徳島空港から路線バスで鳴門。駅から一番近い喫茶店「チャイム」に入った。
徳島県鳴門市撫養町小桑島前浜75
駅から一番近い。
地図上ではそうですが、バスの着いた場所が駅の反対側だったので、ぐるっと回った。目立たない裏通にあり、実際にお店に入るまで15分かかった。
15分位どうって事ないでしょ? いえ、そうでもないんですよ。鳴門での滞在時間は3時間弱。鳴門から別の場所に移動する予定なのです。入りたい3軒の喫茶店は運良く駅近で固まっているのですが、初めての場所ではそれほど余裕はありません。無駄は1分たりとも許されないのです。
まるいテントと看板が目印。もの凄くひっそりとしてる。
ドアには謎の女性キャラクター。笑顔がなんだかシュールです。
ドアを開けると……
極上の雰囲気に固まる。前日、ほぼ寝ないで来たんですが、一気に目がさめてしまった。
高低差がある円錐型の銅の照明。チャイムをイメージしているのだろうか。
長いカウンターが壮観。
天井はアールを描いている。直線と曲線。薄暗い店内は異空間、雰囲気に飲み込まれてしまいました。
奥の優美な格子の奥に半個室のようなスペースもありますが、作業場なのか客席としては使っていないようです。
オードリーヘップバーンがいらっしゃいます。
ハートに群がる蝶々。
等間隔に美しい生花の花瓶。
ほのかに発光する飾り棚。
これは相当良いよ。オーラがあります。
とにかくセンスが良くて痺れる。神々しい空間。
実は前日まで「チャイム」は飛ばしてしまおうと考えていました。カウンターしかないし、グーグルで事前に見た写真に特に惹かれるものがなかったからです。
だけど、鳴門の情報をくれた方はこちらを一番お勧めしていたので、とにかく入るだけは入ろう、イマイチだったら15分で出ようとまで考えていたのですが、実際入ってその愚かな考えは一瞬で吹き飛びました。
鳴門一だと確信してしまいました。ここ入らなかったら、鳴門来る意味はないレベル。
ママさんがニコニコしながら登場。
あっ! ドアの笑顔の女性キャラはママさんだったのです。そっくり。
シュールに感じたのは現実の人物をキャラクター化したからなんでしょう。
お水は取っ手付き。ありそうでない。
メニュー。
あいすどりんく、あいすくりーむ&ふろーと、ほっとどりんく、けいしょく
平仮名の分類が80年代っぽいゆるさ。
朝一番、お腹も空いてたのでモーニングを注文。
随分待ってコーヒーとトーストが出てきたのですが、トーストの量が凄い! きっと2人分なんでしょう。1つのお皿に2人分乗せる、たまにそういう店あります。
しかし、すぐにトーストがもう一皿! これ、一人分?
バタートースト凄く美味しい。でも量多いなあ…ランチ抜かないとな、と思って一切れ食べ終わったところで、サラダの山盛り登場。
おおげさではなく山盛りでした。半熟のゆで卵も付いてます。ほかほか温かかったので、作り立てなんでしょう。サービス良し。これで450円。
BGMも最高。音量大きめのオールディーズ。この空間に合っています。薄暗い店内で温かみのある懐かしさ。音楽に身を任せていると、そのまま眠ってしまいそう。
カウンターに座る事はありますが、大抵ソワソワ落ち着けないものです。しかし、こちらはカウンターでも妙に馴染み落ち着ける。
薄暗いからでしょうか? それともママさんの親切だけど馴れ馴れしくない適度な距離感のせい? 長居したくなる雰囲気でした。
背もたれがスラっと細長い革張りの椅子は艶々と黒光りしています。
お客さんが帰った後のズレ、ママさんがピッと揃えていました。
直線カウンターへと優しく誘う曲線のレジカウンター。
お会計の時、創業年を聞くと、意外にも新しく昭和52年(1977年)。
昭和52年でも充分古いのですが、漂う風格は60~70年以上のものでした。
喫茶店は実際に入ってみないと分からない。
迂闊にも飛ばしてしまおうとしていた前日までの自分に恥じ入ります。
朝一番でこちらに入れて本当に良かった。悪い点が一つも浮かばないんです。素敵な喫茶店でした。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
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コメント
紅茶っちゃ
2023/07/04 URL 編集
エムケイ
本当にそう思います!
戯れに過去入ったオードリーヘップバーンがある喫茶店を思い浮かべてみたんですが、どこも皆良かったんですよね。
これがマリリンモンローだと玉石混交。
ちょっと違う路線の店も紛れてたりするんですが、オードリーヘップバーンは純喫茶に品格を与えますよね。
半個室のそばのセクシーなお姉さん。
ママさんから誰か名前をお聞きしたんですが、忘れてしまいました(^_^;)
「不二子ちゃーん」といえば、「ルパン三世」の実写版で峰不二子役は黒木メイサですが、個人的には20年位前に藤原紀香がやって欲しかったです。
紀香以上にイメージぴったりの人いないので…
2023/07/04 URL 編集
枡矢
2023/07/05 URL 編集
エムケイ
女性のポスター(誰かは聞いたが忘れた)が非常に良い雰囲気でした。
こちらは鳴門に行った人から、おススメの喫茶店の中から唯一「凄く良かった」と感想があった店なので、やっぱり入らないとと入りました。
事前に見たグーグルの写真がどうもピンと来なかったんですが、実物は極上の雰囲気です。
偶然か? ブログを公開してからグーグルをもう一度見たら、鳴門に行く前には見なかった写真が追加されてました。
2023/07/06 URL 編集
散人
確かに、映画ポスター@純喫茶ではオードリー・ヘップバーンの確率が高いかも。
男優だと、アラン・ドロンが多いでしょうか?
圧巻のカウンター!ここまで長いカウンターのみの純喫茶というのもなかなかない
のでは?
2023/07/07 URL 編集
エムケイ
そういえばママさん、そう言っていたような…(今更)(^_^;)。
きっと知らない女優さんなので忘れていたんでしょう。
このポスターは何の映画だろう?
調べてみたら、映画ではなくて、「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」という音楽のアルバムでした。
純喫茶でオードリー・ヘプバーン多いですよね。
趣味の多い純喫茶で飾ってる率高い印象です。
男優だとどうだろう?
アラン・ドロン?
記憶にないですが、「太陽がいっぱい」のポスターは純喫茶に似合いそう。
似合いそうで覚えてない可能性も。
そういえば浅草の喫茶店で「青春の殺人者」のポスター貼ってるところありました。
ポスターそのものはカッコイイんですが、映画自体は衝撃が大きすぎるので、なぜこれを選んだんだろう?と思った記憶が…(^_^;)。
こちらのカウンター圧巻でしょう?
もし鳴門に行かれる事があったら、ぜひ寄ってみてくださいね。
2023/07/07 URL 編集
枡矢
2023/07/10 URL 編集
エムケイ
私はあれから枡矢さんから教えていただいた京都の喫茶店に行こうと温めていながら、いざ何度か京都に行った時はすっかり忘れてまだ行けてません。「萬鉄」とか…
お会いして10年。クローバーでの意外なバッタリでしたね(笑)。
2023/07/11 URL 編集