でも、好みの椅子は座るのではなく眺めたい。座ると見えなくなってしまいます(^_^;)。どうせなら鹿のそばに座ってみたい。席を移動してゴブラン織りのゴージャス模様の椅子に座ります。横には鹿がいます。色違いで赤い椅子もあります。こじんまりしててマトリョーシカみたいで可愛い。
誰もいないもんね! 中2階貸切! 最高~~!
岩にメニューが刺さっていました。
かき氷ミルク金時
ジメジメと暑く汗をかいていたんですが、一気にクールダウン。夏はこれよ! アイスコーヒーでもアイスクリームでもない。ガツンと冷やしてくれるのはかき氷です。最近は喫茶店巡りではかき氷注文率がめっきり上がってます。
コーヒーも一緒に注文したんですが、「いつお持ちしますか?」と聞いてくださったので、食後にお願いしました。
(コーヒーを出すタイミングを聞いてくださると、非常に有難い)
こちらからカウンターは見えないし、カウンターからもこちらは見えない。食べ終わった事に気付いてないようだったので、声をかけてコーヒーをお願いしました。
これは純喫茶的には正しい。変に気を利かせて何度も見に来なくたっていいんです。放っておいて、用がある時にこちらから声をかけるくらいでいいんです。いい感じに放っておいてくれるパラダイス状態。これぞ純喫茶に求める最大のおもてなし。
クールダウンした体には温かいコーヒーがしみる。私好みの味で凄く美味しい。温かいクッキーも付いてきました。手作りでしょうか? ソフトタイプで中にとろーりチョコレートが入ってて美味しかった。
さてしっかり楽しんだ後は撮影タイム。中2階は私1人だったので、こっそりと(いや堂々と?)写真を撮ってしまいましたが、他の写真も撮りたい。隠し撮りでは大した写真は撮れません。
写真を撮りたいと言うと、「電話してきた方ですか?」
バレバレですね(笑)。いくら腹をくくってここまで来たといっても、意味なく玉砕するほど向こう見ずではありません。やれるだけの事はやってます。
事前にこの日営業してる事を電話で確認してます(^_^;)。
ヤバい奴来た~と思われたのかと冷や冷やしましたが、最近は県外から来るお客さんが増えているらしく、私みたいな物好きもそんなに珍しくはないようです。
かつて客席として使っていたようです。写真のためにステンドグラスの電気をつけてくれました。
実はずっと気になってたカウンターの奥の別室。ゴルフだけでなくバッティングセンターまでも。
(ゴルフは現役ですが、バッティングセンターはもうやってないようです)
素朴な布のランプシェードにときめく。
BGMがなく遠くから人の声がしてたのでお客さんがいっぱいいるんだと思ってましたが、ママさんのお母様がここでテレビを見ていました。
剥製がいっぱい。鹿はデフォルト(笑)。フクロウや海老なども。この部屋ではなかったかもしれませんが、ワニの剥製もありました。あちこち案内していただいたので、分からなくなってます(^_^;)。
剥製がある純喫茶はこれまで何軒も見てますが、ここまで多い純喫茶は珍しい。
「父の趣味で…」
現在はお母様と娘さんの2人で営業してるんですが、お父様が作った喫茶店。元は小さかったが、どんどん増設して、広がって行ったようです。
再び中2階に戻ります。
「あの鹿の隣には電話ボックスがあったりするんですか?」
さっきまですぐ横に立っていた鹿の横の扉の事です。
「見てみますか?」
電話ボックスを?
扉を開けると階段がありました! 電話ボックスじゃなかったの?
階段を登るとペンギンの剥製。
なんとビリヤード場があったのです。
年季は入ってますが、枯れた味わいが琴線に触れます。丸いソファー席、壁の絵とか色々素敵~~!
純喫茶椅子も置いてあります。さっきまで座ってた椅子と同じゴブラン織り(笑)。
ここは日本で一番純喫茶度が高いビリヤード場に違いありません。
てっきりもう使ってないのかと思いきや、現役なんですって。
ゴルフ&純喫茶、ビリヤード&純喫茶。純喫茶巡りで純喫茶。なんでもありなんですね。「娯楽の殿堂」とはこの事。全盛期はめちゃくちゃ盛り上がったんでしょう。勝手に妄想してうっとり。
こういう夢のある純喫茶は本当に好きです。
「帰りは駅まで歩くんですか? 駅まで車で送りますよ」
図々しくもお言葉に甘え、駅まで送っていただきました。
早く着き過ぎてしまったのですが、すでにホームには帰りの電車がとまっていたので、「グリーン」の余韻に浸りながらマッチの撮影。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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