入店難易度が非常に高いレストラン喫茶が八王子にある。
東京都八王子市横山町10-15
その名は「こいそ」。「そ」の字のクセが強い。
八王子に住んでる人なら一度は見た事があるはず。「ああ、そういえばそんな店あったな」と記憶にある方も多いでしょう。宿場町の面影を残す古い商店が残る甲州街道沿いにあります。
ところが実際に入った人は少ないのではないでしょうか。
そもそも営業中に通りかかった人がどの位いるのでしょう? とにかくレア営業の店なのです。
かくいう私も入店したのは3年前ですが、一度フラれています。
平日のみ、入れるのはお昼の30分程度。いや、それはいい方で、もっと短い、入れるのは運という噂も。不定休の可能性もある。なんとも心もとない営業情報です。覚悟はしていましたが、現実はそれ以上に厳しかった。身をもって体験しました(笑)。
これから書くのは、3年前に「こいそ」に入った試行錯誤の記録です。
2020年4月某日(金)12時20分
入店難易度が極めて高いとはいっても、12時なら大丈夫でしょ?
12時に入れるよう中央線に乗り八王子に向かったんですが、うっかり青梅線直通に乗ってしまい眠りこけてしまった。あろう事か拝島まで来て気付き、慌てて立川まで引き返し、下りの中央線に乗り換えたのですが、「こいそ」に着いたのは12時20分だった。
遅かったか……
あら?看板が出てる!間に合った!
しかしドアには「準備中」の札。ぬか喜びでした。
時刻は12時20分。「準備中」という事は準備をしてる最中? 開くのを待ち、辺りをウロウロしていると……
お店の人が出てきて看板を片付けてしまいました。
慌てて駈け寄ると、看板も植木も「準備中」の札もすべて無くなっており、電気も消えている。
まるでこの日に営業した事などなかったかのような鮮やかで手際の良い店じまい。
これは相当にハードル高いな…次回の策を練ります。
2020年4月某日(火)11時28分
念には念を押し、前回より1時間早く訪れた。外に看板は出ているがこれは前回と同様なので営業中とは限らない。
おそるおそる近寄ると店内真っ暗。さすがに早すぎたようです。
開店待ちでスタンバってもみたんですが、冷静に考えるとその姿は不審者そのもの。お店の人に見られたら怪しまれる。ひとまずその場を立ち去り、道路を渡り向かいのみずほ銀行ATMに行き、5分後もう一度来てみると…
看板はまだあります。
あれ?もしかして?
「営業中」に歓喜!!!
なぜこんな変な角度で撮ってるかというと、撮れるタイミングがこの1回だけだったからです。
看板の裏側に回り込むと、ランチメニューがぶら下がっていました。やった!
しかしドアが開かない。
ええっ!なんで?「営業中」になると同時に「準備中」?
この段階で軽くパニックに陥っていました(^_^;)。
店内から先客の方が、手で開けるようジェスチャーしてるのが見えます。
手動になった自動ドアなんですね。もしかしたら通行人までセンサーが感知して一々開くと面倒くさいので止めてるのかもしれない。
「あっちか(入口)あっち(奥)へ離れて座ってください」とママさん。
ソーシャルディスタンスですね。換気の事も考え、入口に座った。
照明や床の模様など純喫茶の内装。
メニューは…? 外の看板にかかってるランチメニュー3種類から選択。
ハンバーグとフライ盛り合わせともう一種類あり、フライ盛り合わせを注文。店を出たらあのランチメニューの写真を撮ろうかな…ぼけーっと眺めていると、若い女子が慌てて入店し、何だかを注文。
即座にママさんが外に出て看板からランチメニューを外し片付けてしまい、「営業中」から「準備中」に変えていました。
時計を見ると、11時35分。
10分にも満たぬ「営業中」でした。
ランチメニューの写真が撮れなかったのも、「営業中」の写真が変な角度だったのも、ママさんのあまりの手際の良さゆえ。
フライ盛り合わせの内容は、白身魚、クリームコロッケ、エビフライ。味噌汁は豆腐とネギ、ライスの量は少ない。
具なしナポリタンがお子様ランチみたいで個人的にツボ。キャベツ千切りと一緒に。
入れるかどうかで必死だったので味の記憶が飛んでしまっているののですが、多分普通に美味しかったんだと思う。
先日、5月末閉店予定の「エスエム」のついでにフラっと見に行ったのですが、変わらぬ姿でそこにありました。当然レア営業なので真っ暗でしたが、現役の雰囲気はあり一安心。
コーヒーや変色したクリームソーダーらしき食品サンプルがありますが、あの雰囲気から察するに頼んでも無理でしょう。
現在Googleでの営業時間は11時30分~12時30分、土日休み。
こんなに長く営業してはいないと思いますが。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
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