店内も外観の期待裏切らず素晴らしい!
この日、張り切って朝一番に訪れたのですが、その甲斐は充分。本当に来て良かった…心の底からそう思った。
兵庫県加古川市加古川町大野45-1
2022年2月28日閉店
前回の記事の最後にも書きましたが、入店時点では閉店することを知りませんでした。知ってて訪れるのと後から知るのでは感じ方が違う。そして、閉店を知ってから書く記事は、どこか現役の喫茶店とは温度差があります。できたら閉店を知る前に書きたかった。しかし、それは今となっては出来ません。
ちょっとわざとらしくなりますが、マスターの口から聞くまでは、閉店を知らないという体で文章を書くのでご了承ください。
ええっ!いきなり岩!なぜ?
そういえば入口にも大きな石が置いてありましたね。
さて、どこに座りましょうか?
奥にも席があるようです。んーー
ここに決めた!奥の丸窓が4つ並ぶ雰囲気たっぷりの空間に座ることにしました。
丸窓には夢がある。なんかこの世ではない別世界への入口みたい…。外は中庭になっているのか、木と岩が見えます。
椅子の背もたれの細工も優美なアンティーク調で素敵。
ここからだと、大きな岩の背中も見えますし、波々模様の壁やロマンティックな絵画が見え、純喫茶ーー!な眺め。
本当にスケールが大きい。ダイナミックな空間。ロマンティックでありながら、渋さ、重厚さもある。理想ですよね。
壁の中間部分には、弧を描いたパーテーションがありますが、仕切りというよりは、店内風景を素敵にする装飾のように思えます。
パーテーションの間には、小さな謎階段があり、ドアが付いています。
これ、開くのかな? それとも単なるトマソン? ドアにはステンドグラスが嵌めこまれています。
コーヒーに関するポスターなので文句言いずらいですが、ここには貼らないで欲しかった。ステンドグラスが隠れちゃうじゃないですか(^_^;)! こだわりの内装なのに、勿体ない。でも、そんな愛すべき抜けがあるのも、純喫茶の特徴なのですけどね。
朝だからか、いつもなのか、先客は男性一名。
おそらく常連さんでしょう。見応えがある奥の席ではなく、入口の窓際の席に座っています。私の座ってる席からは遠く離れているので、ぼんやりとしたシルエットがあるだけです。
さて注文することにしましょう。
テーブルの上にはメニューが置いてあります。ジャンルごとに色分けされてて、素敵なメニュー表です。
支えている脚の部分がどっしりしてるので、ちょっとやそっとじゃ倒れません。
裏面もあり。
朝一番。起きてから何も食べていないのでモーニングを注文することにします。
もちろん飲み物はダッチコーヒー。
私の座る奥の席から見える水出しコーヒーの装置。
せっかくダッチコーヒー推しなのだから入口付近の目立つ場所に置けばいいのに、隠れた場所に置いてあります。
この奥が調理場になっているようでした。
岩にはダッチコーヒーの説明がありました。
2月だったので仕方ありませんが、とにかく寒かった。
広いから暖房が効きにくいのだろうか。店に居る間、寒くて寒くて凍えていました(笑)。ずっと厚着をしていました。
BGMは演歌。なんでよ?
店内の素敵な雰囲気にはジャズが似合いそうですが、お店の方&常連のお客さんの好みなんでしょうね。
モーニングは注文してから結構待ちました。
おそらく私だけではないと思っているのですが、広くて空いてる場合、お店の人に撮影許可を取る前に、自分の席から軽く撮ってしまいます(^_^;)
入ってすぐ許可を取るのも興ざめですし、大抵最後に聞くんですが、他のお客さんが入ってきて撮れなくなることも多々あるからです。
なら、なんのための撮影許可? NGかどうかを確認するためです。それに自分の座ってる席以外からの景色を撮るためには、許可を取らざるを得ません。
あと、もう一つ。お店の人から一見のお客では聞けないお話を聞くキッカケにもなるからです。
「分かる人は『ここは凄い』と言ってくれるんだよ」とニコニコ顔のマスター。
これだけの外観と内装ですからね。マスター自身も自慢なのです。当然のことです。
「でも、いいタイミングで来てくれたね。もう後何日もないから」
んっ?聞捨てならぬ発言。
「なんとか頑張ってきたけど、コロナでお客さん減って、ここにきてまたオミクロンが…」
2月28日に閉店するという話。
もうビックリ仰天!
実は昨年4月に、神戸の喫茶店2軒(「マルオー」と「セリナ」)の閉店のついでで、加古川まで足を延ばすことも考えて、でもやっぱりそれなりに遠いので、行く前に電話をしたんです。そしたら、14時までと言われ、時間が厳しく断念しました。たしか当時グーグルに載っていた営業時間は19時頃までだった。随分早くなったんだなあ、このままだといつか…早めに来ないと。ずっと頭にありました。
加古川は遠征の優先順位でもトップにあったので、今年こそは…とにかく早く行かねばと訪問したのでした。
まさか現地で、それも閉店まで残り数日だとお店の人から直接聞くと思っていませんでした。
【こちらの記事もどうぞ】
【木更津】レストランいわさき (2018年2月28日閉店)
※4年前ですが、ずっと頭にあったお店を訪問したら数日後に閉店するという、同じシチュエーション
こんな凄い喫茶店が閉店するとは…ひたすら勿体ない! 喫茶店の閉店はこれまで数多く見ていますが、こちらは建物含む内装の素晴らしさが遺産級。
「これからは予約が入ってて忙しくなる」
閉店を惜しむお客さんが予約を入れているのでしょう。そのお客さんというのは常連のお客さんに違いありません。この時点で大々的な閉店情報は流れていませんでした。
お会計をしてから立ち話。クラシカルな装飾の付いたクッションのレジカウンターやコーヒー器具各種、電話ボックスなどに気付く。
マッチは処分してしまったらしいのですが、代わりに記念にとコーヒーチケットをいただきました。
エムケイ
ブログを通して多くの方に純喫茶の魅力を伝えていきたいと思っています。
当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。
コメント